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2019年12月10日17:51

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映画「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」見ました−きっちりと作られたすばらしいエンターテイメント作品で今年一番のアニメ映画だった−

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12月9日に映画「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」を見てきました。私自身はこの映画のことは知らなかったのですが2015年のフランス・デンマークの共同制作によるアニメ映画で評判にはなっていたみたいですが普通に一般公開はされていませんでした。

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映画のチラシです。友人が見て絶賛していたので気になってはいたのですが11月30日から神戸の元町映画館で吹替え版が上映されているというので見に行ってきました。ちょっと勘違いで元町映画館というのが旧朝日会館だと思い込んでいたのでそこそこ大きいと思ったのですがそれはシネリーブル神戸で元町映画館というのは10年ほど前にできた座席数60ほどの小さな劇場でした。

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見た感想はとにかくおもしろかった!日本のアニメと違って黒いトレス線というか輪郭線のない特徴的なセルルックあにめでその独特の絵柄に違和感があったので大丈夫かなと思っていたのですが実際動いてるのを見るとほとんど気にはなりませんでした。
舞台は19世紀のロシアで貴族の子女サーシャが1年前に北極航路の探検に出て戻ってこない祖父とその艦船ダバイ号を探しに旅に出るという物語です。ちょっと聞くと貴族のお嬢さんがひとりで北極へ探しに行くなんてことができるのかと思うのですがそこは多少の嘘を交えながら実に巧く出来そうな物語りにしてあるのです。成長しながらひとつひとつ目的に向かって進んでいくサーシャはすごく魅力的に描かれています。シベリア海を望む港の食堂で働きながら船を待つ1ヶ月で最初は何もできなかったサーニャが仕事を覚え逞しくなっていく描写はほんうに見事でした。そしてなんとか船=ノルゲ号に乗り込んでからも自分にできることを勉強して役に立っていく姿が描かれています。ノルゲ号のルンド艦長や弟ラルソン、少年水兵カッチなどどのキャラクターも魅力的です。
なにより素晴らしいのは船が流氷を砕きながら進んでいく過程の描写がすごくリアルです。もちろんアニメならではの嘘もあるでしょうがおそらくちゃんと調べて作っているんでしょうね、見ていていろいろと感心することが多かったです。
14歳の少女サーシャが目標に向かって困難な旅をしながら成長していく姿を描いた素晴らしいエンターテイメント作品になっていてほんとうにおもしろかったです。特にノルゲ号を捨てて過酷な陸路を旅しダバイ号にたどり着く映画のクライマックスからエンディングにかけてもすごく私好みの演出でした。サーニャの帰還をエンディングと並行して数枚の映像で見せるというありがちな手法ですが感動的でした。
こういう考えて作られた映画として完成されたすばらしいアニメを見ているとなんかほんとラノベや漫画原作の無数の最近の深夜アニメが情けなくなってきてしまいます。

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映画のパンフレットです。B5版横開き28Pで700円です。いやこの手の上映方法なのでチラシやパンフがあるのかどうか不安だったのですがちゃんとあって良かったです(笑)。

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隠れた名作的な扱いなので世界各誌の評や故高畑勲監督の応援スピーチなどの記事にページを割いてはいますが

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ちゃんとメイキング的なこともいろいろと紹介されていています。レミ・シャイエ監督のインタビューではホルスなど東映動画作品について聞かれ日本のアニメ作品に多くのことを学んだそして高畑監督と会って話ができたことは光栄だったと語っています。

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当然、劇場グッズなんてないのですがなぜかクリアファイルが売っていたので買いました。なんと200円でした(笑)。

とにかくこの映画を見ることができてよかったと思いました。















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