黄金のサンダル(4/4ｽﾜｰｳﾞｴﾙﾒ)

ドゥラメンテはいいわねぇ。もともと名前の雰囲気に引っ張られがちなミーハーなおいらですが、まさに名を体で現すの見本のような荒々しい性格。ご承知の通り春のクラシック二冠ですが、やっぱ個人的に思い出深いのはダービーより皐月賞の方かな？サトノの馬がやたら人気だったからこっちも有力馬だったけど確か単勝で5倍近くついたんだよね。ダービーん時は真逆でこっちの方がド鉄板になって全く儲かんなかったんじゃなかったっけな、確か。いや、恨みがましい銭金の話はどーでもいいわ。んと、この皐月賞ん時だったと思うけどドゥラメンテ。入れ込みっぷりが半端なくて、本馬場入場を見た瞬間に、こりゃダメだっ！と戦う前から諦めたのも憶えてるんだよなぁ。普通にネットで転がってると思うんで、ちょっと興味のあって知らない人は調べてみてね。ドゥラメンテ、皐月賞、本馬番入場で検索ワードはいいんでない？ホント、馬好きの人なら面白いから。
まあ、そのツッタカツッカタ歩きにつくづく、あー馬って人間と同じかそれ以上に賢いそして何よりも繊細な生き物なんだろうなぁと思わせてくれたのもドゥラメンテと言う馬です。本番で百戦錬磨の主戦ミルコがびびるほどの強烈な斜行の後、直線で前でしのぎを削る連中に全く意を介さないとんでもない狂い脚であっさり差し切り勝ちをして、僕の懐を落ち着かせてくれた後に．．．ですがね。ドゥラメンテは類まれな競争能力を持ち、とんでもない上り症な馬だったそうです。メンタルがめちゃくちゃ不安定なサラブレットでありながら生涯成績は勝ち負けしかない。うひゃぁ！！やばくね？ゾゾゾッとしね？

そしてその馬が父となり我々がその子達をあれこれワーワーヒューヒューオロオロドキドキできるわけですわ。なんて贅沢な競馬という世界。ＰＯＧと言うお遊びの世界において、俺、絶対この親の子はド優先して選び続けようと決めた馬が2頭。最初はステイゴールド。今は亡き小さな巨人．．．もとい小さな巨馬ですが、有り難いことにその次の世代にいる同じオーラを感じる牡種馬の多いこと。その中でも、ドリームジャーニーとゴールドシップ。これの毎年1番手は絶対に獲るって心に誓ってます。場合によってはオルフェーヴルもですがね．．．うへへ（やいのやいのゆーなぁ）。そして今年、同じように絶対に産駒を獲り続けようと思ったのが今回、散々語らせてもらったドゥラメンテ産駒です。惚れましたわ。ステイゴールドの連綿と続く血統と同じ理由です。そして、俺が、なんで競馬を好きなのかをいつでも思い出させてくれるのが理由です。その不安定なブレ幅こそが競馬、俺はそう思ってます。負け続けてもいーんだよ。時折突き抜けるんだよ。それがサラブレットって言葉自体を凌駕すんだよ、生きてるってそんなもんじゃねぇのか？おい！

今年、この時点で産駒唯一の重賞勝ち馬、タイトルホルダーを選ばせてもらったこの僥倖。運だけの話です。そしてもう1頭。ちょっとかじってる人はその血統をチロっと追うだけでどれだけゲーム（ダビなんちゃらと置き換えてもらってもいいけど）だよっと思えるはず、狂気すら漂う原色の血統編み込みの具現。2歳速攻でデビューして勝ち切れなかった後、延々と成長待ちをしての再登場。父、ドゥラメンテの由来あるこの厩舎でしか預かりはあり得ないはずの1頭、スワーヴエルメ。堀先生の送り出す、2戦目の未勝利なんてさぁ。それだけで黙って待ってればいいと思ってます。ただ、思ってるのと結果はやっぱり違う時もあるけどね、生き物が生き物を鍛えて同じ生き物と戦うギャンブルだもの。それでも信じます。濃密なインブリードを持つ安定と真逆に舵を切った不安定の塊ドゥラメンテの子が勝ち上がりを目指します。4/3中山5R未勝利戦芝2000。鞍上バシシューJ。フルゲート2番人気。3枠6番。さあ結果は？

ゲート開いてスーッと出るとスルスルッと脚がつき好位。4番手に陣取って前の上げ下げを見る位置。そのまま向こう正面は落ち着いた展開のまま、3角へ。ジリッと外から先頭へ並びかけての最終角、この競馬で負けたなら相手が強いというだけのベスト騎乗で直線に向かい、用意ドン。近代レース好位抜け出しのお手本みたいな競馬でした。普通に先頭に立つと普通に寄せつけぬまま、後ろを離しながらの勝利。強いってことですよね。そして、プロ(厩舎＆騎手)ってやっぱすげぇ。
石橋J談「間隔をあけて厩舎がうまく調整してくれ、気持ちと体のバランスが整っていた。1週前に乗った時はまだまだという感じだったが競馬に行って才能を発揮してくれた。もっと良くなりそう。」
また1頭、ブルッと来るような父産駒が開花。俺の選択肢は有り難いことに増える一方です。

え？黄金のサンダル？多分、エルメの名の基となってると勝手に考えてる神様の逸話から．．．。女神アフロディーテが履いてたらしいですよ？ドゥラメンテの話してたらすっかり触れるの忘れました。スミマセンッ。