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2020年07月10日06:37

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“ありえない恋”が楽しめる、21世紀の男性版シンデレラ物語。ジョナサン・レヴィン監督「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」(2019)。

ジョナサン・レヴィンという監督の映画は、「50/50 フィフティ・フィフティ」(2011)と「ナイト・ビフォア 俺たちのメリーハングオーバー」(2015)を見ています。どちらも、ちょっと面白かった。←かなり褒めてます(笑)。今回もセス・ローゲンという、21世紀のアメリカ映画界では無視することのできない逸材(これは無理して書いています)とのコラボですから、見逃せません。←と言いつつ劇場には駆けつけず、レンタルの順番もちと遅いけど、まあ細かいことはええやんか。

物語は、ネオナチグループに潜入して特ダネをモノにしていた新聞記者のフレッド(セス・ローゲン)ですが、その新聞社がメディア王(アンディー・サーキス!)に買い取られ、“辞めてやる”と口走ってしまいます。それを知った次期大統領選に出馬を決めている国務長官のシャーロット(シャーリーズ・セロン)が、自分のスピーチ・ライターに抜擢する、という展開。

シャーロットが、子供のころフレッドの子守りをしたことがある、というところがミソで、幼いころの“クラッシュ”が再燃するわけです。こういう“ありえない話”を、すいすいと信じさせるところがポイント。なにしろ国際政治の荒波をさっそうと乗り切る才女です。40代半ばのシャーリーズ・セロンが、ものの見事に演じてくれる。

その恋のお相手がセス・ローゲンですよ。ジェリー・ルイスにマリリン・モンローが惚れるという映画が成立しないのに、セス・ローゲンとシャーリーズ・セロンならOKに思えるところがいい。あ、言い忘れましたが、シャーリーズ・セロンとセス・ローゲンがダメな方は手を出さないでくださいね。こういう映画は好意的に見ないと、損をします。

なにしろ、ローゲン演じるフレッドは、ビルから飛び降りてもピンピンしているし、階段の上から落とされても無傷という鋼の肉体の持ち主で、それをマジに非難する観客はこの映画に向きません。そもそもアメリカ大統領(いかにものボブ・オーデンカーク)が1期目の半ばにして、“俺は大統領を辞めて映画俳優になる”と言いだす話です。それを見ていられない観客は、冒頭にどう見てもユダヤ人のフレッドがネオナチに潜入しているあたりで見るのを止めるべきです。

僕の場合、セス・ローゲンの「ジ・インタビュー」のソフトを購入してしまう“ファン”ですから、それにシャーリーズ・セロンの大人の魅力が加われば“必見”となります。そしたら途中で、耳なじんだメロディーが別の歌い手で流れてくる。この“ムーン・リバー”には感動しました。おそらくヘンリー・マンシーニも同じ思いでしょう(四半世紀前にお亡くなりですが)。

こういうのを“琴線に触れる”と言うんですね。しょーもないコメディーなんだけど、これがあるから“一生モノ”となりました。←てなこと言われてその気になって、2週間後にはすっかり忘れていると思うけど。とりあえず「50/50 フィフティ・フィフティ」の哀感を忘れないでいてくれた、その感覚に拍手したいと思います。←かさねて言いますが、セス・ローゲンに思い入れのない人は手を出さない方がいいよ。そんな方はチャップリンの旧作(新作なんてないけど)にしときなさい。

ということで“ムーン・リバー”を歌っているフランク・オーシャンという人の名前も書いておきます。すぐに忘れてしまうから、まさにこの日記は備忘録なのです。1982年生まれだったら、オードリー・ヘプバーンが劇中に歌った場面を目にしているかどうか。ま、時代の違う人間が過去をどう感じるかは、直接生活にかかわる関係でない限り意味はない。

それにしても、シャーリーズ・セロンってええなぁ。デビューしたての若い魅力よりも、今回の方が僕にはちょうどいい。もうアカデミー賞狙いはやめて、美女路線を突っ走ってください。「マイティ・ジョー」(1998)公開時に来日して、“この映画を見てくれなかったら、追いかけちゃうわよ”と語っていたから、僕はまだ見ていません。いつになったら来てくれるのかな?←“今でしょ!”
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