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2020年07月24日16:10

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国立新美術館 サントリー美術館

明けない露空とコロナの拡大で、気持ちは晴れませんが、美術館はほぼ再開し、日時指定入場で以前より、快適に観賞できます。

六本木の国立新美術館とサントリー美術館を訪問。

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今回の企画は、「古典×現代2020 時空を超える日本のアート」

日本の古典・美術作品と現代のアーティストのコラボレーションです。

中でも印象に残ったのは、「円空×棚田康司」「北斎×しりあがり寿」です。


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棚田康司(1968年〜)は、日本古来の木彫技法「一木造り」で作品を造っています。
「一木造り」は平安中期以降の「寄木造り」(パーツを作って組み立てる)に対して一木から彫り出す木彫です。

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写真左の二体が円空(1632〜1695年)です。
撮影不可 写真ネット借用


円空が苦手でしたが、今回、棚田康司の作品を観て、一本の木から仏を彫り出すという行為に自然に対する原始的な畏れを見たような気がしました。


ミケランジェロの言葉と言われている、「全て大理石の塊の中には予め像が内包されている。大理石の中には天使が見える、彼を自由にするまで彫るのだ」

ミケランジェロが天使を見たように、円空はその地の木に仏を発見し彫り出したのだろう。


棚田康司の作品は、木の中に閉じ込められた、青年や女性を、あるいは自身を現出させる。


彼に先行するのは、橋本平八(1897〜1935年)の「花園に遊ぶ天女」かな。

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おつぎは、「北斎×しりあがり寿」

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ポスター 赤富士

展覧会の目玉ですね。北斎「富嶽三十六景」のパロディもいいですが、お気に入りはアニメーションです。しりあがり寿(1958年〜)は、手塚治虫が激賞する漫画家ですが、今回のアニメーションには彼の雄渾?なギャグ精神が遺憾なく発揮されています。


「四畳半からの天地創造」は、北斎が四畳半の長屋から、絵筆によって天地を、そして動植物を神のように創造していく様が、波に翻弄される小舟が、漏斗状の渦に吸い込まれるようなスピード感で描かれます。

エリック・サティの「Je te veux(あなたが欲しい)」
にのって、7分間の楽しい世界が始まります。

https://www.youtube.com/watch?v=4cnRPqr3oDI


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ネット 作家蔵より借用しました。


エスプリの効いたサティに乗って、ギャグのめした作品。
スピード感は「地下鉄のザジ」。



しりあがり寿による北斎への絢爛たるオマージュ。


大満足の展覧会でした。

サントリー美術館に続く。



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