一昨日の19:05、MOVIX堺で鑑賞。
動物パニック+ディザスタームービー。
「クロール 凶暴領域」Crawl
主演 カヤ・スコデラーリオ バリー・ペッパー
監督 アレクサンドル・アジャ
フロリダ大学の水泳選手であるヘイリーは、姉のべスからフロリダに大型ハリケーンが接近してるのに父親と連絡が取れないと連絡を受ける。
ヘイリーは避難勧告を無視して、父親がいるであろうかつての実家へ行くのであった。
その家の地下に何物かに噛まれて負傷した父親が。
実は近くのワニ園から多数のワニが脱走して家に侵入していたのであった。
本当は「ジョーカー」を見ようと思ったが(前回も同じこと言ってましたが必ず見に行く)
時間的な点や空いてる事もあり、この作品を鑑賞。
と言うのも、この手の映画は昔から大好き人間なので見逃せなかったのもあります。
それと見た要因は監督がアレクサンドル・アジャ。
過去作は以前に何本かレビューしてます。
去年鑑賞した「ルイの9番目の人生」の感想で、アジャ監督の志向もバイオレンスホラーから、ドラマ性を出したファンタジー路線に変わりつつある?と書いたんですけど、
今回の新作は、
これぞB級!(誉め言葉)
人食いワニが人を襲う!
これだけでも、もう十分にワクワクする。
本来のアジャ監督らしいホラー色があって良かった
そもそも、この監督は以前にも動物パニック物で「ピラニア3D」(以前に感想書いてます)があって、ハチャメチャなパニックぶりの怪作で面白かった!
そんなアジャ監督、ピラニアの次はワニとは!
ワニが人を襲う映画と言えば、過去に何本か見た。
「悪魔の沼」トビー・フーパー監督の殺人鬼物で、殺人鬼がワニに人を食わせるのでワニメインではないし、ワニの造形がしょぼい。
「パニック・アリゲーター/悪魔の棲む沼」昔テレビのゴールデン洋画劇場で見た、巨大ワニ+人食い人種がダブルで襲うイタリア製。元ボンドガールでリンゴ・スター嫁のバーバラ・バック主演。
「アリゲーター」当時劇場で見た作品で、下水道で巨大化したワニが暴れまくる傑作。モンスター怪獣物の雰囲気がある。主演が先日亡くなったロバート・フォスター。
「マンイーター」川の観光小型船を巨大ワニが襲う。なかなか面白かった。サム・ワーシントンと売れる前のミア・ワシコウスカが出ていた。
思いつくのでこれくらいか?他にもあったと思うが(確か東南アジアの国制作のデカすぎるワニ暴れまくりの映画があったような)
ワニ映画といえば、どうしても異常に巨大になったワニが暴れるイメージが強いが、
本作のワニは近所のワニ園から逃げ出した平均的な大きさ?のワニである。
それが1匹でなく何匹も出るから、2、3匹退治してもまだまだいる怖さがある。
それとディザスタームービー要素もある。
ハリケーンが襲来する。本編では日本でいう台風とそう変わらない印象がある。
最近、大型台風で凄いことになったばかり、まさか上映禁止とかならないのだろうか?と心配した(過去に津波が出るからとそうなった映画があったから)
本編で描かれる嵐や増水ぶりは実にリアル。
見てて思うのは撮影は大変だったのではと思う。
大きなオープンセットのデカいプールの中に家のセットを作ったのか?
これはメイキングがあれば是非拝見したいくらい。
本編の主な登場人物は主人公であるヒロインとその父親。
他はワニに食われる要員で略奪者3人(こんなクズは食われて当然)
と警官2人(うち一人はヒロインの元カレ)
スマホの話相手であるヒロインの姉くらいで、極めて登場人物が少ない。
そのヒロインと親父の熱血ドラマが妙に熱くて、ワニとハリケーンに上手く絡んでたのが良かった。
この辺は前作でドラマ性を出そうとしたアジャ監督の経験から来てるのもある。
また、この親子がもう体力的ていうか精神的に強いのが凄いし、
こういうところに見てる側が共感して「何とか助かってくれ!」と応援したくなるのもいい。
ワニはCGだろうと思うが、CG臭くないリアルさがあっていい。
一部は本物を使っているのだろうか?
この映画の面白さは、次から次へと畳みかけるような展開がスリリング。
「これでもう助かっただろ」と思えば、さらなる恐怖が何度も続く、
88分という上映時間に凝縮して、無駄がなく見せてくれるのがいい。
思うんだけど、最近の映画って上映時間が長いのが多くないですか?
長いから悪いわけではないけど、前回に見た映画なんて無駄なシーンが多すぎ。
劇場で90分前後の作品なんて久々のような気がする。
散々に敵にやられ血を流しながらも戦う姿には、
アジャ監督の過去作「ヒルズ・ハブ・アイズ」に通ずる面白さがあって好き。
このパワフルな演出はアジャらしい。
今後もこういう映画を演出してほしい。
キャストでは、
主人公ヘイリー役のカヤ・スコデラーリオ
出演作では「メイズ・ランナー」シリーズに出てるがこのシリーズは全く未見。
ワニに何度も噛まれても、ワニには負けない根性のある戦いぶりがいい。
この女優さん、全編体を張った演技で目の鋭さがまたいい。
ヒロインながら男前な感じがする。
親父役のバリー・ペッパー
昔から脇でよく見る役者だ。
「プライベート・ライアン」の狙撃兵役が印象強いかな。
この娘にしてこの親父ありで、足の骨が飛び出るくらい骨折しても自力で骨は真っ直ぐにしたり、片腕をワニに食いちぎられても生き残ろうとする強さに恐れ入る。
それと飼い犬シュガーが賢くて役に立ってるのがまたいい。
ワニの恐怖を描いた映画としては良く出来た作品。
どちらかと言えば低予算の部類だが、お金かける所はきっちりしていてチャチさを全く感じない。
サメの恐怖を描いた「ロスト・バケーション」に近い感じもする。
それと主人公親子の「絶対諦めない」生きようとする根性ドラマがまた良い。
おススメ!
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