mixiユーザー(id:6191871)

2019年12月16日19:00

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2019年の漫画

 毎年書いてるので今年も今年自分が初めて読んで面白かった漫画を
挙げることにする。ルールは例年通りで、今年始まった漫画ではなく
あくまでも自分が初めて読んだかどうかで選んだ。

 今年の漫画として、

MIX
ミステリと言う勿れ
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

以上3作を個人的面白かったマンガ大賞として挙げる。


 MIXは言わずと知れたベテラン漫画家・あだち充の現在連載中の作品。
あだち充と言えば独特の脚本が光る漫画家だと思うのだが、それが
いかんなく発揮されている。言うならばあだち充だから面白い漫画
なのだと思う。磨き上げられた一芸を持っているというのは素晴らしい武器だと
つくづく思う。

 ミステリと言う勿れもベテラン漫画家の現在連載中の作品で、作者は
BASARAや7SEEDSの田村由美。どちらも非常に読み応えのある大作だが、
これらと今作とはかなり趣が違う作品になっている。BASARA・7SEEDSが
現代日本とは違う、SFやファンタジー色を帯びた作品であるのに対して、
今作の舞台は現代日本で、起きる出来事そのものよりも主人公の変人ぶりが
興味を惹くこれまでと一線を画する作品のように思う。
一歩間違えればこの主人公はものすごくうざいキャラだと思うし、
それゆえに人を選ぶところはあるだろう。少なくとも自分にとっては
今のところはうまくこの変人主人公を動かせていると思う。

 MIXもミステリと言う勿れも、ベテランがその真価をいかんなく発揮した
作品だと思うのだが、こうして見ると方向性はかなり異なるように思う。
MIXはあだち充の集大成的な作品であり、ミステリと言う勿れは新境地への
チャレンジ作品のように自分には思える。しかし方向は違えど、両者の
真っ当なキャリアの積み上げを感じさせるという意味で通底するものは
同じようにも思える。こうして大作を複数作描ける作家が増えていくことは
非常によいことだ。

 自分にとってまったくの伏兵だったのは
「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」である。
私はまったく詳しくないのだが、小耳に挟んだ話によると悪役令嬢という
ジャンルが近年確立されているらしく、かつての物語では悪役ポジション
だった女性キャラを主人公に据えた物語を書くことが流行っているのだそうだ。

 この作品の何が良かったかと言うと、人間の本性はどこから来るのか、という
想像を楽しませてくれる作品であったことだ。主人公は齢17にして死に、
生前遊んでいた乙女ゲーとそっくりな世界に悪役・カタリナとして転生した女性である。
ゲームの中でのカタリナはどう転んでも殺されたり破滅したりと酷い末路しか
待っていない呪われた運命にある子なのだが、主人公はその運命から逃れるために
空回りとも思えるような奇妙なあがきを繰り返すことになる。
その結果、何をどう間違ったのか彼女は立派な人間たらしとして成長する。
ゲームの中では恨みを買いまくる悪役が正反対とも言える人間になってしまうのだ。
彼女という人間を作り上げたのは一体何だったのだろうか。
それを想像することが非常に面白い。

 少なくとも主人公は前世で遊んでいた乙女ゲーの世界に転生したと思い込んでいる
のだが、それはどのくらい確かなことなのだろうか。彼女が前世を垣間見るのは
いつでも夢の中で、それは本当に単に夢なのかもしれない。もしそうだとすれば、
そもそも破滅の運命なんてものは彼女には最初からなかったのかもしれない。
あるいは本当に乙女ゲーと同じ世界に、その設定を引き継いで生まれ変わったと
したならば、彼女の運命を変えたのは前世の記憶なのか、それともカタリナの
性格がゲームのものから主人公のものへと置き換わったからなのか、それ以外の
理由なのか。作中に他人の記憶を移植された子が出てくるのだが、そこから
空想するに記憶こそがその人物を形作る重要な要素のように思えてくる。
今現在の技術では人に特定の記憶を無理やり書き込むようなことはできないが、
もしそれができたとしたら、その人はどう変わるものなのだろうか。もちろん、
これは漫画でフィクションなのだが、現実の人間というものがどう作られるのか、
という興味を刺激してくれるという点で、単なるフィクションにとどまらない一つ上を
目指せる良質の作品だと思う。

 今年は結構な豊作だったように思う。まだまだ漫画という大海は
楽しみにあふれているようだ。











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