これまでドイツの知識人やビジネスマンの中には、英国を尊敬している人が多かった。英国ファンも多かった。しかしBREXITをめぐる政府と議会の3ヶ月にわたる混乱を見て、ドイツの論壇では「議会制民主主義の鑑イギリスは、政治的混沌、妥協の姿勢の欠如、近視
昨年書いた原稿です。ーーーーーーーーーー中ロ、合同軍事演習の「蜜月」演出で日米を牽制 ロシア軍は今年9月11日から6日間にわたり、シベリアと極東地域で中国、モンゴルとともに大規模な軍事演習「ボストーク2018」を実施した。この演習の狙いはロ
去年書いた原稿です。イスラエル対イラン 日本のメディアは大きく報道していないが、いま中東で緊張が高まっている。その台風の目は、イスラエルとイランだ。欧米の安全保障関係者たちは、イスラエル北部の状況を注視している。 内戦で混乱が続くシリア西部
1990年以来、約30年ドイツから日本へ原稿を送っていますが、この30年間のコミュニケーションの発達は、本当に素晴らしかったです。30年前にはワープロで打った原稿を郵便で送るか、ファックスで送っていました。イラストは全て郵送なので締め切り日の1週間前
残念なことに中東で再び大量の血が流される。明日ガザ地区では住民が大規模なデモを予定している。ハマスは先日イスラエルへのロケット攻撃で住宅を破壊し、7人を負傷させた。4月9日に選挙を控えたイスラエルのネタニヤフ首相は強硬な態度を取るだろう。イス
英国議会下院でBREXITの形式に関する6つの動議が議員から提出され、討論が行われている。今日行われる採決は、「indicative vote」と呼ばれて、どの離脱形式が過半数を取れそうかについて、傾向を探るためのもの。決議としての拘束力はない。しかし特定の離脱
中国は良い意味でも悪い意味でも元気が良い国だ。現在長江に建設中の白鶴灘水力発電所の設備容量はなんと16GW。三峡ダムと合わせると、39GWになり、ドイツの全ての褐炭・石炭火力発電所の設備容量(43GW)に匹敵する。しかも、白鶴灘、三峡の他にあと2ヶ
当初の予定では英国はあと3日後つまり3月29日にEUを離脱するはずだった。それなのに英国では何も決まっていない。昨日の採決以降、メイ首相は主導権を失い議会の混沌はさらに深刻になっている。4月12日まで延びたとはいえ、心配になる。メイ首相が辞任しても
講演を行うと、色々な経験ができて楽しい。去年日本のある大学の依頼で講演を行った。毎年約20回講演を行うが、最後列の聴講者が堂々と机にうつぶせになって眠っていたのは、この大学での講演だけ。この大学に講演料の支払調書の送付をお願いしていたが届かな
2010年から続いたドイツの好景気についに陰りが見え始めた。政府の経済諮問委員会は、2018年には1.5%だった経済成長率を、2019年については0.8%に引き下げ。米中間の貿易紛争だけではなく、製造キャパシティ、労働力の不足も原因。BMWは10年ぶりに配当を
EUサミットに参加したある人からは「メイ首相が本気で合意なしBREXITの可能性について語っていたのでびっくりした」という声が。EUも英国政府も最後まで圧力を緩めない、チキンゲーム。来週英国下院が、これまで2度否決された条約案を承認する可能性は極めて
欧州対EU、土俵際のギリギリの対決。EUは延期を受け入れても欧州議会選挙が始まる5月23日の前日までが限度。その理由は、EUを離脱する予定の国が欧州議会選挙に参加すると、欧州議会及びそこで議決された法案の内容の妥当性に疑義が生じるため。EUが機能マ
BREXITをめぐって英国政府とEUが対決姿勢を強めている。メイ首相は昨日、EUに対してBREXITを6月末に延期するよう要請。だがEUは「延期を認めるのは、英国議会下院がBREXIT条約案を承認した場合に限る。延期を認める場合も5月22日(欧州議会選挙の前日)まで」
モザンビーク、マラウィなどを襲った洪水の被災者は100万人を超える。死者・行方不明者数は、現在発表されている千人では終わらないだろう。グレタさんが言うように、地球温暖化に歯止めをかけないと、30年後、40年後の地球はどうなっているかわからない。日
クランプカレンバウアー党首誕生 ドイツの政権党の1つであるキリスト教民主同盟(CDU)は、12月7日の党大会でメルケルの「盟友」アンネグレート・クランプカレンバウアー幹事長(56歳)を新党首に選んだ。CDUは党の方針を急激に右傾化させる道を避
