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2020年09月10日02:08

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セメンヤ問題〜reprise

たぶん、明日のニュースなどで色々と報じられるであろうが
前から僕が話題にしてきたセメンヤ問題がいよいよ大詰めとなってきた

キャスター・セメンヤという南アフリカの女子陸上選手が
女子陸上の中距離を席巻し、様々な記録を塗り替えているのであるが
彼女は「実は男ではないか」とライバル選手たちに訴えられたところから
話が始まる。
本人は人権侵害だと一応は抗ったが、結局身体検査というか
様様な調査に応じ、結果的に男性ホルモンなどが多く分泌される「異常」が発覚した。
つまり、女性として育ち、女性としての要件も満たすセメンヤだが
肉体には多く男性の要素があるという事なのである
実際、ひげが生えていたり、筋肉量が多かったり
女性アスリートとしては「チート状態」である事も判明したのである
ホルモン異常、と位置付けられているが
異常と呼ぶことすら議論の必要はありそうだ

実際に僕も100メートルは11秒台で走ったことは何度もある。
その記録は女子だと国体選手か日本代表選手に匹敵するが
男子だと箸にも棒にもかからない
国体の県の代表にもなれないだろう
つまり、男女の肉体的特徴における埋められない性差が
その数字に表れているのである

しかし、セメンヤは女性である
このまま女子として大会に出続けると
彼女が出場する競技の殆どが記録が塗り替えられ
2度と到達しえない領域に世界記録が置かれてしまうのである

そこで世界陸連が出した結論は
女子競技は男性ホルモンの数値が一定以下の者でないと出場できない、
というものであった
つまり、男女の違いはホルモンの分泌量で決めるというものである
これはこれで問題もありそうだが
女子競技、というものを保護する時は
この考え方は重要である。人権問題は別にして、であるが

到底納得しないセメンヤは
スポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴え出たがこれを退け陸連の裁定を支持。
そこでスイスの最高裁に「上告」したというのが
今回の件である。
結果的にスイス最高裁もCAS裁定を支持したため
セメンヤは抗弁を述べたのである。

本人が一番分かっている事だが
本当の男女平等を追求すると
男女垣根無い「無差別級」の競技にすれば良いのである
しかし、そんなことをすれば大部分の女性アスリートは
入賞はおろか大会の参加標準記録にも到達しないだろう

それでは女子競技は成り立たない
だから、「女性」を規定するものがもっと人権的な線引きが必要だと
ところがそこに科学的基準も必要だと感じている筈だ

昨年行われた女子ハンドボール世界選手権の
オーストラリア代表チームに男性から女性に性転換した選手が1名出場していた
しかも、彼女はただの選手じゃない
元々は男子のオーストラリア代表だったというのだから驚きである
これがチームスポーツでただ一人だけだったから
大した問題ではないが
もしNBAでレイカーズのレブロン・ジェームズが
性転換したからと言って女子選手として活動し始めたら
ルールそのものが成り立たないほどの大事になるのは間違いない

人権的には真っ当な考え方だが、女子競技というものを
崩壊させかねない要素をそこには含んでいるという事なのである
況してや、個人の記録競技である陸上でそれを認めるという事は
世界自由の男性のゲイが性転換して
女子競技に出ると言い出すと、女子の記録は殆ど塗り替えられてしまうのだ
そう考えると「女子競技の保全」という観点で
何らかの科学的水準をひねり出した世界陸連の苦悩の選択を支持する
CASやスイス最高裁の考え方も理解できなくはない

問題は、ホルモン的にも外見も内面も女性のアスリートが
これを迷惑がり性転換者を排除しようという動きに
繋がらないようにする事にも波及する
彼女たちもスポーツを楽しむ権利はあるべきだと
僕は考える
しかし、そこで「男性と対等に」とか
「女性は女性らしく」などと言い出すと
この話はどちらかに寄った結論にしか至らないのであるから
悩ましいとしか言いようがない
真に対等にするには「無性別競技」を求めるしかなく
ホルモンの以上分泌を排除するのは人権思想の根底を揺るがす問題だからである

しかし、これを機に
とかく利己的でヒステリックになりがちで
兎に角、相手や第三者からの視点を欠いて議論しがちな
当世の性差問題活動家には一石を投じることにもなり
セメンヤは気の毒な部分もあるが
絶好の議論機会であると僕は考えるのである。

因みに僕はチーム競技では
女子競技に男性の要素が少しでも含まれる存在が出場するのは
絶対反対である
個人競技については別の基準を引き続き模索すべきだと考える
別の基準、と言っても科学的根拠である

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