他人事になりつつある五輪

前から「五輪、五輪」と言っていることに対して
「くだらねぇ」的なことを言ってきたのであるが
その理由は２つある

「東京」に固執すればするほど、東京以外の人間としては冷めてしまうのと
国別対抗戦なのかマイナー競技のお披露目の場なのか
はたまたプロスポーツ界に向けた商品見本市なのか
どれでもいいけど「世界選手権」で好くないか？
という感情が拭えないからである

その中で最もくだらないと考えているのは
「メダルの数」である
個人が何個、というのは多少意義高いものであると思うし
金メダルだ銀メダルだの価値はそりゃあ他の大会よりも高いんじゃないか、とすら思っているのだ
だから五輪そのものを卑下するつもりは全くないのだけれども
公式競技の１００メートル走や２００メートル走のメダルと
６か国参加で団体競技、次回は無くなることが決定していて
世界最高峰の国からは二番手以下の選手しか出場しない
お世辞にも世界最高峰とは呼び難い選手同士の戦いである「野球」が
同列にあるとはどう考えても思えない
そこを揶揄するのは無意味とは知りつつも
何回か口にはしてしまったが

とにかく、「それはまた別の話」なのだとすれば
数自体に対してあまり意味はないだろうと
何なら野球なら受け取る人金メダルの数は１０個では済まないだろうし
それでもカウントは「１個」で良いんだろうけど
それはそれでどうなんだろうね
別に「チームに１個」でも良くないかな
とも思ったりもする

それはそれとして
数が増えたら意味があるのか
それとも全個数当たりのメダル占有率が上がればいいのか

でもこんな時代でしょ
国別対抗って良いことなのかな、とか
ロシアが国としては参加しないけど個人としては参加できるとか
だったら国別対抗に実質参加してることになるんじゃないかとか

先日言及した「箱根駅伝」ってどうよ
にも通ずる部分はあるんだけれども
箱根を走るから意義がある
ルールも独自だから魅力が変わらない
世界一でも日本一でもない
関東の大学じゃないと参加する権利がない
スタート地点は読売新聞社本社前で

それで日本中や世界中の評価というか価値が得られていると
勘違いしているのだとしたら
ちゃんちゃらおかしいのである

生粋の関西人であり現在福岡在住の僕からすると
何の興味も魅力も感動も得られない競技に
誰が盛り上がっているというのだ
読売グループは電波も紙面も使って
正月の退屈を埋めるべく続けてきたかも知れないが
実際に駅伝で「山の神」とおだて挙げられた
大会のスターがマラソンや長距離ランナーに転向して
どれだけ成功を収めたというのだ
言い方は悪いが、
スポーツとしては箱根で完結してしまう競技になってしまっているのではないか

だとすると五輪って
持続可能な何とやらじゃないけど
中長期的に意義が変わらない競技の
不変の価値があるメダルじゃないとダメなんじゃないだろうか
確かに多様性であったり色んな価値観が尊重される時代ではあるけれども
だとしたら「数」は関係ないだろう
かつての国体みたいに開催国のメリット活かして
数を増やしてなんぼの意義があるというのか

競技の性による区別も「男子○○」「女子○○」ではなく
「性別関係なし○○」と「女子○○」にするとか
そういうのが時代に即しているというのである
しかし五輪はそれで良いのか？
「女子」はそれで良いのか？

そういう議論を封殺して
五輪が上手く行くかね
東京の人が知ってる落語と関西の落語は性質が全く違うという事を
富士山なんか見たことも登ったこともない人が大多数だという事を
歌舞伎も相撲も「ああそうですか」くらいの伝統芸能にしか
地方都市の人には見えないという事を

新しいものをどんどん取り入れて魅力ある生活を送るには
東京という町は素晴らしいのだけれども
長くいつまでも変わらない価値を大切にするという事に関しては
へたくそというか
アジアで最初のオリンピックを開催した記念に制定した
その開会式の日を「体育の日」として決めたのに
ハッピーマンデーにしたり
「スポーツの日」にしたり
日を変えようとしたり
東京のための五輪じゃないんやで。。。と
誰も突っ込まないのであろうか

もはやチケットが当選しても
宿泊予約が高くて話にならない時点で
首都圏以外の人にとっては他人事よ


■日本は銀24個、金は？　東京五輪をデータ会社が予測
(朝日新聞デジタル - 01月24日 18:04)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5947923