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2020年10月14日18:20

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映画「BEM BECOME HUMAN」見ました−「妖怪人間ベム」の物語をちゃんと完結させた初めての試みでなかなかおもしろかった−

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8月2日から公開された映画「BEM BECOME HUMAN」を見に行ってきました。
「BEM」は「妖怪人間ベム」50周年として2019年7月から10月まで放送された「妖怪人間ベム」のリブート作品アニメです。2006年に製作されたアニメは第2期と呼べるくらい旧作を再現していたのですが今回はキャラクターデザインから世界観から完全に新しく作り直した完全新作になっています。

初めて情報が公開された時にそのシュッとしたキャラクターデザインやベラが女子高生ということで話題になりました。というのも少し前に放送開始した「ゲゲゲの鬼太郎」アニメ第6期のネコ娘が等身を上げたねこ姉さんと呼ばれるキャラクターだったこともありました。
私自身はこういう試みは好きですし見てみると話もしっかりしていましたしこれまでの「妖怪人間ベム」のようなロードムービーで1話完結の作りではなくひとつの街を舞台にした連続ドラマになっていておもしろいと思いました。
そして全12話でいちおう事件は完結して最後は妖怪人間たちは生死不明というありがちな展開で終わりました。

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その「BEM」の劇場版が公開されるという最初のチラシを見たのは新型コロナ感染が広がり始めたころだったと思います。ビジュアル的にも情報的にもこれと言って新しいものはなく、どんな映画なのかもこの段階ではわかりませんでした。

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やがて緊急事態宣言が解除され徐々映画館に客が戻ってきたころに新しいチラシが配布されました。それを見るとTVシリーズの2年後の物語でありTVシリーズの総集編的な映画ではないことがわかりました。
梅田ブルク7は東映の株主優待券では事前に席を取れないので念のため席をネットで押さえておいて当日きましたがそんな心配の必要もなく席はガラガラでした(笑)。(梅田ブルク7は現金払いで予約の時は取った席は払わないと自動的にキャンセルされるだけなのでリスクはないんですよね。)

見た感想はおもしろかったです!ちゃんと物語が完結していました。いや「妖怪人間ベム」をここまで完璧に終わらせたのは初めてなんじゃないでしょうか。

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舞台は巨大製薬会社ドラコケミカルの街=ドラコシティ。そこに妖怪人間にまつわる事件があると知り捜査にやってくる女刑事ソニア・サマーズ。TVシリーズの人間側のメインキャラクターです。
彼女は街で何者かと戦い続けるベロ、そしてウエイトレスとして”人間ごっこ”をして暮らすベラと再会します。
そしてドラコケミカルの広報部で働くベルム・アイズバーグという男の日常が描かれます。優しい妻のエマと2人の子供のいる家庭、陽気な同僚のバージェス、上司のマンストール部長と同僚たちに囲まれた普通の日常。ドラコ代表が秘書のグレタを引き連れて彼の業績を称賛にやってきます。
最初、何を見せられてるんだろうと思いましたよ(笑)。その日常の中で若干の違和感を抱くベルム。そこへ彼がベムじゃないかと言うソニアが訪ねてきます。
やがて彼は本当にベムであり、ドラコケミカルは彼を実験材料にして妖怪人間を作ろうと研究していることが明かされます。それに協力していたのがTVシリーズで人間を改造していたあのマッドサイエンティストのDr.リサイクルだったのです。
ソニアやベムがドラコの陰謀をあばいていくうちに真実が明らかになります。同僚はみなドラコの科学者であり毎日同じセリフしか言わなかった子供たちや街の人々は不完全な自我の無い妖怪人間だったのです。そしてベムが妻のリタを問い詰めるとリタはただ妻の役を演じろと指示されていただけの人間で本当にべリムのことを心配していたことがわかります。リタがすべてしゃべろうとすると突然指輪から細胞が注入され妖怪人間に変貌してベムに襲いかかります。やむなくリタを殺し涙するベム。

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そしてドラコの研究施設に行くベムはさらに意外な真実を知るのです。上司のマンストール部長こそベムたち3人を作った伯爵と呼ばれる昔の科学者でバージェスとグレタはその助手(あるいは作られた妖怪人間)だったのです。伯爵は自分の妻を生き返らせるための研究をしていてその中でベムたちが生まれたというわけなのです。
今回の陰謀はDr.リサイクルによるものかと思わせておいて実がもっとすごい敵がいたという。実際、Dr.リサイクルは中盤で「妖怪人間は専門外だ。もっと偉大な先輩がいたんだよ。」と言っていますから。
で、山寺宏一演じる優しそうな上司が実はすごいラスボスという展開。どっかで見たことあるぞと思ったら劇場版「魔法少女リリカルなのは Detonation 」でラスボスが実は山寺宏一演じる所長で彼がすべての陰謀を行っていたというまったく同じパターンが最近あったのです。

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そして事件を追っていたベロ、人間ごっこをやっていてずっと戦うことを拒否していたベラがここぞというときに駆けつけてきてベロとバージェス、ベラとグレタが妖怪人間同士のバトルを繰り広げます。なんか昔の「東映まんがまつり」みたいでした(笑)。
捕まったソニアがリタのように妖怪人間に変えられてそれを殺してしまったと思いこんだベムは翼の生えた最終形態に進化し巨大な怪物と化した伯爵と戦います。ところがソニアは自分の力で脱出して生きていてその戦いの最中に現れます。

