mixiユーザー(id:60894513)

2020年01月17日23:08

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今更だけどガンダムseedととディスティニーを見た

周りで今時見てる人いないし、話す相手もいないから何となく。

好きなガンダムシリーズランキング一位になってからから見る事に。

ガンダムが湧いて出る事にアレルギーがあってこれまで見なかったけど、UCシリーズより面白かった。

SEEDは完成度が高いし、評価が高いのも納得。
ディスティニーはネタはすごくいいけどもやっとする。
どっちが好きかと言われたら個人的にディスティニーなんだ。

SEEDのファンが(特にキラとアスランの)見たらシンが嫌なヤツに見えると思うけど、見方を変えると一番感情移入できるキャラで。

そもそも、シンが軍人になろうと考えたのは先の戦争のオーブ首長国で家族が戦争に巻き込まれたからで、まずそのオーブという国を考えないと怒りが理解できないと思う。
オーブは君主制国家(憲法があるかどうかは不明)で、首長のウズミ代表(世襲制なので事実上の国王)は永世中立国を宣言する事で戦争から距離を置いていた。
所がオーブ所有のコロニーでガンダムが開発され、それが盗まれた事が前作のストーリー。
ウズミはガンダムの開発は知らず、モルゲンレーテ社と癒着した首長たちが勝手に開発してしまい、その技術と宇宙射出用のマスドライバーを奪う為に地球連合軍がオーブに侵攻。
だったはずなんだけど、ディスティニーではアカツキという超ハイスペックMSをウズミが個人的に開発させており、それを娘のカガリに託すという遺言が。
ガンダムの開発を知らんとはどう考えても言えないし、それが原因で侵略を受け、その結果としてシンの両親と妹が死んだのだから、オーブとアスハ王家に対する怒りは心中察するに余りあるもの。
冒頭でザフトが開発したガンダムが地球連合に強奪されるんだけど、その時に非公式にプラントを訪れていたオーブの首長カガリは、プラントの評議会議長デュランダルに戦争で逃れたオーブの人材を軍事に用いるなと要請。
プラントは職の選択の自由を主張する訳で、実際強制したという話は無い(本編を見た限りでは)。
内政干渉も甚だしいが、カガリの護衛が前作の準主役で元ザフトエースでオーブ側に寝返ったアスラン。
シンは当然、アスランに好感を抱かない。
シンは極秘開発されていた新型のインパルスガンダムのパイロットとして、新鋭艦ミネルバと共に強奪されたガンダムを追って地球に降りる。
ガンダムお馴染みのコロニー落としの話を挟んで、アスランはプラントのデュランダル議長に会いに行き、ミネルバMS隊の隊長(相当の役職)に任命される。
そこで前作ヒロインのラクスの偽物のミーアが登場。
一方カガリはフィアンセのユウナに押し切られる形で大西洋連合と同盟を締結、事実上プラントの敵国となる。
ミネルバは寄港していたオーブと連合双方を敵に回す。
SEEDの主人公キラ(カガリの弟)は恋人のラクスと共にオーブで優雅に暮らしていた。
そこに突如武装した敵が現れてキラは「コーディネイター」だと断定して、ザフトがラクスを暗殺しようとしていると断定し、前作でザフトから強奪したままのフリーダムガンダムで出撃、隠されていた前作の母艦アークエンジェルと共に戦線復帰する。
妙なのは、前作の最期にはザフトと地球連合は和平を結んでおり、戦争を終わらせたのはザフトから勝手に借用したフリーダムで双方の軍の軍事力を壊滅させてしまったから。
常識的に考えて、両国が和平を結んだのなら、フリーダムはザフトに返却しなければならないだろう。
オーブは君主制国家だからアークエンジェル、クルー、維持費用も対外的に公表する必要は無いとしても、盗んだもので、しかもプラントからすればその兵器が自軍を壊滅させたのだから返せと言わない訳が無いだろう。
同時期にアスランがザフトで受け取ったジャスティスは現に残っておらず、返却したであろう事は推測できる。
その疑惑のフリーダムのキラはラクスの偽物がプラントにいて、ラクスが暗殺されそうになったのだからプラントは信用できない(敵だ)という訳だけど、オーブはコーディネーターとナチュラルを平等に扱う事を宣言した国家で、他にコーディネーターを受け入れている国家が無いとは言えず、プラントから来たコーディネーターというのは飛躍しすぎている。
まず、軍事力を行使する前に被害届を出さなければならないし、警察の現場検証も必要だろう。
