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2019年11月13日06:16

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オタクの、オタクによる、オタクのための映画。ケヴィン・スミス監督「コンビニ・ウォーズ〜バイトJK VS ミニナチ軍団〜」(2016)。

原題が「Yoga Hosers」で、Yogaはヨガのことだと分かりますが、Hoserという単語は初めて見ました。なんでもカナダのホッケーファンによる俗語だそうで、アメリカで言う "idiot"とか"loser"にあたるようです。主に試合に負けたときにファンから浴びせられる言葉らしい。で、imdbの得点が4.3(写真3)と、心ある映画ファンならパスするのが当然の評価ですが、ケヴィン・スミスという監督が気になっている人には必見の映画でした。

まず、「Mr.タスク」を未見の方は、この日記を読まないでください。ケヴィン・スミスによるカナダ三部作の第2作で、もちろん単独の映画としても十分オタクをうならせる出来ではありますが、「Mr.タスク」という駄作を見てからだと面白さは倍加します。←これは個人的な意見ではなく、オタク映画ファンにおける真理です。←そう思わなかった人は、オタク映画ファンではないということ。少なくともケヴィン・スミスのファンではないのだ。

「Mr.タスク」という映画に打ちのめされた僕は、この「コンビニ・ウォーズ〜バイトJK VS ミニナチ軍団〜」に大いに癒されました。タランティーノの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の前に見ていたら、その年のベストワンにしていたかもしれないほどです。つまり、この映画を楽しめる人はHoserなのですわ。楽しんだ? い〜しょや、一緒や(と輪になって踊りましょう)。

主人公の二人組コンビニ店員(コリーン・マッケンジーとコリーン・コレット)は、ヨガに凝っていてヨギ・ベイヤーという先生に個人レッスンを受けています。だから学校の授業のヨガなんか受けていられないと見学を決め込む。この学校のヨガの先生が、「Mr.タスク」における僕のアイ・キャンデー、ジェネシス・ロドリゲスなのです。で、「Mr.タスク」の探偵ラポワンテが出てくるわ、歴史の先生がバネッサ・パラディだわ、コリーン・Mのお母さんがケヴィン・スミス夫人だわ、ともう大変。これで喜ばないケヴィン・スミス・ファンは、真のケヴィン・スミス・ファンではないのだ。

もちろん世の中では、ケヴィン・スミス映画が好きだというと、イコールHoserだということは承知しています。今回タイトルに使った“オタク”という言葉も、当然否定的な意味です。しかし永遠の13歳の僕は知っています。世の中から否定される映画バカは、実はとてつもなく幸福な人種であることを。それを体感させてくれる映画がこの「コンビニ・ウォーズ〜バイトJK VS ミニナチ軍団〜」なのです。

この映画に意味を見てはいけません。そんな行為は、“自分の娘にハーレクインと似たような名前を、よく付けるよな”という、300円で売れれば上等な常識しか持ち合わせていない輩のすることです。正しいHoserは、ヨギ・ベイヤーという名前にワーナー・ブラザースがクレームをつけてきたという話を聞いて、“そうかハンナ=バーベラ作品はMGMではなく、ワーナーが権利を持っていたか”と、ため息つくはずなのです。

ということで、この映画は“government of the people, by the people, for the people”という言葉に倣って“HoserのHoserによるHoserのための映画”と呼ぶべきでしょう。Hoser同士が集まって、わいわい野次(つまり賞賛の言葉)を連発しながら楽しみましょう。幸い上映時間が88分と短い。物足りない方々は、2回見ても3時間未満ですぜ。

《注意=僕の書き込みに関して、次の行為を禁止します》
主役二人(コリーンMとコリーンCを演じた女優)のバイオを調べるのはOKですが、それを知ったかぶりで書きこむことを禁止します。
ラポワンテ探偵を演じた俳優名を明らかにすることも禁止。
僕に無断で、この映画の関係者に会いに行くことも。←僕を連れて行ってくれるのならOK。
この項目は、今後増殖しますのでご注意ください。
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