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2020年07月27日05:28

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熱心に追いかけたつもりの監督ですが、この作品は見逃してました。深作欣二監督「日本暴力団 組長」(1969)。)

1969年7月8日に公開しているようです。前年の「博徒解散式」を見て、ヤクザも会社組織になって生き延びるしかないという方向性に驚いていたのに、同じ神波史男 、長田紀生と組んだ深作が、“1970年に向けて反共勢力としての全国やくざ大同団結”という観点に戻っていたので、なんだかなぁと感じました。昔気質のヤクザを鶴田浩二が演じ、菅原文太と安藤昇がゲスト出演するという内容です。

物語は、8年の“お勤め”を終えた横浜の浜中組代貸塚本(鶴田浩二)が出所するところから始まります。かつての兄弟分椿(内田良平)はクラブなどを経営して、大阪に本拠を持つ広域暴力団淡野組の盃をもらっている。それは親分浜中寅吉(清水元)が、弱小の浜中組を少しでも大きくしようという意図でしたが、単に淡野組の代理戦争を引き受けた形になっていた、という展開です。

「仁義なき戦い」の3年前になりますから、あのシリーズに至るヤクザ映画の一つとして深作作品の系譜として押さえるべきかもしれませんが、僕は佐藤純弥監督の「組織暴力」などが描いた“70年安保に向けて結集されるヤクザ”よりも、「博徒解散式」の“ヤクザも経済成長下の日本で会社に変貌して生き残る”という考え方に衝撃を受けていたわけですから、いまさら“反民主勢力の結集”という考え方を持ちだされても困る。

おまけに終盤、鶴田浩二が単身おとしまえをつけようと決心すると、親密になっていた女が“あなた、何かしようとしているのね”という決まり文句をつぶやく訳です。勘弁してよ、と思いました。その話は済んだはずでしょ(苦笑)。なにしろ「博徒解散式」のあと松竹で「恐喝こそわが人生」を作り、それが「仁義なき戦い 広島死闘編」へとつながったのを知っている僕には、“変な後戻り”なのでした。

とりあえず、東京で“はぐれ一派”という感じのイケイケ軍団を仕切る宮原(若山富三郎)と塚本(鶴田浩二)の、男の意気に感じあう部分が面白いのですが、せっかく「博徒解散式」でぶち抜いた構造を後戻りされたらかなわんなぁという作品でした。

ところでオールシネマ・オンラインのデータと、ムービーウォーカーのデータを見比べると、人数はムービーウォーカーが勝るけど、実際には出ていない人が記載されているのは何故なんでしょうね。たとえばムービーウォーカーは浜中寅吉を水島道太郎としているけど清水元だし、ムービーウォーカーには一色美奈というし新人女優さんの記載がない。一方でオールシネマオンラインには、一色美奈の他の作品が記載されていない。こういう不完全なデータベースって嫌ですね。

とはいえ、今見直すと三十代半ばの中原早苗、よろしいなぁ。あのころは“おばさん”としか認識してなかったけど、今見たらおいしい盛りですがな。そういえば大阪で大火があってクラブの従業員がたくさん亡くなったのですが、ニュースで30代40代の女性従業員の訃報に接し年輩の方が多いと思っていた僕も、この年齢になると30代は若手ですわ。って、経済的にもコロナ的にも“接待を伴うお店”には近寄れませんけど。

とりあえず、人気シリーズ発掘以前に、大部屋俳優さんたちの個性に少し光を当てた作品として、まあ見て損はないでしょう。損に感じる人はそもそも手を出さないはずですし。
なお似た題名がいろいろ存在しますのでご注意を。「日本暴力団」というシリーズの「組長」です。「くずれ」でも「首」でもありません。もちろん「組長と刺客」でも「殺しの盃」でもありません(苦笑)。
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