mixiユーザー(id:60123525)

2020年10月08日18:54

83 view

映画「映像研には手を出すな!」見ました−3人が映像研のキャラクターをみごとに演じそれを見ているだけで楽しいそんな映画だった−

フォト

映画「映像研には手を出すな!」を公開日の9月25日に見てきました。
「映像研には手を出すな!」はスピリッツに連載中の人気漫画でアニメ化されこの1月から3ヶ月NHKで放送されていました。

フォト

湯浅監督のこのアニメはそのクオリティの高さからすごく評判が良かったのですが、アニメ終了と同時に実写版ドラマがTBS系の「ドラマイムズ」枠において全6回で放送され、その続きが劇場映画として公開されたというわけなのです。
「咲-saki-」「咲-saki-阿知賀編」「賭ケグルイ!」などが同じパターンで5、6本のTVドラマが放送された後に劇場版が公開されています。
TVアニメがうまくアニメの特徴を活かしていて良く出来ていたこともあって実写でこの題材をどうするのかなあと思って見てみるとわりとキャストもイメージに合っていてCG合成とかも多用しておりけっこうおもしろかったのです。だから5月14日に終わった後翌日から公開予定だった映画も楽しみにしていました。
ところが、新型コロナによる緊急事態宣言の発令によって公開が延期されこの9月にやっと公開されたというわけなのです。
上がそのチラシです。

フォト

TVシリーズでは3人が出会い映像研を立ち上げ生徒会に活動を認めさせるところまで原作の第1巻の終わりまでが描かれています。そして劇場版はその続きの話になります。ただ冒頭でTV版のダイジェストを紹介するための寸劇はくどくて要らんかったと思います。普通にサラっと流せばよかったのに。
私は1巻しか読んでいないのでその先はアニメとの比較になりますが話は多少アレンジされています。映像研がロボ研の依頼を受けて文化祭に向けてロボットアニメを作るという展開を大生徒会の部活動統廃合令に対抗するため実績を示すためロボ研と手を組んでアニメを作るという展開になっています。ここで金森は当初即売会での盤の販売を目標とするというこの先のエピソードを持ってきてそれを教師たちに阻止されて文化祭に舵を切るというアレンジにしてあります。おそらくスタッフはこの金森の金を儲けることへのこだわりと教育を振りかざす教師陣の軋轢みたいなものを描きたかったんでしょうけどこれはいらんと思いました。
そして制作において浅草氏が悩み逃亡するとこなどが描かれ文化祭の前日の追い込みとなるのですがここで映画オリジナルの部分があります。大生徒会は徹夜で活動する部や同好会を取り締まるためハイテク機器を駆使した作戦本部をつくり徹夜で監視します(それはいいのかというツッコミもあります(笑))。キャンプ地に向かう途中で映像研の3人は確保されるのですがそれは物真似部の偽物だったのです。このあたり形態模写研究会やら影武者部やらが統合されるという描写が伏線になっていたわけです。そして大生徒会による大捜索が始まる中で映像研の3人はその作戦室でパソコンや複合機を使ってアニメを着々と作っているという。
これは良いアイディアだと思いました。昔のように手書きでセル彩色なんかじゃなく今のアニメはタブレットとパソコンでこういう環境でも充分作れるんですよね。

フォト

そして文化祭当日これはアニメと同じでツバメの両親が予定が変わって映像研の発表を見に来るというのがクライマックスとなります。この選択は正しいと思いました。なにしろTVアニメもこの部分が一番盛り上がりましたから。
映画には浜辺美波が気象部の生徒役で出演してるのですが彼女たちが育てた人工台風が台湾に上陸したことで水崎夫婦のロケが中止になったり先生が空港で足止めされたりしたのですがはっきり言ってこのくだりはいらんだろ!浜辺美波の無駄遣いだよ。
アニメでは会場にたどり着いたツバメが自ら司会して始めるのですが映画では極度の人見知りの浅草が代わりに司会に立ちアニメじゃない実写映像を上映しようとしたところツバメが現れて「気合入ってます!」と完成したアニメを流すという展開になります。ここはこの時にの金森の反応とかも含めて巧いと思いました。
そして最後は映像研の3人のところに差し入れのやきそばを持ってくる水崎夫妻が「あなたたちツバメのお友達?」と聞いたのに対し浅草が「いえ、仲間です。」と言ったところでエンドロールが流れます。このあたりもアニメではツバメと夫妻が話した後に少しして3人のところにやってきてこのやりとりがあるのですが映画のやきそばをキーにした演出の方が盛り上がって巧いと思いました。

フォト

で、この映画というか実写版の魅力は主役3人のキャラクターにあると思うのです。そして映画でもそれは充分に発揮されていたと思います。
主役の3人は乃木坂46のメンバーでツバメに関してはカリスマ読者モデルということでそのまんまなのですが、漫画や原作ではその特徴を外観も含めわかりやすく極端な描かれ方をされている浅草氏と金森氏に関しては実にいいさじ加減でそのキャラクターを再現していると思います。よくあるアニメキャラをそのまま実写にすると違和感があるというパターンではなく本当にいても不思議じゃないような人物像になっています。そして演技によりそのキャラクター性をうまく出していると感心しました。

フォト

インタビュー記事を読んでいるとこれに関しては3人はすごくプロの仕事をしていたと思います。自分たちではわからないということで監督の指示通りにキャラクターを演じたらしいのですが難しい言葉の多いセリフもすべてちゃんと覚えてきて監督の要求に的確に答えていたらしく監督自身もかなり感心していました。
おそらく素の彼女たちと全然違うキャラを上手く演じていたんでしょうね。浅草役の齋藤飛鳥は乃木坂の1期生でツバメ役の山下美月、金森役の梅澤美波は3期生ということで最初はやりにくかったそうなのですがそこはプロ、小学生のような浅草を見事に演じていたと思います。ちなみに山下だけが映画経験があったらしいです。

