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2016年03月24日23:33

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福島県の作物が「怖い」人にお願いしたいこと

TOKIOのラーメンに「福島の小麦から作った麺なのかよ。人殺し」 作家がツイートし炎上
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=85&from=diary&id=3908553


この作家氏は謝罪しアカウントを閉鎖したそうだが、それだけではこの問題は解決しないと思う。

私がとっている新聞だが、今年3月9日の一面を見てほしい。

フォト

福島県では事故後5年経っても、食品中の放射性物質検査が「一面トップになる」。それが何を意味するか、考えてみてほしい。

ああいう発言をする人は、福島県で作物を作っている農家は放射能に無頓着だとでも思っているのか?

福島の農家だって放射能は怖いし、消費者を怖がらせたくない。だからみんなが安全な作物を作り、流通させるために懸命の努力をしている。そうでない関係者はいない。


しかしこういう反論があったとしたら、それを無下に退けるつもりはない。
原子力の専門家や電力会社はずっと原発は安全だと言って国民を騙してきた、だから食品安全検査だってどこまで信用できるのか。実際には規制値を超えた食品が流通していないとは言いきれないじゃないか。

原発事故以降、「科学者の言うことは信用できない」と思うようになった人も少なくないと思う。私にもその傾向はないわけじゃない。
放射能を怖がるのは「当然のこと」だ。国の上の方から、とにかく安全だ安全だと言い募る声ばかりがどんどん強くなる世相には、不安を感じない方がおかしいと思う。

しかし福島県の農家の場合、そういう「偉い人」とは根本的な違いがある。

政治家や官僚や電力会社の方々は、事故が起きても責任を免れることができるし、現にそうしている。必要なら、責任を取らなくてもいいように法律を制定することだってできるだろう。
しかし農家は農地を失ったら後がない。作物が汚染されていると風評を立てられたら、どう逃げ隠れすることもできないのだ。問題が起きてしまえば、責任回避のしようがない。
農民は悪い評判がついた時点で息の根を止められてしまうのだから、食品偽装をするリスクは大きすぎると思う。

だが人間は弱いから、将来もそれが続くとは言いきれないかもしれない。こんな状況がずっと続いて、「幸運にも」新たな原発事故が起こることもなく、国民の危機意識が弛緩しきった後なら、規制値以上の作物を偽装して出荷しようとする者が出てこないとは断言しない。(そんな作物がその時まで存在するとしての話だが)

しかし「今」はどうか。
福島県では、未だに食品中の放射性物質検査のニュースは「一面トップ」だ。

日本の他の地域はどうか知らないが、福島県民にとって放射能は「一番重要な問題」だ。県民全てが注視している中で、偽装する人間などいるだろうか。


だから私は福島県の食品を「信頼」している。しかしそれが他の日本人まで県産食品に信頼感を持つ理由にはならないことも理解できる。
繰り返すが、放射能を怖がるのは「当然のこと」だ。だから件の作家氏のような認識の持ち主が出てくることは、今後も避けられないと思う。


しかし、そういう人に要望したいことはある。
福島県の食品が「危険」だと思うなら、その危険性を除去するために力を貸してくれないだろうか。
県の食品検査が信用できないなら、自分たちで独自の食品検査を行ってほしい。そうやって安全を確認した作物を使ってくれたら、なおありがたい。
福島の農家にとっても、自分たちの活動を客観的に検証してもらえることは利益になる。風評の発生源を減らすことにつながるのだから。
自分たちで食品検査する人が多ければ多いほど、福島県は助かるのだ。


だから「危険だ」「人殺し」というのが本心なら、ぜひ自分たちで機材を用意して調査をしてほしい。
そういう主張が正しいとしたら、福島県民は放射能に汚染された作物を流通して国民の安全を脅かす「テロリスト」ということになる。なら、「テロ」の危険を除去するために努力してもいいのではないだろうか。
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