今日のミュンヘンは、「黄金の秋」という言葉そのものの素晴らしい快晴。ジョギングしながら、風景を記録する。逆光と水面、そして木々の色づく葉が織りなす交響楽。
(ちなみに日本では多くの人がドイツのメルケル首相とプーチンは仲が良いと信じているようだが、これは誤解である。むしろ、2人は仲が悪い。メルケルは東ドイツで育ったが、多くの東ドイツ人は「占領国」であるソ連に反感を抱いていた。メルケルはモスクワを
私がドイツに26年も住んでいる理由の一つは、この国では日本に比べて時間がスローに流れるので、本を読む時間を作れるということだ。現在は、ドイツの歴史学者ニコラウス・ヴァックスマンの1000頁の大作「KL」を読んでいる。ドイツには強制収容所に関
Die japanische Regierung hat gegen den Beschluss für den Atomwaffenverbotvertrag in der Vollversammlung der Vereinten Nationen gestimmt. Ich habe diese Nachricht mit Entsetzen und Befremdung aufgenommen. Japan ist das einzige Land, das
国連総会での核禁止条約をめぐる交渉に関する決議で、日本は米国と歩調を揃えて反対した。驚くべきニュースだ。世界でただ一つの被爆国が、核禁止条約に反対するというのは、不可解である。いくら安全保障条約で米国に守ってもらっているからとはいえ、情けな
一方ドイツでは1日10時間を超える労働時間は禁止され、監督官庁が厳しく検査しています。30日間の有給休暇の取得率は100%。しかしドイツの労働生産性は、日本を大きく上回っています。ワーク・ライフ・バランスが充実したドイツから、我々が学べるこ
先日ドイツの高質紙フランクフルター・アルゲマイネ紙(FAZ)が、電通の24歳の女性社員が過重労働のために自殺した問題を、写真入りで大きく取り上げていた。FAZは、ドイツの政界、経済界、学界で最もよく読まれている新聞。つまりドイツ人はこうした記事に
今週は日本及びイスラエルからの訪問者とのミーティングが多かった上、数字との戦いが続いて、ストレスが多い週でしたが、ようやく全て片付き、週末を迎えることができました。皆さんも良い週末をお迎え下さい。写真は私の裏庭、ニュンフェンブルク宮殿です。
ドイツの勤労者は、厳しい労働時間制限(1日に10時間を超える労働は禁止)や、有給休暇取得義務など様々な法律によって、過労死から守られている。この背景には、1970年代から労働組合が経営者団体や政府と粘り強く続けてきた交渉がある。ドイツの労働
メルケルにとって、2017年は正念場になります。「欧州の女帝」の苦悩について、日経ビジネス・オンラインの連載コラムで解説いたしました。お読み頂ければ光栄です。よろしくお願い申し上げます。なおこのメルケルの写真は、私がベルリンで撮影したもので
シリア北西部のアレッポは、トルコとの国境に近い戦略的な要衝である。この町の西半分はシリア政府軍が占拠しているが、東半分にはアサド大統領に対抗する反政府勢力、イスラム主義者の民兵組織などが潜伏。約30万人の市民が包囲下のアレッポに残されている
ドイツの対外諜報機関BND(連邦情報局)の初代長官は、ラインハルト・ゲーレン。彼はドイツ国防軍の情報将校で、「Fremde Heere Ost」というスパイ機関を率いて、主にソ連に対する諜報活動を行っていた。戦後は、その人脈と情報を材料に米軍にすりよって、西ド
ドイツの対外諜報機関BND(連邦情報局)の初代長官は、ラインハルト・ゲーレン。彼はドイツ国防軍の情報将校で、「Fremde Heere Ost」というスパイ機関を率いて、主にソ連に対する諜報活動を行っていた。戦後は、その人脈と情報を材料に米軍にすりよって、西ド
よく「ドイツで長年働くためのコツはなんでしょうか?」と尋ねられます。その時には、こう答えています。「ドイツ人から他人の面前で皮肉を言われたり馬鹿にされたりしても、どこ吹く風という感じで気にしないことです。相手も自分も、あと100年もすれば忘
