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2021年02月23日05:15

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お茶の間で見直すと映画館での感動には遠く及ばないけれど、自分のものにできた満足感は大きい。グレタ・ガーウィグ監督「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」(2019)。

昨年の6月に、緊急事態宣言があけたので劇場に駆けつけ、2か月も映画観から遠ざかった禁断症状を癒やしてくれた作品です。それを手中に収めることができました。だからスターチャンネルは正しい。責任を取るべきは内閣総理大臣だと思います。←ギャグにならんなぁ。

物語は、ジョー(ジョセフィーン)・マーチ(シアーシャ・ローナン)が出版社に小説を売り込む場面から始まり、その7年前の少女時代と行き来します。スクリーンで見たときは、画面の色合いの変化でフラッシュバックと今とがすんなり理解できたのに、48インチのテレビだとその後ろの窓にごみ処理工場のクレーンが動き回るせいか、物語に集中しにくくて往生しました。

しかし、新たなる出費がないままこの映画が自分のものになるという、僕の所有欲が満たされるわけだし、映画館で見た感激がフレッシュに蘇るわけですから大した問題ではありません。でもテレビでしか見ない人は、その残念さにも気づかないだろうな。そんなことで、現在アメリカ映画界のトップを走っているグレタ・ガーウィグ監督の実力を侮らないようにしましょうね。

やはり白眉は、ジョーとベスが浜辺に座っているシーンでした。あのフィックスショットが、大人になっていく過程での不安感そのものという少し暗い雲と相まって、“死ぬのは怖くない”というベスのセリフが胸に刺さります。本人はもう怖くないかもしれないけど、周囲の人間は怖いのだよ。本人が恐怖を克服したと語っても、周囲の人間(僕のこと)には伝わらないのだよ。

その無常観というか寂しさが、圧倒的な重みで見る者(僕のこと)の胸を打ちます。この気持と無縁の人は幸せですね。チコちゃんに叱られると丁度いいでしょう。いやいや、ボーっと生きていられたら、この上なく幸せな人生なんですよ。僕はそういう人とお近づきになりたいとは思いませんけどね。だって、うらやましすぎるもの。

そしてまた、この映画を前オリンピック委員会会長に見せておけばよかったんじゃないかと僕は思いました。でもきっと、フラッシュバックの技法についていけず眠りに落ちたでしょうね。そういえばテレビ番組では相変わらず“女子はどう思うの?”と市川紗椰に話を振っていました。基本的に世の中は何も変わってないのです。

ボーっと生きるのも結構ですが(というか僕はそうなりたくないだけ)、アメリカの歴史における画期的な南北戦争という時期があり、僕の学生時代にはベトナム戦争があり、現在まだアフガンなどで戦いがあります。国内では格差が拡大していて、ブラック・ライブズ・マターが叫ばれている。その何重にも重なり合った人生が、この1本の映画で解きほぐされていくわけです。

そういう映画敵快感を追体験することなく、“ボーっと生きていく”のはやはり、考えものではないかな、と僕は思います。そういう心配をしなくていい人生というものも、たしかに幸せだとは思いますけどね。
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