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2019年11月15日11:48

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細川麻実子vs米澤一平

だいぶ日にちが経っちゃったけど。11月9日トリオの練習を終えて急ぎ四谷三丁目の茶会記へ。
米澤一平の企画?(正式にそうなのかはわからないので「?」)のパフォーマンスの47回目。
毎回違うゲストを招いてのパフォーマンスも47回目になったんだ、感慨深いとは言わないけど良く続けてるなあと感心しちゃう。

で、どうだったかというと「ただそれだけの事」という感想を持った。
モダンダンスの世界では一時そんなタイトルや、そんな内容の作品を散見したように記憶しているけれど、それのどれとも違っていたように思う。
曾て散見したモダンダンスでは、日常的な行為を連発してダンスに新しい方向性を模索する、という気概のようなものを感じたけれど(褒めているわけではない)、「細川麻実子vs米澤一平」からはそんな気負いはみじんも感じなかったのは言い方は変だが後発メーカーの軽さを見るようで、清々しくて面白かった。

米澤はご存知のようにタップダンサー。タップを踏むのはもちろんだけれど、タップシューズを脱いで素足(靴下は履いていたかどうか記憶していない)でステップを踏み、とりわけ踵を踏むときの重い音の響きが印象的だった。途中でシャツを脱いだり重ね着をしたり。「ケイタケイの真似か?」と一瞬思ったがあそこ迄の身動き取れないほどの重ね着ではないので、重くない。
さらに、棒状のものを使って、床やら机の脚と思しきあたりをリズミカルに叩くと、専門家ではないゆえのたどたどしさがあって、ほほえましい。

一方の細川はダンス加藤流(と私が勝手に名付けている)の優秀な後継者と言っていいような(家元には了解を得てないけど、これも私が勝手に言っているだけ)巧みな、あくまでも加藤流の流派を逸脱することなく、動きを続けていた。
かなりドラマチックな場面も見せているのだけれど、大した事件も起こらず淡々と時は流れていく。

両社は特に交わることもなく、時に接近することはあるけれど、それぞれが、それぞれとして、いってみれば好き勝手に時間と空間を動き回っていた。

私たちの日常が、振り返れば結構ドラマチックなことに遭遇しているのに、そうと気付かずに通り過ぎてしまうように、二人のパフォーマンスもなんとなく、飽きさせることもなく、特に気づかされることもなく淡々と進んでいった。

世界は何も変わらない。

私の美学とは違うなあ・・・別の美学があるんだろう、という意味で感慨深かった。
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