オーブは君主制国家だから国家元首の弟が軍艦と借りパクの最強(凶)のMSを個人で保有している事に何の問題も無いのかも知れないが、プラントと国交が成立していた事の方が不思議だろう。
で、キラは姉であるカガリの結婚式に乱入して姉を拉致して消える。
政略結婚でカガリが乗り気で無かった事は事実だが、弟としての身分を明かし(公的資金で優雅に暮らしていたのだから)、男系の国王になっていれば回避できた可能性もある。
連合との同盟を決定的なものにしたオーブは寄港していたミネルバを追い出し、連合軍とで挟み撃ちにする。
アスランはミネルバに合流し、MS隊の隊長になったが、当然ながらシンのアスランに対する信用度と好感度は氷点下。
アスランは元ザフトのエースとして「軍人たるもの」「兵士たるもの」で指揮するが、シンパイロットとしての適性は高くてもまだ16歳、更にアスランが事あるごとにオーブとキラを擁護し、ザフトなのかオーブなのか分からない発言を繰り返す事で、オーブを敵視するザフト兵であるシンと対立が深まっていく。
転戦して行く中で、シンは強奪された敵ガンダムのパイロット、連合の改造人間ステラが海で溺れているのを見つけて救出、そうとは知らず、戦争で心に傷を負った少女として心に留めるようになる。
オーブは連合の要請で軍を派遣しミネルバを攻撃。
ミネルバが主砲でオーブ艦隊を攻撃しようとすると突如出現したフリーダムがミネルバの主砲を破壊、クルーが死傷する。
同時に出撃したカガリはオーブの国家元首としてオーブ軍に停戦を命じる。
オーブの兵士は「姫様だ」と、動揺するが連合から攻撃の督促がありミネルバを窮地に追い込む。
窮地を乗り切ったミネルバのアスランはキラたちに会って攻撃理由を問い質すが、ラクスの偽物がいて、暗殺されそうになったからと要領を得ない。
当然ながら敵と接触していたアスランは監視の対象となる。
連合の放棄した施設を調査していたシンは、連合の非人道的な人体実験と強化人間製造を知る。
シンは攻撃してきた敵ガンダムを撃破するが、乗っていたのはステラ。
ステラが強化人間である事を知り、定期的に投薬しないと死亡するが、ミネルバの医務室では手の施しようが無い事を知る。
オーブ軍はミネルバを追い詰めるが逆襲されて旗艦空母を喪失、兵士はアークエンジェルと合流、亡国の女王カガリと王弟キラを慕って私兵となる。
ジュネーブ条約は存在しないのかと問いたいが、君主制国家のオーブとオーブ人の行動なのでツッコミようがない。
キラと交戦したアスランは「カガリが泣いているんだ」というキラの言葉で戦意喪失して撃墜される。
これまで散々私情で動くな、感傷で動くなとシンに言ってきたとは思えない。
戦闘を勝利に導いたシンはステラを死んだ妹に重ね、同僚と共に艦を離れて、二度と戦場に出さない事を条件にステラを連合に返却する。
シンは捕虜を勝手に逃した事で覚悟の上で営倉入りになるが、顔を出したアスランが説教をした事で関係は更に悪化。
一方連合は巨大ガンダム、デストロイにステラを乗せてベルリンを焦土と化す。
出撃したシンはデストロイのコクピットのハッチを破壊し、パイロットがステラである事を知る。
シンの呼びかけに答えてステラは攻撃を停止するが、キラがデストロイにトドメを刺しステラを殺す。
復讐に燃えるシンはフリーダム撃破の為のシミュレーションを始めるが、アスランはキラは友達で敵ではないと、これまでシンの個人的な感傷を叱責して来たとは思えない態度で
叱責。
レイに理不尽だと言われ、さすがにアスランも反論できない。
一方、ラクスはプラントに向かい、前作で座艦にしていたエターナルに戻る。
問題はエターナルは元々ザフトの艦でラクスが強奪したものだという事だ。
ラクスは前作では強硬的な政府に対するレジスタンスだったから問題ないが、戦後になって盗んだ艦を返却しないというのは一体どういう事なのだろう。
クルーをはじめ維持費も尋常なものではないし、民主国家であるプラントで個人が軍艦を保有して良いという法があるとは思えない。
無論ラクスはプラントの歌姫であり、著作権などで多額の財を成している事は想像に難くない。
仮に保有できたとして自分の収益でエターナルを維持していたなら、確定申告で記載しない訳には行かないし、そうであれば常に居場所は分かるはずだ。
しかし、
プラントが力を挙げてもエターナルの居場所が分からない。
分からないという事はラクスは確定申告で、強奪したプラントの財産であるエターナルを財産として記載せず、支出を改ざんしていた事になる。
贔屓目に見てもラクスには脱税と公文書偽造の嫌疑がかかるのだが、ラクスはエターナルを当然の所有物として扱っている。
ベルリンの惨劇を受けてデュランダルは演説で背後に死の商人がいる事を訴え、死の商人との戦いを宣言する。
