以前、「家を買う」を書いたが、
今度はその「家を売る」を書いている。
次男が生まれて住んでいた団地(マンション)が狭くなり、
横浜のそれなりの一軒家を購入した時は32歳だった。
サラリーマンが会社から資金を借りて郊外に一軒家を購入する、
真面目に勤めて妻子を養いつつ、会社では階段を一段一段と上る、
今思えば当時のサラリーマンの鏡だ。
その後、53歳で、新潟に転勤になり、
同時に次男が大学を卒業し、就職して神戸に赴任、
長男はその前に就職し家を出ているから、
その年の4月に横浜の家には誰もいなくなり・・・
文字通り、一家離散となった。
新潟生活は8年間に及び、その後、都心の会社へ就任したが、
毎晩のように会食があり、横浜からの通勤は体力的に持たないと、
人形町にマンションを買ったが、
今に至るまでそこが本拠地になった。
それでも、横浜の家はいつでも住めるように維持し、
年末年始、5月の連休、8月のお盆休みなどは数日間泊り込んだ。
リビングの吐き出しのガラス窓から庭の樹木を眺め、
ミカンやバナナを枝に刺し、目白をおびきよせて写真を撮り、
別荘生活を堪能した。
結局、空き家状態は19年に及んだ。
この5年程、普段姫路に住み、時々人形町に戻る生活だが、
3軒目の家は、維持費もさることながら、
時々は風を通さねばなど、何かと気にかかる。
息子共は東京勤務だが、今はマンション住まいに満足し、
一軒家には興味がないようだ。
と言ったことで、今般、家を売ることにした。
先日買い手が決まり、家は撤去して新たに建てるとのこと。
40年たったとは言え、リフォームすれば全く問題ないはず、
とは思うものの、それは買い手が決めること、仕方がない。
昨日我夫婦と2人の息子があの家に集合し、写真を撮って、
最期のお別れをした。
引っかかるものがないわけではないが、
それはそれとしても、大局的には楽になった気分。
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