「二十三年前、私は妖狐と取引し、妻を殺してもらったのだよ」
妖怪と人間の調停役として怪異事件を解決してきた岩永琴子は、大富豪の老人に告白される。
彼の依頼は親族に自身が殺人犯であると認めさせること。
だが妖狐の力を借りた老人にはアリバイが!
琴子はいかにして、妖怪の存在を伏せたまま、富豪一族に嘘の真実を推理させるのか!?
虚実が反転する衝撃ミステリ最新長編!
城平京:虚構推理 スリーピング・マーダー
「スパイラル 〜 推理の絆 〜」や「絶園のテンペスト」の原作で知られる城平京の推理小説。
怪異が絡む不合理を、いかにもありそうなでっち上げの真っ赤な嘘をもって、真実となさしめる展開は本作も健在。
短編が3編に中編が1つ。
ただ、読み終えてみると全てが繋がってきているのは素晴らしい。
スリーピング・マーダー。
怪異による殺人事件を、人間が犯人だと証明しろという嘘を真実とするお話。
23年前の事件に関して、次々と明るみに出る事実。
そこから導き出される推論を次々と否定していき、最後に出てきた結論で決着。
ほんの少し、温かい話でめでたしめでたしとなると思いきや、またもやどんでん返し。
虚構の真実から、更なる真実を突きつける展開は見事。
ほんと、ジェットコースターに乗っているように、推理が急転直下します。
頭が付いていきませんw
第1作の黒幕も再登場し、また何か企んでいるみたい。
次作も期待できますね。
虚構の真実を築くのか。
虚構の中から真実を築くのか。
どんな対決になるのでしょうか。
きっと、想像しても遥か上の展開になることでしょう。
楽しみですね。
いや、琴子はカワイイよ
水樹奈々『Astrogation』を聴きながら
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