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2019年06月26日08:23

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恩師みたいな存在は、人生に必要だと思う

謹慎HGに届け! 大学時代の講師「住谷正樹さんへ」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=84&from=diary&id=5679415
良い話だと思うし、良い先生だと思うし、HGさんも真面目で素直な良い学生だったんだな、と、遊び人大学生で、マトモに勉強してこなかった私は思いました。

でもこんな自分でも一応恩師みたいな人はいます。

中学校時代の笠井みゆき先生。

私の通っていた長野県岡谷東部中学校の学生時代、東中連合という不良集団が職員図書室を占拠して暴れており、授業妨害もしょっちゅうで、卒業式には私服警官に保護者席に入ってもらわなければならないくらい学校が荒れて いました。この当時、体罰指導が無かったか?といえばもちろんありました。生徒のアタマをメガホンでぶったたく体罰教師もいました。私も二回くらいメガホンでぶんなぐられましたが。時効に近いくらい昔の話だから実名出しても問題ないと思うので実名で書きますけど、私が名取秀樹先生というメガホン教師に頭をぶったたかれた二回とも、生徒集会中だったのですが東中連合の使いっパシリ三下みたいな奴に絡まれて頭を叩かれたり小突かれたりしたので、手でそれを払いのけていた。それが、二人して生徒集会中に騒いでいると認識されたらしく、メガホンでぶったたかれました。
私は、頭をぶったたかれた二回ともに非常に不本意な気持ちでその体罰を受け入れましたけど、「昔から連帯責任というか、喧嘩両成敗という言葉もあるし、これはこれで仕方ない」と自分で自分を納得させていました。自分にも言い分はあるにせよ、頭を小突かれたり叩かれたのを振り払って、結果的に生徒集会の進行を妨害していたのは事実でしたから。

ところがその後あるとき、全校集会で東中連合の不良グループが椅子を投げつけるなどして大暴れして、体育館内がめちゃくちゃな騒ぎになった事件があったのですが、周りの教師達はびびってしまって止めに入りませんでした。件のメガホン教師も傍観していました(笑)

ただ一人だけ不良達を止めようとしたのは、国語の女性教師の笠井みゆき先生でした。体罰指導なんかとは特に縁も無いような体の細い、気の弱そうな先生で私は直接教わったことはありませんでしたが、本当に偉い先生だったと今でも尊敬しています。もっとも、多勢に無勢で不良達には歯が立たず、ボコボコにされていましたが(笑)。

薄情なようで申し訳ないんですけど、私は笠井みゆき先生が不良集団にボコボコにされていたとき、ゲラゲラ笑ってましたね。あまりにもブザマで滑稽で。もちろん、半分くらいは多勢に無勢で勝てる見込みもないのに不良集団を止めようとひとりだけ立ち向かっていた笠井みゆき先生のブザマな姿が滑稽だったから笑ったんですけど、半分はメガホン持ったまま傍観していた名取秀樹先生の姿が滑稽だったから、というのもあります。あんたのメガホンは、俺のアタマをぶったたくのは役に立ってるみたいだけど、不良集団を止めるのには全然役に立ってねえな、と。テメぇラ体育会系教師どもの体罰指導やら体育会系のリクツは、俺を殴るのには役に立ってるみてぇだけど、東中連合の不良どもを止めるのにはクソの役にも立ってねぇじゃねーか、と。

もちろんこれは極端に酷い教師の事例であって、そうじゃない体罰指導教師もたくさんいるとは思います。繰り返しますが生徒集会中に体罰教師からメガホンで頭をぶったたかれたこと自体は納得しています。故意にやったことではないにせよ生徒集会の進行を妨げていたのは間違いなかったし、誤解を招くような行動をとったワタシの当時の判断も不適切だったとおもうから。ただその後、不良集団が大暴れしたときは、これは私のケースとは根本的に違って、明らかに悪意をもって意図的に生徒集会を妨害していたのは誰がみても分かることで誤解のしようもないのに、なんでそれは止めなかったのか?しかも女性の教師がただ一人だけ止めに入ってボコボコにされていたのに…。

ということです。あんたの持っているメガホンは、飾りか?と。おそらくメガホンでぶったたくのは大きい音がするだけで特に痛くはないし、体罰の範疇には入らないだろうし、頭をぶったたく大きな音が体育館内に響けば生徒の耳目を集められる。「お前ら、騒げばこういう目に遭うぞ!」というミセシメと脅しの意図がメガホン教師にはあったんだろうと思いますが。誤解の無いように補足しておきますが、私は教育的な懲戒効果が見込める体罰指導は必要だと思うし、原則肯定しています。また、教育の現場における体罰指導や暴力指導が連帯責任を伴うものである以上、ときに受けた生徒が理不尽に感じるケースがあるであろうことも理解はしているつもりです、一応。今回名取秀樹先生の実名を出して批判したのは、この教師の暴力指導に覚悟も信念も一貫性も無かったからです。

ちなみにその時に傍観していたメガホン教師の名取秀樹先生は順調に出世して、現在は茅野市長峰中学校の校長をやってます(笑)

周りの教師がビビっていた中でただ一人だけ飛び出して不良を止めようとしてボコボコにされていた笠井みゆき先生は何をなさっているのか音信がつかめなかった。

だから私は、あんな酷い目に遭ったから、教師の仕事に幻滅して辞めてしまったのだろう。
ま、世の中なんて所詮そんなもんだw
と世の中をナナメに見ながら生きていたのですが、先日偶然、本当に偶然ですけど、笠井みゆき先生が、私の住んでいる街のとなりの隣町の小学校で校長として頑張っておられることを知りました。

それで先日、そこの小学校に行く用事があったので、先生に会って話してきました。

『あのときは必死だったので周りの先生が、誰も止めなかったなんて知らなかった、今日教えてもらって初めて知った。私は亥年なので後先考えないで行動しちゃうから。一つだけ覚えているのは不良グループのボス格のB君にボコボコにされたんだけど、何とか止めなきゃ、と思ってつかんでいたズボンを絶対に離さないと思って握りしめていたら、はずみで脱げちゃって、B君のパンツが見えちゃったことくらいかな。これは、今でも覚えている』と話してくださいました。

『そのパンツB君はいま、結婚して、先生が校長先生をしているこの街に家を建てて住んでいます。子供も、いずれ先生のお世話に、間接的にせよ、なるかもしれません。先生は、二人の人間を救ってくださいました。パンツB君と、僕です。』と話してきました。

『今日はそんなに良い話をしてくれて嬉しかった。ただ、今でも思っているけど、あなたの中学校に当時いた生徒は、私からみて、みんな良い生徒だったよ。心底腐りきったような悪い生徒は、いなかった』と、最後に言われました。

…最後の言葉はいまでも納得できませんけど、2つ、実感したことがあります。ひとつは、自分があとどれくらい生きられるか分からんけど、残りの人生すべてかけて努力したとしても、絶対にこの先生をこえることは、出来ないだろうということ。あともう一つは、あのとき、不良グループが暴れた時に、一番ブザマで滑稽だったのは、暴れた不良グループでもなく、ただ一人だけ止めに入ってボコボコにされていた笠井みゆき先生でもなく、ビビって見て見ぬふりして傍観していた他の教師たちでもなく、それを見て幻滅して、すべてを馬鹿にしてゲラゲラ笑っていたワタシ自身だったということです。
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