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2020年01月28日15:43

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アニメ話・ドロヘドロ/イド/映像研/バビロン

●ドロヘドロ・3話。墓の底から死体がゾンビとなって跋扈する、年に一回の恐怖の日。これがそのまま恐怖でありながら、同時に無二のお祭りになってんのがこの世界のありかたなんだなあと。リビングデッドデイというメリケンくさいギミックに、塩をふりかけまくる坊主が出てくるのがごった煮感覚でよろしい。混沌とした雰囲気は(美術もあって)アキラのような過去のマンガになぞらえることもできるが、個人的に感じたのはちょい古め…そうねえ、バロックとかクーロンズゲートみたいなPS1期のゲームの世界だな。自身のノスタルジィの発露ってだけかもしれんけども。エンディングはゾンビ回の特別仕様、これがまたかなりいい雰囲気かつバカでとてもいい…っつーかまさか毎度エンディングが異なるってことはないだろうね。あーあと、調べ物してるノイさんがひっつめタイトスカートの大柄女ってのでとても良かったです。刺さる人には刺さるだろうなあ。

●映像研には手を出すな!・4話。水崎氏が作画的クォリティ(理想)に拘り、金森氏が進捗の大幅な遅延(現実)に発破をかけ、浅草氏が理想と現実の間をあれこれ考えて回答を出す。省力化の為の「ゴマカシ」技術ひとつひとつが効果的で上手い、っつーか水崎氏の作画/金森氏のマネジメント力の高さはよく言われるけど、浅草氏のこの「適切な技をチョイスする能力」ってのも大概ではある。やっとできた成果物を「魂を込めた妥協と諦めの結石」と表現するの、なんかもうすげえやね。

んで生徒会へのプレゼンだけど、まず作品上映自体に難癖付けてくる生徒会との渡り合いが面白い。金森氏のシタタカすぎる交渉術を正面からネゲイトする副会長の人に、対人弱者の浅草氏が喰らいつく。過剰な江戸落語オマージュの啖呵はあれ、必死で構築した彼女なりの武器なんだろうなあ、と思うと泣けてくるわな。そして上映される映像作品は…背動とかキャラ作画とか、ちゃんと「アマチュアらしさ」を持たせつつもゴージャスな出来になってんのが素晴らしい。劇伴の冒頭が意図的にチャチいのも、そのあとからぐっと盛り上げる効果狙ってのことだろうな。…エンディング一枚絵は石黒正数。まーいつか来るだろうなと思ったらもう来た。絵柄と相性イイな!

●イド:インヴェイデッド・5話。あやしい兄さんに何故か「きっす」されたことから推理を進める本堂町さん。…やっぱ頭に穴開いてから何らかのブーストかかってないです? 現場に殺意の粒子が残留していないのは殺意と愛情が逆転しているから、その上で殺人を続けるということはつまりそれは愛情の連鎖。その愛情を受ける人物こそがこのシリアルキラーの主体者…という、ワケの判らん因果の連鎖が頭の良いバカのリクツって感じですこぶる面白い。真(?)犯人のあやねる声のお嬢さんと相対するシーンの、何がおかしいのか判らないままどんどん緊張感の増してくる様子が怖かった。劇伴のせいもあるんだけどさ。

●バビロン・最終話。大統領と正崎さんは善悪について一応の結論らしきものを得るが、その直後にマガセさんが登場してダイナシである。とは言え、大統領は最後の最後に耐えて自殺を免れ…そして死ぬ。正崎さんは大統領殺しという悪を成すことで善を守る。そんな流れも多分、マガセさんの掌の上だったんだろうな…という、まあオープンエンドで終わる。

●総評。前回のカドは個人的にかなり楽しめて、あの物議をかもした終わり方もアリ中のアリだったんだけど、今回はかなり消化不良な感覚を持った。こちらも終わり方としてアリだとは思うが、このシリーズ当初のざらりとした生理的な怖さ・7話の問答無用の絶望感、あるいは世界規模になったことでひょっとしてありうるかもしれないと予測した「エイリアン2」というか「今度は戦争だ」というか、そんなすっ飛んだ方向への発散、どれとも違う何か妙なスケールになったのがどうも困る。ぶっちゃけ、吹っ切れが足りない。あのマガセさんが好き勝手するとなるとこんなもんじゃないし、またお話としてはこっからじゃん、という感覚も込みで、上記の通り「消化不良」ってのが感覚として一番近いだろうか。

それにしても相変わらず、面白そうな枠組みやエピソードの構築ぶりは一線を越えてるんだよなあ。ゆえに惜しい。

ともあれ、かなり印象に残ったシリーズであったのは間違いないところ。実際野崎まどの次回作があったら、また見たいなあとは思うん。つーかこの続き書いてくれませんかね? ダメ?
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