ドイツではライプチヒという町の3人の母親たちが、「託児所に空きが見つからず、子どもを預けることができなかったために、仕事をする機会を奪われ、経済損害を受けた」として、地方自治体を相手取って損害賠償を求める裁判を起こしていた。今年10月20日
私は1990年にドイツに来てから、東ドイツの秘密警察シュタージについてかなり詳しく取材した。秘密警察の幹部職員、秘密警察に情報を提供していた「非公然職員」にも会ってインタビューを行った。その結果は「ドイツの憂鬱」、「新生ドイツの挑戦」、「顔
フランクフルトでは、今日まで世界最大の書籍見本市が開かれていました。ドイツでも本の売れ行きは伸び悩んでいます。このため主催者は今年、美術を組み合わせることによって、出展者を増やそうとしました。ところで、日本はドイツ同様に毎日200冊の新刊が
欧州の庶民の中には、「株式市場での株価暴落や、金融危機が起こるのではないか」という漠然とした不安を抱いている人が多い。もちろん単なるデマか噂の類だが、こうした不安感も、ドイツやフランスの右派ポピュリスト政党にとっては、追い風となっている。勿
ドイツでは、フォルクスワーゲンやBMW、ドイツ銀行など多くの大手企業が、資料室を歴史学者に公開し、これらの会社が戦前、戦中にナチスに協力していた事実を書籍として世間に公表している。大手企業の間では、そうした態度を取り「過去との対決」を行うこと
ミュンヘンの市庁舎に近い広場に、ベージュ色の石造りの建物がある。2007年に建設されたオヘル・ヤコブ・シナゴーグ(ユダヤ人の礼拝所)である。高さ28メートルの堂々とした建物は、エルサレムの嘆きの壁を思い起こさせる。先日ミュンヘンのユダヤ人
集英社のイミダス電子版に、「EUは死んだのか?」という論文を発表いたしました。もしもお読み頂ければ幸いです。http://imidas.jp/opinion/D-40-113-16-10-G423.htmlhttp://imidas.jp/opinion/D-40-114-16-10-G423.html
ドイツの不動産バブルは拡大を続けている。フランクフルトでは、マンションの1平方メートルあたりの購入価格が1年間で29.6%も上昇して平均3500ユーロになった。BREXITの影響で、多くの銀行員たちがロンドンからフランクフルトに引っ越し、不動産需
最近、毎日新聞社の週刊エコノミスト誌の元気が良い。8月23日号では、日本のタブーの1つ「電通」について31頁の大特集を掲載。同社が日本経済だけではなく、メディアの首根っこを押さえている事実を暴露した。24歳の女性社員の過労自殺が大きく報道さ
最近ドイツでは、ブロックチェーンに関する報道が急増している。まだ実験段階だが、この技術が普及した場合、金融サービス業界で働く人の数は激減するだろう。お金のやり取りをするために、コンピューターのコードさえあれば良いのだから。銀行も、証券会社も
ドイツには、「Reichsbürger(帝国市民)」と名乗る奇妙な人々がいる。彼らはドイツ第三帝国が第二次世界大戦末期に崩壊したことを信じず、現在のドイツ連邦政府はフランクフルトに本拠を持つ偽の政府だと思い込んでいる。ナチスと同じく極右思想を持ち
英国のEU離脱は、難民危機と密接に連動している。2015年夏以降、シリアなどから100万人を超える難民がヨーロッパに流れ込んだ。ドイツのメルケル首相は、2015年9月に、ハンガリーなどで足止めを食っていたシリア難民の受け入れを発表した時、事
常識では、銀行に預金すると利子がつく。だがドイツでは、最近預金をすると客から利子を取る銀行が増えてきた。欧州中央銀行の低金利政策のためである。銀行の伝統的なビジネスモデルは、崩壊したというべきだろう。かつて「欧州銀行界の雄」と言われたドイツ
読者の皆さんの中には、「なぜ英国民は、経済的には不利な材料が多いEU離脱の道を選んだのか」と不思議に思われる方が多いのではないか。この背景には、1989年のベルリンの壁崩壊以来、庶民不在で欧州の政治・経済統合を進めてきたEUに対する、市民の強
昨日はミュンヘンの講演会場で日本企業の皆さんとお話をする機会がありましたが、みなさんドイツ人社員の扱いには、ほとほと手を焼いておられるようですね。郷に入れば郷に従えとはいえ、毎日が文化の衝突かも。異文化圏で働くということは、ことほど左様に大