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2019年11月18日05:44

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「アナログレコードって本当に音が良いの?」という、疑問そのものを疑いたい。「関ジャム完全燃SHOW」11月10日放送分を見て。

なんでも世界的にはアナログ・レコードの売り上げがCDを追い越しそうな勢いだそうで、アメリカでは今年の売上数が、1986年以来久しぶりにアナログ・レコードがCDを上回りそうだとか。ということで、この番組は音楽に関するいろんな質問に答えているそうです。そのひとつの疑問が、「アナログ・レコードって本当に音が良いの?」でした。

以前から僕は、アナログ・レコード人気再燃とかいう“ブーム”には疑問を感じていました。その理由は、一般的にアナログ・レコードをきちんと聴ける状態にないくせに、結構劣悪な状態で聴いた人がCDと比較して“音がいい”などと言うからです。1980年代半ばにCDが世に出たとき、音楽業界では明確に答えが出ていた“アナログとデジタル、どちらが音がいい?”という問いとは、いささか状況が違う中での、この疑問に僕なりの結論を述べておきたいと思います。

まず、アナログ盤の再生環境が、一般的にはとても貧相だとしか言えない状態であること。そして一方で、CDをまともに再生して音楽を楽しむ状況ですらなくなってきていること。この二つの問題点をクリアーしないと、そもそも問題として考察するレベルに届きません。もしかしたら、この疑問を提出した人は、CDすら聴いていなくて、配信をスマホで楽しんでいるだけではないのか?

配信をスマホで楽しんでいるだけの方は、きちんとしたオーディオルームをお持ちの方の部屋で、CDをきちんと再生してお聴きください。まずはそれからスタートです。そう僕は思っていたので、今回この番組がどのようにアナログ盤を再生するのか、それがポイントでした。これに関しては、寺岡呼人という方のオーディオルームで、きちんとした装置を使って聴き比べていたので、問題はないと思います。

つまり、アナログ盤を再生するプレーヤーと音を取り込むレコード針(カートリッジなどの構成)がみごとなものでした。最も気になるカートリッジが、オルトフォンだったこと(モノラル用)で安心したわけです(写真)。アンプとスピーカーについては、アナログ盤もCDも同じ装置を使いますから比較する必要がありません。しかし、この方の試聴室はみごとですね。全部で数千万円は投入している気がします。

これでもうお分かりだと思いますが、これだけの装置で再生するときに、初めて“アナログ盤とCDの音の差”を云々できるのです。1980年代半ばに僕はレコード会社にいたから、このシステムと同等の部屋で、アナログ盤とCDを聴き比べました。今回の結果もそれと全く同じで、アナログ盤にはCDにはない音が感じられるというものでした。

だからと言って、アナログ盤のほうがCDより優れているという短絡な結論はダメですよ。この番組の出演者たちが微妙な言い回しで“違い”に言及していたわけで、その微妙さを感じ取ってください。アナログ盤には、CDがカットしてしまっている音域が入っている、という事実をきちんと自分の耳で確かめてから“音の良さ”に言及しないといけません。

この番組では、ビートルズの初期の曲を聞き比べ、アナログ再生した音の方がいろんな音が聞こえた、という結論です。テレビから聞こえる音は確かにそうでした。しかし、最近のテレビは“やらせ”が多いので、番組内で聴いた音だけで判断してはいけません。我々はオーディオルームの音を聴いていないのですから。スタジオにいるゲストたちは、まだテレビから聞こえる音よりマシな状態でしょうから、ゲストの印象は“正しい”と思います。

もっと言えば、今回のビートルズの音源は、アナログ盤用に録音された音源です。そして僕が知る限りビートルズの初期の音源が、CD用にリマスターされた事実はない。というか、2チャンネルのアナログ音源しかないはずですから、イコライザーなどでいじる以外に“リマスター”は不可能です。そしてサンプルにしたCDは、10年以上前に発売した盤でしょう。

一方、アナログ盤は当時の録音をそのまま収録しています。というか収録するときに、盤になった音を想定して録音しているわけです。その音源から、2万ヘルツ以上の不可聴音域のデータをカットしたデジタル音源と、そのために想定して録音したLPの音を比べることが問題だと思う訳です。CDの方が“音情報が少ない”という事実は、30年前から真理です。それを今さら、きちんとした再生システムを持たない人間が口にすることが根本的におかしい、と僕は思います。

CDはアナログ盤に比べて簡便です。最近では配信の方がもっと簡便になったから、CDそのものが売れなくなったらしい。その“ソフトを売買する”こと自体の衰退の中で、アナログ・レコードが細々と売れている事実はあります。しかし、かつてのLPのように、カッティング技術や盤質に関する考察など、かなりレベルダウンしていると僕は考えます。

そんな状態を明らかにせず、“同じ土俵で比べました”かのような番組作りはいかがなものか。もちろん、テレビのバラエティー番組ですから、先に述べた“やらせ”とまでは行かなくても、発想としてはやらせに近い“分かりやすい”内容を提供していることは間違いありません。そもそもの疑問の出発点が、草野球以下の技量でプロ野球を語るレベルの話だとすれば、それなりに分かるでしょう。

とはいえ、今回のこの番組は、きちんと“検証”した映像を見せてくれました。結論として“アナログ・レコードはCDより音がいい”と考えて間違いありません。しかしそれは、たとえばフェルメールの絵に使われた画材の品質を問うようなレベルの話ですから、印刷した画集で眺めても、本質は分かりませんよ、ということ。

ただし僕のように60年も映画を見続けてきたら、ハイビジョンで放送した映画がきちんとレストアされているかどうかまで分かる場合があります。そしてまた、4Kの画面で「アラビアのロレンス」を見ると、砂漠の砂粒の粒子まで感じることができる、とも言えます。ということで、生活に余裕のある方は、アナログ盤をきちんと聴ける装置をそろえてください。豊かな音は心を豊かにしてくれますから。←LP洗浄機だけでも100万円だそうですからね。1万円程度のアナログ・プレーヤーで“いい音”を求めないでね。

写真はすべてネットから拾いました。1は、ポール・マッカートニーですね。メーターが2つずつセットされていますから、すでにステレオ録音になった時代の写真です。2はLP洗浄機ですが、これは寺島氏が持っていたものではありません。3はオルトフォンのヘッドシェル。これも寺島氏のものとは違います。あくまでも参考写真です。
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