BREXITの当初の予定日まであと10日。英国はいまだにごたついている。メイ首相がBREXIT条約案を再び英国議会下院で採決にかけようとしたところ、議長が「17世紀以来の規則に基づき、内容に大きな変更のない提案の再度の採決は許されない」と横槍。これで、EUサ
2015年1月27日は、アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所をソ連軍が解放してから、ちょうど70年目にあたった。ベルリンでは、この前日に、ナチスによる犠牲者の追悼式典が行われた。 ナチスがポーランドに建設したアウシュビッツ・ビルケナウ強制収
2008年3月18日、ドイツ連邦政府のアンゲラ・メルケル首相は、エルサレムのイスラエル議会(クネセト)で約24分間にわたって演説した。イスラエルが建国60周年を迎えたことに敬意を表わすためである。それまで、ここで演説を許された外国の要人は、
2014年のロシアによるクリミヤ半島併合以来、欧州では東西冷戦の時代のような重苦しい雰囲気が漂っているが、今年2月1日に米国が中距離核戦力全廃条約(INF条約)からの離脱をロシアに通告したことは、その感をさらに強くした。 1987年に米ソが
16歳の環境活動家グレタさんは、政治家になる素質がある。彼女の言葉には、説得力がある。この講演は聞く価値がある。それは、彼女が地球温暖化をめぐる議論の最大のアキレス腱(議論が議論に終始し、行動を伴わない点)を鋭く突いているからだ。欧州の激しい
福島事故は、チェルノブイリ事故と同等の「レベル7」の重大事故だった。日本は、西側の先進工業国としては最悪の原子炉事故を体験しても、原発を使い続ける。これに対しドイツは、自国で事故が起きたわけではないのに、福島事故を教訓として、原発全廃を決
スウェーデンの16歳の生徒グレタ・トゥンベルグさんが1人で始めた「地球温暖化防止のための生徒ストライキ」は世界中に広がり、今日も欧州、米国から東京などアジアで生徒たちが学校をさぼって「金曜スト」に参加した。グレタさんはドイツではスター並みの人
EU、英国政府、議会の迷走は続く。1月15日・メイ首相のBREXIT条約案否決。3月12日・メイ首相のBREXIT条約修正案否決。3月13日・合意なしBREXIT否決。3月14日・BREXIT延期動議可決。来週・メイ首相のBREXIT条約案を再度採決。3月20日・EUサミットでBREXIT延期
2014年以降ドイツの言論界では、安倍政権が原発再稼働への道を歩み始めたことについて、強い疑問の声が聞かれるようになった。 革新的な色彩が強い週刊新聞「ディ・ツァイト」のフェリックス・リル記者は、2014年10月5日の電子版で「日本では、
メイ首相のBREXIT条約修正案が、今夜英国下院で否決された。明日は「合意なし離脱を認めるか否か」について採決が行われる。これは確実に否決される。その場合、木曜日に「EUにBREXIT延期を申請するか否か」について採決が行われる。あと15日でEUと英国が合意
東京の首相官邸や国会周辺で行われている反原発デモについては、ドイツのメディアもしばしば伝えている。反原発首都連合によると、2012年3月11日のデモでは、参加者の数が1万4000人に達した。外国で見ていても、こと東京に関しては、反原発運動の
メルケルが原子力擁護派から原子力批判派に転向した理由は、二つある。一つは、物理学者としての倫理的、人道的な判断。もう一つは、プロの政治家としての冷徹な計算である。彼女は、「福島事故以降も保守政党が原子力の使用に固執していたら、支持率が下がり
アンゲラ・メルケル首相は、なぜ福島事故をきっかけに、原子力擁護派から反対派に「転向」したのか。その背景を理解する上で鍵となるのが、彼女が2011年6月9日に連邦議会で行なった演説である。この演説には、彼女の福島事故や原子力のリスクに対する見
数年前に書いた原稿です。元気を盛り返すドイツの地域電力・シュタットヴェルケ 日独の電力市場の最も大きな違いの一つは、ドイツには約1000社の電力販売会社があるということだ。その内の約85%は、シュタットヴェルケと呼ばれる地域電力会社である。
日本には、外国についての情報・分析に接したいと思っているビジネスマンが少なからずいる。彼らは日本のメディアが外国についての情報を十分に伝えないことに不満を抱いている。ある人が「日本のメディアは、あなたのような視点ではこの問題を取り上げません