五郎さんへ、あの日から１年

青井五郎さん、覚えてくれてるでしょ？三谷五郎を。
五郎さんに会った最後の日、あの日から今日で丁度１年になるね。
あの日から何度も、五郎さんの方に行こう行こうって思ってたんだけど、なかなか勇気がわかず、まだこちらにいたよ。
それでも自分は、五郎さんをまったく思い出さない日なんてなかった、ずっと探し続けてた。
会えることないし、会いに来てくれないって分かってるのに。
五郎さんにそっくりな子がいれば「五郎さんかな？」って一瞬思ってしまったりもしてた。
もちろんみんな違ったよ。
今はね、五郎さんが働いてくれてた分は全部孫郎さんが引き受けてる。
孫郎さんは大変だけど、一応何とかはなってるよ。
五郎さんとはいろいろなことがあった。
昔、学校行く時は、無理やり乗せられようとされながらも、なかなか五郎さんに乗り込もうとしなくてごめんね。
東日本の時も一緒だった。
でも、いい場面でもよく一緒だったよ。
普段のお出かけや買い物の時、小学生や中学生のころに家族で旅行に行った時、ステレオを買いに行った時、何の時でもいてくれてたよね。
本当にありがとう。

隠すわけに行かないから、最後に悲しいお知らせもしておくよ。
五郎さんが最後に来てくれた場所は、７月にはなくなることになってるよ。
こっちも悲しいけど、五郎さんもショックだよね。
もう一つ。
五郎さんが１１年間いた場所は、ロードスターと言う鬼みたいな奴に占領されてしまってる。
自分は「ここは五郎さんの場所、何時戻って来てもいいように空けといて」って言ったんだけど、鬼もその見方も誰一人聞いてくれなくて。
それでもね、鬼がいない時だったあるんだし、見計らって何時でも遊びに来ていいんだからね。
こっちが我慢出来なくなったら、早いとこそっちに行くからちゃんと走って迎えに来るんだよ、五郎さん。
五郎さんの今の場所まで頑張って走ってね。
その時にはよろしく頼むよ。