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2021年02月19日05:02

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ここ数年、映画館に客を集めている映画は、当然だけれどこの映画より落ちる映画ばかり。クエンティン・タランティーノ監督「ジャッキー・ブラウン」(1997)再見。

たまたま放送されたので、すでにDVD-Rに録画してあるけどDR録画して見直してしまいました。そしてBD-Rにして死ぬまで大事にします。

タイトルに書いたことは、あまりにも事実なので忘れてください。つまり、集客して興行的な成功を収めることと作品の価値とは無関係ですから。というか、僕は興行的成功と作品の内容を結びつけて考える気持ちがありません。キングレコードに入社してすぐ、研修で言い渡されたとおり、“いいレコードが売れるのではない。売れるレコードがいいレコードなのだ”という明確なセオリーが存在します。

ところが世の中には、金の論理と質の論理をジョイントさせたがる人がいます。僕に言わせれば、それは平面幾何学で宇宙旅行を読み解こうとするような手法です。それはせいぜい“複雑に入り組んだ現代社会を読み解く”と銘打った関西キー局のテレビ番組と同質でしかない。←“夜のスクープ”ではなくて“騎士のスクープ”だと自称している番組です。

前置きが長くなりましたが、タランティーノは「フォクシー・ブラウン」のパム・グリアに惚れ込んでこの映画を作ったようです。もちろん「アパッチ砦ブロンクス」の彼女にもしびれたはず。刑事事件で逮捕されたことから一流航空会社からはじき出された客室乗務員のジャッキー(パム・グリア)が、銃器密売人のオーデル(サミュエル・L・ジャクソン)の現金運び屋となっている設定。

そこに火器局のレイ・ニコレット(マイケル・キートン)が接近し、司法取引を餌にオーデル逮捕を手伝わせます。オーデルが捕まった仲間たちを釈放させるために雇う保釈保証人がロバート・フォスター。オーデルのムショ仲間で出所したばかりの男がロバート・デ・ニーロ、そしてオーデル愛寵の“金髪娘”がブリジット・フォンダでした。

初めて見たときはデ・ニーロ絶頂期でしたから(だと思う)、騒がしいブリジット・フォンダをアッという間に射殺する場面に驚きました。でも今回は展開を知っているせいもあるけれど、デ・ニーロの軽率な射殺ぶりが笑えます。←僕もオーデル側にシフトしてきたのか?←そんな大物のはずがないやんか。

とにかくタラちゃんならではの、無駄なしゃべくりが延々と繰り広げられ、それがいちいち面白い。さすが20世紀末のアメリカ映画をしめくくる異才監督です。そういえばあのころ、このメーカーのベレー帽が流行ったっけ。ロバート・フォスターは先日「ディア・ファミリー 〜あなたを忘れない〜」(2018)を見たばかりですが、やはり「ザ・ファミリー」を見直さないといけないかな。

しかし早くもこの映画から四半世紀が過ぎようとしています。そろそろタラちゃんも伝説になっていく時代ですね。ちまたにはダウンタウンの漫才を見たことがない連中が多数派を占めている。そんな連中が喜ぶ映画なんか、僕のようなHOSERが満足できるわけがないのです。あ、hoserの意味が知りたい方は、アーバン・ディクショナリーあたりを参照してください。

なにしろオーデルお好みの金髪娘が、そろそろ還暦じゃありませんか。そういうことなら映画そのものがご臨終を迎えても致し方ないと僕は思います。我らhoserは、懐かしき昔にしがみついて、死ぬまで“世界一わがままな映画ファンのひとり”を続けたいと思います。なにせ万という数の映画を“所蔵”しているのですから、すべて見るまで死ねない。おっと、これじゃ103歳を超えても死ねませんね。
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