ミネルバにはアークエンジェル撃沈の命令が下るが、アスランはアークエンジェルは死の商人ではないと命令に抗議。
しかし、アークエンジェルとフリーダムはオーブが秘匿していたものであり、オーブが死の商人たちと癒着しており、そのアークエンジェルがミネルバの作戦行動に幾度となく介入し、失敗させて来た事は事実。
シンはフリーダム撃破に成功し、一躍英雄になるが私情に駆られたアスランに殴られる。
デュランダルはシンの功績を称え、新型機ディスティニーを与え、エースのアスランにはレジェンドを与える。
が、アスランは彼をひそかに想っていたメイリンの手助けで彼女と共に軍を脱走。
MSで逃げようとしたアスランはシンに撃墜されるが、何故か待機していたオーブの船に救出され、アークエンジェルで親友のキラと涙の再開を果たす。
メイリンの姉ルナマリアはショックを受け、シンも自責の念に駆られ、二人の間が縮まっていく。
一方ラクスはプラントに発見され、攻撃を受けるが地球から救援に向かったキラがプラントの軍を撃滅してエターナル共々救出、エターナルに置いてあったストライクフリーダムガンダムを手に入れる。
フリーダムはプラントが開発したものを奪取したものだが、フリーダムを遥かに上回るストライクフリーダムは誰が金を出し、開発したのだろう?
オーブではないから公費の私的使用は認められないはずだ。
これもラクスの黒い金だろうか?
一方オーブには死の商人の盟主ジブリールが逃れており、プラントと有志連合を相手に交戦していた。
オーブの国家規模はさほど大きくないはずだが、プラントと有志連合の連合軍と互角以上に渡り合える軍事力というのは尋常なものではない。
軍事費は通常であれば国家予算の3%、戦時でも5%が社会インフラを支える為の限界と言われている。
オーブの軍事力から逆算すると、ロシアとEUとアメリカ合衆国を合わせたほどの経済力と生産力、資源が存在している事になる。
しかし、本編では太平洋の島国と説明されている。
太平洋の島国を全て合わせたとしても、オーブほどの軍を維持する事は不可能だろうし、仮に維持するとしたら国家予算の大半を軍事に割いた非常識なほどの軍事国家という事になるだろう。
もっとも、オーブは君主制国家だから税金を何に使おうが、市民を兵役に就かせようが誰に何を言われる事も無いのだが。
プラントと有志連合はジブリールの引き渡しを要求、オーブが拒否した事から開戦。
緒戦は有利に進めるものの、ストライクフリーダムにより連合軍は壊滅、ジブリールは月への脱出に成功する。
戦闘の中でオーブの実権を握っていたセイラン家のユーマが死亡、カガリが君主として君臨する事になり、世界に向けて所信表明演説を行おうとする。
デュランダルはミーアで演説を阻止しようとするが、カガリの隣にラクスが出て来る事でラクスの真贋問題が起きる。
本物は無論カガリの隣にいるラクスだが、演説でシーゲル・クラインの娘と名乗っている。
シーゲル・クラインはSEEDの戦争で和平派の政治家で、主戦派の粛清に遭って殺害されたレジスタンスの旗頭だった。
問題は立派かどうかは別にして、政治家の子供に何の権限があると言うのか?
オーブは世襲制の君主国家だから血縁が優先されるが、健全な民主主義国家で政治家の子供が政治家という事はまずありえないし、まして選挙で選ばれた訳でもないラクスは職業で言うなら歌手でしかない。
無論、歌手として世界に平和を訴えるのは自由だし、正当な権利だ。
しかし、父親の名前を出し、自分にも同様の政治権力があるように振舞う事に問題は無いのだろうか?
確かにSEEDではレジスタンスだったが、和平後はレジスタンスの和平派が逆に政権を握ったのだから、レジスタンスが残る事がおかしいし、仮に政治的に新政府を支援するならオーブで王弟とイチャついていないでプラントでやるべき事があったはずだ。
それともレジスタンスを隠匿しておいてクーデターでも起こすつもりだったのだろうか?
それならMSや戦艦を違法に所持している事からも国家反逆罪に問われてもおかしくはない。
もっとも、ラクスと聞いて動揺するプラントの人々は本当に遺伝子的に優秀な上、まともな民主的教育を受けて来た人間とは思えないのだが。
月のジブリールはレクイエムという大量破壊兵器でプラントを破壊。
プラントは全軍を挙げてプラントを攻撃、ミネルバ隊の活躍で撃破に成功する。
デュランダルはディスティニープランというものを提唱する。
個人の遺伝子情報をもとに適切な職や技能を与える。
富の不均衡が消え、人々が己に合った職に就けば人生は充実し、人類から戦争は消えるだろう。