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これでハッピーエンドと思ったところ伯爵の触手がソニアを突き刺します。伯爵を倒したベムは瀕死のソニアの元に駆けつけソニアの命を救うためソニアの中に消えていきます。
これに関してはTVシリーズからずっとベムとソニアは関わっていて最初はベムの姿に驚いたものの彼の心に共感しTVシリーズで謝れなかったことを悔やみ映画ではベムの傍に居たいとまで言っているのです。そしてベムに対しては伯爵が人間と同化して生きていく道もあるようなことをチラッと言っていました。だからお互いに惹かれ合うベムがソニアを助けるためにソニアの中で人間として生きていくという結末になったわけなのです。
つまり「はやく人間になりたい!」という「妖怪人間ベム」のキャッチコピーである「人間になる」という願いをベムはかなえたのです。もともとロードムービーである「妖怪人間ベム」にきっちりとした”ベムが人間になる”という決着をつけたことがこの作品の良いところだと思うのです。普通に考えたら”人間になる”というのにはすごく違和感があるのですがこういうパターンなら納得できるというのはちょっと感心しましたね。
ラストは18分署に復帰したソニアが事件の捜査にバイクに乗って出動する場面でソニアの目がカッとベムのような目に変わるところでエンドロールになります。
エンドロールの後で廃墟の中からDr.リサイクルとソニアを助けようとして捕まった警備員が「助かったー」と出てくるところで終わります。なんかすごくほほえましかったです(笑)。

ということで「人間になりたい!」という願いをベムがかなえて完結するという「BEM」の良い完結編の映画になっていたと思います。
ほんと先の「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」もそうでしたがTVシリーズのちゃんとした完結編を劇場版でやるというのがある種の定番になってきましたね。

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パンフレットです。
表紙のイラストをキャラクターデザインの村田蓮爾氏が描いています。

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村田蓮爾氏は私の大好きなイラストレーターです!
A5版フルカラー50Pで1500円と値段は高めですが内容的にはすごく充実していてこれくらいなら良いかと思いました。
映画はキャラクター紹介に2Pで半分はキャストのインタビューになっています。ベム役の小西克幸、ベラ役のM・A・O、ベロ役の小野賢章ソニア・サマーズ役の内田真礼のインタビューが載っています。
他のキャストもバージェス役の宮田俊哉、マンストール役の山寺宏一、エマ役の水樹奈々、ドラコ役の高木渉、グレタ役の伊藤静、Dr.リサイクル役の諏訪部順一のコメントが載っています。
それにしてもほんと豪華声優陣ですね。実にそれぞれにらしい役になっていると思いました。
残念なのはネタバレになるからかラストの伯爵、バージェス、グレタのモンスター形態ややベム最終形態なんかのデザインは載っているのですが詳しい事は書かれていないことですね。

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後ろ半分はTVアニメ「BEM」関連の特集でちょっとしたムックのようになっています(笑)。
キャラクターデザインがTVと映画では違っているのでまったく別にキャラクター紹介が書かれていてストーリー紹介もちゃんと載っています。
「妖怪人間ベム」50周年の記事も載っていて50周年お祝いコメントや第1作、第2作のTVシリーズのストーリ紹介まで小さいですが載っています。
まさに「BEM」のパンフレットといった感じの内容になっています。

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「来場者特典 マスク」です。
ベムの口がデザインされたマスクです。てっきりペラペラの紙マスクだと思っていたらちゃんとした布マスクだったので驚きました。
それにしてもマスクってここまで細かく注意事項書かなきゃならないんですねえ。

劇場グッズはそれほど多くはありませんでした。

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「クリアファイルセット」
キービジュアル絵柄のものとモノクロのベム絵柄のものの2枚のセットになっています。

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「ポストカードセット」
原画を10枚のポストカードにしてあります。グッズもあまりないし他に資料がないので買うことにしました。
特に2人がそれぞれ手を伸ばしてベムがソニアの指輪を破壊するシーンのベムとソニアが良かったです。あとベムの最終形態も。

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昨年12月に発売されていたタカラトミーの300円ガチャ「BEM Wデザインラバーマスコット」です。
たまたま、まだ置いてあった店を見つけたので廻しました。結局1種類だけは出ませんでした。
片面にカラー、片面にモノクロのキャラクターが入ったWデザイン仕様のラバーマスコットになっています。

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「ベム」「ベラ」「ベロ」「ベム・ベラ・ベロ(妖怪人間)」
主人公のベム、ベラ、ベロの3人と3人の妖怪形態になっています。
今回のベムはこれまでのベムと大きくは印象が変わりませんがベラに関しては驚きの女子高生になっています。TVシリーズでは高校生活を送っているので一見普通の女子高生ですがその性格はけっこうシビアなものになっています。
ベロは少年ではありますがこれまでの明るい人懐っこい性格ではなくクールで斜めに構えたような感じの真逆な感じになっています。ただTVシリーズでは彼を慕う少年たちに触れてだんだんその性格も変わってきていました。

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「ソニア」「ロディ」
ソニアはTVシリーズでは事件を追う捜査官として人間側のメインで登場していましたが映画では完全にヒロインになっていて最後にはベムと一緒に生きていくことになりました。
ロディはベラのハイスクールの同級生でベラの妖怪人間の姿を見て美しいと言ったりしてベラも悪い気はしていませんでした。今回の映画ではベラと再会したソニアが「眼鏡の彼は医大へ進んだ」とTVシリーズのキャラで彼の事だけが話題に出ていました。

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「フェルト」「Dr.リサイクル」「ベガ」
Dr.リサイクルはTVシリーズで人間を改造して怪物ヴィランを生み出したマッドサイエンティストで今回も陰謀の首謀者のように登場して結局は単に楽しんでいただけというそのキャラクターは健在でまた生き残りました(笑)
ベガはTVシリーズのラスボスで実はベムたちより前に作られた妖怪人間だったということが明かされました。



















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