私の地元に『呪いの灯籠』と呼ばれる、怪異好きの間では有名な場所があった。
当時の市長も認め
市役所職員や業者も「絶対に関わりたくない」と恐れた。
触れると祟られる、本当にヤバい場所。
実際に亡くなった方もいる。
事故で欠けた灯籠の破片に触ることすら憚られた。
現在は撤去されてない。
私の調べたところによるとーー
灯籠のあった場所で行き倒れた一人の旅人がいた。
旅人は周囲の人間に助けをもとめた。
しかし、助けようと手を差し伸べる者は誰一人いなかった。
「触りたくなければ、触らなくてもいい」
旅人は死の間際にそう言い残すと、呪詛の言葉を呟きながら亡くなった、という。
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