オーブとスカンジナビア王国はディスティニープランに即座に反対。
他国は判断がつかないというが、当然だろう。
議会制民主主義国家で物事はそう簡単に決まるものではない。
因みにスカンジナビア半島はノルウェーとスウェーデンは確かに立憲君主制国家だが、フィンランドは共和国だ。
ヨーロッパで放映される事があるかどうかは不明だが、フィンランドの国民は不愉快な気分になるだろう。
オーブはアークエンジェルを正式にオーブ軍の軍艦として月に向けて出撃させる。
宣戦布告はしていないが、破壊神のようなストライクフリーダムとインフィニットジャスティスを乗せている軍艦をプラントに向かわせれば宣戦布告と変わらない。
更に、デュランダルは死の商人を名指しで討伐した際も、事後承諾で議会の承認を得ており、ディスティニープランがプラントで実行されるかどうかも、プラントの議会の承認、問題が大きければ国民投票という事もあるだろうし、それで否決されてデュランダルが強行しようとすれば弾劾裁判という事になるだろう。

プラントの国内でさえどうなるか分からない状況下で、君主制軍事国家オーブ軍が反プラントの残党を集めて「正義」を掲げて侵攻すれば、ディスティニープラン云々以前にプラントは国防上、当然の手続きとしてオーブを撃退しなければならないし、議会を開いている余裕すら失うだろう。

しかしストライクフリーダムの圧倒的な破壊力の前にプラント軍は壊滅。
ミネルバは沈み、シンのディスティニーもインフィニットジャスティスに赤子の手をひねるように破壊された。
最強のコーディネーターとして設計されたキラは殺したくないと言ってMSのコクピットを狙わずに敵機を(同時に20かそれ以上)一撃で一気に葬っているが、艦船には手心を加えていない。
MSを運用しているのは基本的に一人だが、艦船を動かすには最低800名は必要だし、宇宙艦となれば1000名は超える。
MSパイロットには情状酌量の余地があり、艦船のクルーは取るに足らない生き物なのだろうか?
プラントはその軍事力を喪失し、軍を全滅させるだけでは飽き足らず要塞に乗り込んだキラがデュランダルを射殺した事で(引き金を引いたのはレイ)、オーブとプラントは和平を結んだ。
シンとルナマリアは涙を流して抱き合いながら炎に沈むプラントの施設を眺めていた……。

それで終わりかと思ったが、出て来たアスランがドヤ顔でシンとルナマリアを乗せた。
アスランのインフィニットジャスティスの圧倒的な力の前に屈した二人の前に、力には抗えないとでも、劣る者は勝る者の慈悲に縋って生きろとでも言うのだろうか?
アスランはさぞかし気分が良かった事だろう。

民主主義国家プラントは君主制国家オーブに軍事的に敗北し、和平、終戦協定の席に着いたが、圧倒的な軍事力と破壊力を持つ君主制国家オーブと民主主義国家プラントでは不平等条約は不可避だろう。

エピローグでシンがアスランやキラと和解するシーンがあったが、正直な所、民主主義の破壊、終わる事のない戦争の肯定、非武装の罪のない人々が殺戮されていく事を、恐らくオーブに収監されているうちに受け入れたのだろう。

SEEDディスティニー、最強のコーディネーターという無敵の存在が思うがままに振舞う世界はこれほどまでに酷薄なのか、不条理なのか、残酷なのか、人類の築き上げた民主主義や人権や人間の尊厳は剥奪され、弱いものはその意思や志さえ奪われ、君主やその家族の思うがままに、その破壊的力によって支配される。
底の見えない暗黒の沼をのぞき込むような、恐ろしくなるほど深い、物語としてはSEEDの方が優秀だが、テーマとしてはディスティニーはSEEDを完全に超えていた。


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