外務省は、今頃安倍首相から「なぜトランプ大統領が北朝鮮の指導者と会うという情報を事前に取れなかったんだ」と猛烈な雷を落とされているはずだ。完全な肩透かし外交は、我が国がいかに他国から軽視されているかをはっきり示している。外交の世界にあるのは
日本ではトランプが日米安保条約について不満を漏らしたというニュースが流れている。欧州でも米国がNATO(北大西洋条約機構)への関与を減らすかもしれないという観測がある。この問題について去年書いた原稿です。ーーーーーーーーーーーーートランプ対
最近日本の新聞を読んでいると、憂鬱になる。就職氷河期を経たロストジェネレーション210万人。中高年ワーキングプア180万人。中高年引きこもり61万人。公的債務はGDPの200%を超えている。戦後奇跡の経済復興を遂げた日独間で、なぜこれほど大きな差が出
今回のイラン危機で目を離せないのがイスラエルの動きだ。同国にはベギン・ドクトリンという戦略がある。それは敵国が核兵器の開発を始めた場合に、先制攻撃によって核開発を阻止するというものだ。実際イスラエルは、過去にイラクとシリアで建設中だった核施
ドイツ時間で金曜日の未明、つまり我々がすやすや眠っていた頃、中東海域に展開する米軍艦船の艦橋や、イラン上空にさしかかっていた戦闘機パイロットたちのヘッドフォンには「Abort !(攻撃中止)」の命令が響き渡っていた。トランプ大統領がイラン攻撃開始
90年代にコール政権のブリューム労働大臣が「独の公的年金は絶対に安全」と断言したことがある。私は信用しなかった。少子化と高齢化が進む社会で年金の安全を保証できるわけがない。事実独政府は多額の税金を投入して公的年金を補填している。だから極東でも
ドイツはロシアのウクライナ、中東などでの強硬な政策を批判する一方、ロシアからのエネルギーに大きく依存するという矛盾を抱えています。今年2月に書いた原稿です。ーーーーーーーーーーー露からのガスパイプラインノルトストリーム2をめぐる激論 ロシア
安倍政権はロシアとの平和条約について6月末までに合意することを断念した模様だ。以下の原稿は、2016年に公表したものである。欧州の地政学的情勢を見れば、プーチンが国内での支持率を下げてまで、他国に1ミリたりとも領土や主権を返還する気がないこ
パリ地下鉄・スリ集団との戦い 5月10日の夕刻、私はパリのある駅で地下鉄(メトロ)7号線を待っていた。するとプラットフォームで男の叫び声がした。その方向を見ると、10歳くらいの黒髪の女の子が4人、早足で私の方へ近づいてきた。みな黒っぽい服を
14年ぶりの米国はとても勉強になりました。2週間でアラバマ州、ジョージア州、サウスカロライナ州を回りました。NHKのワシントン特派員だった時も、行ったことのない州でした。正直なところ、ドイツに帰ってきてほっとしました。ある米国の射撃のコーチつ
今年はベルリンの壁崩壊、そして東欧連鎖革命から30年です。ソ連による支配から脱して民主化されたはずの東欧諸国では、右傾化とポピュリストの台頭が進んでいます。集英社の依頼でイミダスにレポートを書きました。80年代に歩き回った欧州を思い出しなが