フォト

ほんと彼女たち3人のキャラクターを見ているだけで楽しくなってしまうのがこの実写版「映像研には手を出すな!」だったんじゃないかと思いました。
あと共演者も百目鬼役の桜田ひよりはともかく大生徒会のメンバーはすごくイメージ通りで合っていると思いました。特にさかき・ソワンデ役のエマ・グランデはすごく合っていて迫力のある演技をしていたと思いましたがこの娘まだ14歳で演技は初めてなんだそうですすげーな。文化祭の上映会の会場を開けてやるところなんかはすごく良かったです。

映像的にもわかりやすかったと思います。TVアニメではアニメ作りを描くという原作でアニメでアニメを描くという題材の上に浅草氏の妄想の部分もあってかなり難しいところを妄想部分は水彩画風にアニメ部分は「ロングウエイノース」のように線を描かず彩色で表現したアニメにすることによって上手く描き分けていました。
そこへ行くと映画は実写です。だから劇中のアニメは普通のアニメで浅草氏たちの妄想は白い線画で描かれ、TVドラマでのカイリー号はプロペラスカート、映画でのタロースなど強調したい部分ではしっかりとした3DCGになっています。だから非常にわかりやすいです。
ロボ研とのやり取りで「リアルなロボってこんなのかい」とAIBOのようなペットロボや重機の線画を出してそれを部長が次々とけっとばしていくところなんか実にテンポがよく巧いと思いました。

フォト

パンフレットです。
ちゃんとパンフがあって良かったです(笑)。というのも公開1週間ほど前にオフィシャルブックが発売されたのでパンフが発売されてないんじゃないかと思ったからです。以前「咲-阿知賀編-」の時がそうでしたから。
A4版フルカラー44Pで1000円になっています。

フォト

TVドラマの全6話について紹介されているのが嬉しかったです。
主演3人と監督のインタビューにページを割いています。そして原作者のインタビューも載っています。制作日誌に6Pを使ってTVドラマと映画の撮影状況がかなり詳細にレポートされています。

フォト

劇場グッズはこんな感じ。とりあえずクリアファイルだけ買いました。缶バッジも欲しかったのですが売切れていました。他の映画館でも売すべて売り切れていました。人気あるんですね。

フォト

「クリアファイルセット」
TVドラマのキービジュアルと映画のキービジュアルの2枚のクリアファイルのセットです。

フォト

こちらは公開1週間前に発売された小学館の「映像研には手を出すな!手を出した人専用オフィシャルブック」です。
B5版90Pほどで定価1500円になっています。
内容的には映画、TVドラマのオフィシャルブックのはずなのですが本編の映像はほとんど使っておらずビジュアルは主演の乃木坂46の3人の撮りおろし写真になっていて単なるアイドル本みたいになっています。

フォト

先に言いましたが主演の3人は見事に浅草みどり、水崎ツバメ、金森さやかの3人を演じていたのにその3人を載せずにアイドルとしての3人に写真しか載せないというのは間違っていると思うのですよ。私はそんなん見たいんじゃない!
巻末に原作の紹介もあるのにTVドラマや映画の写真がほとんど載ってないのはどういうことなんだろ。
ただ、インタビューに関しては充実していてよみごたえがありました。主演の3人はもちろんのこと大生徒会の3人や百目鬼役の桜田ひより、さらには監督、プロデューサーのインタビューが載っていてそれらを読むと主演の3人がいかにプロとしてかんばっていたかがよくわかります。
さらに原作者やアニメの主演声優(俳優)、ミュージシャンのインタビューまで載っていました。

フォト

6月に発売されたTVアニメのムック「TVアニメ『映像研には手を出すな!』公式ガイド〜映像研活動報告〜」です。
こちらはB5版130Pで2400円のムック本になっています。
内容的には主役声優のインタビューを交えたキャラクター紹介、見どころポイントを交えたストーリー紹介、設定、美術紹介とムック本としては充実した内容になっています。
特にアニメづくりを扱った作品らしく制作スタッフのインタビューにかなりページを割いています。監督インタビュー、プロデューサー対談、副監督対談、キャラクターデザイナー、美術監督、色彩設計、脚本家、音楽担当、音響監督とほんと多岐にわたっています。
その中でおもしろかったのはアニメを作るには浅草、水崎、金森の3人のすべての要素が必要で年を経るにしたがって水崎→浅草→金森の順でそのスキルが必要に立ってくるという点ですね。たしかにそうだと思います。
私なんかもそうでしたがモノづくりにかかわる仕事をしている人間は年を経ると絶対に金森氏的なスキルや考え方が必要になってくるもので金森氏に共感する人がすごく多いんだそうです。それってほんと良くわかりますね(笑)。

フォト

ビッグコミックス「映像研には手を出すな!!」第1巻です。
アニメを見てる時ににもこれって漫画でどういう表現しているんだろうと気になっていたのですがTVドラマが始まった時にますます気になってついに買ってしまいました(笑)。
読んでみるとやはり色がないので情報量が少ないというのもあって私には漫画では浅草氏の妄想の部分がどこまでかがわかりにくかったです。それを考えるとアニメも実写ドラマもうまくこの原作を映像化していたんじゃないかと思いました。

ということでこの映画で「映像研に手を出すな!」もひと段落ですね。まあ評判は良かったみたいだしNHKなのでアニメ第2期がそのうち放送されるのを待っています。







3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する