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2020年03月12日02:44

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新型コロナ騒動は「パロディ」になってきたなあ

○出来合いのストーリーやシチュエーションを「おもしろおかしくアレンジすること」が、パロディの本来的な意味ではありません。「広義」では、それもパロディに含まれますが、文学の専門用語で言う「狭義のパロディ」とは、「途中でおかしくなる。どんどんおかしくなっていく。最後は滅茶苦茶になってしまう。と見せかけて、実は最初からおかしかった」という展開構造のことです。もっとも、これを知っている人が、いったい何人いるのやら。四半世紀も前の「国語教科書『無人警察』騒動」のとき、国語関係者の大多数が「パロディ構造も知らない」ことに驚きましたけどね。今では「誰も知らない」のかもね。

○今回の「新型コロナ」問題は、もちろん「まだ全部が終わっていない」状況です。だとしても「初動で間違えた」ことは、すでに明らかですよね。当初は「宿主動物からの感染」であって「ヒトからヒトへの感染はない」と言われていたのに、実際は「新型ウィルスが確認された」時点で、とっくに「ヒトヒト感染」が始まっていたんだそうな。とはいえ、最初の時点で「それがわかる」わけでもありませんので、仕方のないことです。よって「本当の始まり」は「ヒトヒト感染がわかったとき」と言えるでしょうね。日本で言えば、一月の下旬に「ツアー客から感染したと見られる国内発症者が確認されたとき」となるでしょう。海外渡航歴もなく、直前まで普通に仕事をしていた人が罹患したのであれば、間違いなく「ヒトからヒトへの感染」です。「専門家」でなくとも容易に推測可能です。

○もう一つ「素人でもわかること」があります。ツアー客の中に「感染源の人」がいたわけですが、その人は「重症化していない」ってこと。歩くのもつらいほど熱があって、気管支炎を起こしてゼエゼエとあえぎ、周囲の人から「病院に行ったほうがいいんじゃない?」と言われても、「旅行を続ける。だって楽しみにしてたんだから」と言い張るような人がいたのなら、誰が感染源なのか「追跡調査もできない」ってことは、ありえませんからねえ。おそらく「ちょっと風邪ぎみ」ぐらいの症状しかなくて、周囲の人も気にしない程度。もしかすると、数日で治っていたかもしれないくらい。なのに「感染源となる」わけです。このくらいは「専門医」でなくとも推定できます。「状況が示していること」ですからね。

○ただし、その時点では、このウィルスの「感染力の程度」は不明だったわけです。いくら専門医でも、データがなければ「わからない」のが当然です。感染者の発見が増えるに従って「意外と強い」とわかってきたわけですが、それについても「クルーズ船」の事例で「素人目にも明らか」だったわけですよ。一人の発症者が数人に感染させていたとしても、次の潜伏期間を考慮すれば、船内全体では五人前後と「推測できる」のに、まさか最初の検査だけで十人も陽性者が見つかろうとは。

○それが「二月五日」です。感染の拡大を防ぐには、ここから「二週間ほどがヤマ場」でしたね。もちろん「クルーズ船」のほうは「封鎖されていた」のですから、船の中で「日ごとに感染者が見つかる」としても問題外。重視すべきは「別ルートの市中感染」のほう。軽症なのに感染源になってしまう者が、どの程度に潜在しているのか。どの程度に拡散しているのか。しかし「現実の問題」として見れば、やはり難しいんでしょうねえ。「おかしなことをするから、おかしな結果になる。正しいことをすれば、正しい結果になる」のは、単純明快な「広義のパロディ」であって、現実の中では「それほど単純な話ではない」でしょ?

○三月に入って最初の一週間、各地で見つかる感染者の数が増加しました。しかしながら、これらの人たちは、およそ「二月二十日まで」に感染したと見られるわけですよね。潜伏期間が数日あって、発症しても最初は風邪と見分けがつかない程度。直前の海外渡航歴もないのなら、医者だって「新型コロナ」を疑う理由がないってもの。さらに数日、症状が続いたあげく、肺炎の症状が出ると、入院の処置がとられて、そこで初めて検査される。陽性が確認されたときには二週間ほどが経過。周囲の「濃厚接触者」調べると、軽症や無症状の陽性者がぽろぽろと出てくるわけですよ。まるで「今この瞬間に感染者が続々と増えている」ような印象になりますけども、実際には「二週間前の感染」が発見されただけの話。結局「二月中」に、感染者は全国規模で拡散していたわけなんですねえ。

○二月の月末になって、政府が大きく舵を切って、目に見える対策をとりはじめましたね。フィクションの「パロディ」なら「行き着くところまで行っちゃう」けども、現実のことなら「途中で修正は可能」というものです。また、そうでなければ困るわけですよ。その意味で、ここからの二週間ほどが、確かに「感染の拡大を防ぐ瀬戸際」ともなったわけです。この対策の結果、どの程度の効果が出たものかは、来週になったあたりから「おいおい見えてくる」ってわけですね。さて、どうなりますやら。一部では「政府の対応」に批判の声が出ていますけど、それを言うなら「二月の上旬」の時点で、本当にやるべきだった対策が、どんなものだとわかっているうえで、それを「実際にできた」と思うってこと?「絵に描いた餅」を平気でやれるのはフィクションの中だけ。現実は「ベター」の選択ですからね。
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