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2020年12月02日13:42

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久しぶりだが、何故かボクシング

お久しぶりです。「書かない」サイクルから脱出しきれずに2か月余りが経過しております。
 非常に分かりにくいプロボクシングの団体。日本国内ではJBC(日本プロボクシングコミッション)が競技を統括しているのだが、ややこしいのが「日本プロボクシング協会(JPBA)」と「日本ボクシング連盟(JABF)」という団体がそれぞれ存在している点である。JPBAは、ボクシングジムの団体であり、JBCとは並立して存在しており、JBCに公認を得ることで試合を行う事もできるが、JABFは「A」が示す通りアマチュアボクシングの団体である。現在、五輪にはプロ選手は出場できないため、五輪を目指すボクサーはこちらに所属する必要がある。以前、お騒がせ会長が居たことで有名だが、色分けとしてはまだ分かりやすい。
 ところが、世界のプロ団体に目を移すと数十の団体が犇めく乱立状態であり、その数は30や40に留まらない。それぞれが階級毎のチャンピオンを輩出しているから頭が痛い。中でも、「四大団体」と呼ばれるWBA、WBC、IBF、WBOの格付けだけでもややこしいのだが、混乱の一因である「暫定王者」などの同一団体同一階級での複数のチャンピオン認定により、17階級で4つの空位を含めて100もの認定王座があるのである。単純に17×4なら68なので、32もの重複王座が存在することになる。

 特にWBA(世界ボクシング協会)の認定する王座は「スーパー王座」「正規王座」「暫定王座」の3つが並立し、同時期に3人の王者が存在する階級が多い。また他団体においても同様の傾向があり、その結果重複王座が多数発生したのである。
 その中でWBO(世界ボクシング機構)のみは、同一階級に複数の王者がなく複数団体に跨ぐ王者が存在しない。骨太な方針は支持できるが、タイトルマッチなどで公傷を受けた王者などは防衛戦が出来なくなると、同じ階級でタイトルマッチが1年以上行われないなどの問題が発生する。

 従って、WBAが普及させてしまった「暫定王者」制度も非難されるばかりでなく、ちゃんとした事情に基づいて発生したものであり、正規王者が負傷などで長期間防衛戦ができない場合、「その代わりの王者」として暫定王者のベルトを懸けてタイトルマッチを実施する事ができるメリットがあるのである。
 この場合、正規王者が対戦可能になった場合は速やかに「正規王者と暫定王者の間で王座統一が義務付け」られているものの、試合と試合の間が長く、また王者だけでなく挑戦予定者も負傷のケースもあり、試合のタイミングも取りづらいことから正規王者も暫定王者もそれぞれ防衛戦を行うといった事態に及ぶ場合がある。※正規王者が暫定王者以外と防衛戦を行う理屈は理解に苦しむ。
 しかし、この背景には「スーパー王者」など複数階級或いは複数団体の王座に就くなどする場合に、団体独自のタイトルマッチが組みにくくなる、などの不具合が生じる事に理由がある。また複数階級のタイトルを同時に獲得した場合は、軽量階級のタイトルマッチのための調整に時間がかかる上に、義務としての指名試合のサイクルが短く、複数保持が難しくなるなど、高い栄誉を得れば得るほど問題が複雑になる(要は階級を変える場合はタイトルを放棄すればよいだけの事であるが)

 また、WBAとWBC(世界ボクシング評議会)はルールの上でも差異があり、前者はスリーノックダウン制で1ラウンドに3回ダウンするとTKO(テクニカルノックアウト)となるが、後者においてはフリーノックダウン制で何回ダウンしても10カウントが鳴るまではノックアウトとはならない、など微妙に違う。加えて興行権においてもどちらが優位に、ともならないのでWBAの場合は他団体の王座も獲得した王者を「スーパー王座」と称して自団体のランキングから棚上げする仕組みを取っている。それによってWBCルールでWBAのベルトもかかったタイトルマッチが行われても「当人限り」の問題とすることができる。しかし、そのスーパー王座も防衛戦を行うことができるなど、王者だらけの状況は維持されてしまいより「乱立」の様相を呈し、その混迷を深めているのである。

 日本国内では構造は分かりやすいが、JBCが統括している事が逆に独占禁止法に抵触するなどの恐れがあり、自由と引き換えに乱立、分かりやすさと引き換えに束縛、という相並び立たない問題がこうなっている原因の一つである。
 かつてはJBCもWBCと対立関係にあり、日本のプロボクシングジムに所属したままJBC非公認の世界チャンピオン、という不可思議なものも誕生していた。さらに近年は「王者乱立」を批判してWBAにも苦言を呈しているが、2013年には遂にIBF、WBOとの連携を余儀なくされ、四大団体すべてと(※WBCはOPBFを通じて連なる)連携することになり、結果的に王者乱立を是認する形になっている。但し「世界ユース王座」や「世界インターナショナル王座」などはJBCは王座として認定しないことになっている。それは世界中同様であり、4大団体の公認を得られない国内団体を飛ばして世界タイトルに挑戦する優秀なボクサーが続出することの方が堪えがたい事実であり、四大団体には延べ26か国87人の世界チャンピオンが在位している(11/15現在)。


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