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2020年07月04日06:25

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“ウディ・アレン、老いたり”と思ったら最後で納得、という映画でした。ウディ・アレン監督「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」(2019)。

まずはこの映画がアメリカでは劇場公開されていないらしいのでびっくり。ウディ・アレンの監督作が公開されなかった年は、この50年間に5回しかないのだそうで。年に数本監督作を公開していた年もあったのに、さすが寄る年波には勝てないかとだらだら見ていました。いや、だらだらとしたバカ者(おっと誤植、若者ね)の恋物語なのです。

ニューヨークの北部にあるヤードロー・カレッジで学ぶギャツビー(ティモシー・チャラオ、おっと誤植ティモシー・シャラメ)が、アリゾナから来た記者志望の女子学生アシュレー(エル・ファニング)と週末シケこもうと計画していたら、学生新聞の記者なのに大物映画監督ローランド・ポラード(リーブ・シュライバー)のインタビューが入ってしまう、という展開。

マンハッタンに生まれ育ったギャツビーなので、時間つぶしをしていると昔の学友たちと出遭います。学生映画を作っている友達からエキストラを頼まれて、元カノの妹チャン(セリーナ・ゴメス)と再会し、昔と同じく口げんかを展開する。このあたりで、アシュレーの取材風景とカットバックするから、恋のなりゆきについてはそれなりに感づきます。

それでも、くだくだと恋愛模様が展開するので、なんだかなあという印象でした。かつてのアレンなら、とっくに懐に秘めた刃をちらつかせてるでしょ。最近、テネシー・ウィリアムズ調の恋愛劇ばかり作っていたから、本来のコミカルな展開術を忘れたのか?

などと要らぬ心配をしていました。1時間あたりでは、あくびまでしてしまう。←92分しかないのだから、そのころには“危機感”しか感じませんでした。ところが、なんです。ギャツビーが両親が主宰するパーティーに出なくちゃいけなくなり、一計を案じるあたりから面白くなりました。いや、最終的なオチが、僕には納得だったな。←これは、必ず見て確認してください。ネタバレ文を読んで“したり顔”をするなんて、人間として恥ですよ。

母親を演じるチェリー・ジョーンズって、名前にも顔にも覚えがないのですが「ある少年の告白」に出てたのか。リーブ・シュライバーも、ジュード・ロウも、すぐには顔が分からなかったわけですから、しょうがないかも。レベッカ・ホールはさすがに分かりましたけどね。あの場面しか出ないから、分からなかったら“出ていない”ことになってしまう(苦笑)。

アナリー・アシュフォードって、このところ何本か見ているな。なかなか覚えにくい女優さんだ。ティファニー役のスーキー・ウォーターハウスとかアラサーネエちゃんにもツバをつけて、と。それにしてもセリーナ・ゴメスって、「スプリング・ブレーカーズ」のころから年取ってないみたいに思える。でも、大学生の同級生の妹という役には、ちと無理かも(笑)。

とりあえず、もうウディ・アレンはいいや、という方には向きません。僕みたいにあれだけ多作の人なのに、その3/4は見ている(出演作を含めて、です)人間にとっては“乗りかかった舟”なんですけど。←もしかしたら、まもなく沈没する? それでもええわ。
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