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2020年01月18日06:21

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夫婦喧嘩は犬も喰わないから、この映画を褒める人は犬以下? ミシェル・アザナヴィシウス監督「グッバイ・ゴタール!」(2017)。

19歳でゴダールと結婚し、その後離婚したアンヌ・ヴィアゼムスキーから見た離婚に至るまでのいきさつのようです。いや、夫婦が離婚に至るいきさつなど、当事者でさえ見解が分かれるわけで、その内容については“のようなもの”でしかあり得ません。

それでもたまには、「ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情」(2013)のように、僕を夢中にさせる映画があります。だから夫婦や恋人たちの物語は、むしろ大好きなのだと言えるでしょう。しかし、今回のパロディ・コメディーは、ゴダールを茶化しただけの愚劣な内容でした。

監督のミシェル・アダバナデゴンスは、無声映画へのオマージュという見せかけでアカデミー賞をもらった山師ですね。奥さんがベジョベジョとかいう美女。この「グッバイ・ゴダール!」にもゴタール夫妻(ルイ・ガレルとステイシー・マーティン)の友人ミシェール・ロジェとして登場します。知らんで。聞いたことない名前や。

ということで、アンヌ・ヴィゼムスキーの原作を映画化したそうですが、もし原作がこんな内容なら、それこそ犬も食わない話でしょう。ヴァゼムスキー本人がこの映画の公開後数か月でガンのため亡くなっているだけに、真相を知ることはできません。この映画の中身に落胆したんじゃなかろうか。

ということで、ゴダールという名前だけは知ってるという程度の人にとっては、そして夫婦の痴話喧嘩を好む方にはよろしいんじゃないでしょうか。ゴタール作品を知りもしない人たちが、“「軽蔑」の冒頭でカメラが観客を映す”とか、“「恋人のいる時間」のラブシーンと同じフォトジェニックな絡み場面だ”などと喜んで“映画マニア”をきどってみせる醜態が目に浮かびます。

ということで僕は、その程度にしかゴダールとつきあったことのない映画ファンに対しては“嘔吐感”しかわきません。←昨日見た「ナイブズ・アウト」の影響ですな。この映画は緘口令が敷かれていて物語の結末について語れないから、公開以後にでも語ります。←それじゃ口コミにならんなぁ(笑)。

ということで僕は、ステイシー・マーティンという女優さんのお姿を楽しみました。ゴダールのそっくりさんなんか、本人の写真ですら僕はすでに写真で見飽きているわけで、あんなむさくるしい風貌でステイシー嬢のお姿を汚さないでくれと思うだけ。

それにしても、ヴィアゼムスキーってモーリアックの孫娘で、自身もゴンクール賞受賞作家なわけですよね。その著書をこんな三流のパロディーで終わらせていいのかな、と僕は思います。結局、無声映画時代を懐かしむふりをしてハリウッドに媚びたフランス野郎が、ゴダールどころか五月革命の意味すら理解していないという無知をさらけ出しただけの映画でした。

そんな映画で惜しげもなく裸身をさらけ出すステイシー・マーティンって、どうよ? いや、それでええんです。若くはつらつとした今のうちに、映像として多くの姿をとどめておいてください。映画は、その時代の証人なのですから。せやけど、脱げばいいわけじゃないよなぁ。ラース・フォン・トリアーの中のステイシー・マーティン、ブルーレイで持ってるけど…。←意味のないつぶやきです。

写真3のポスターが、完成品を見た関係者の本音でしょう。
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