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2021年03月02日13:57

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核のゴミに頭を悩ませるドイツ

2020年10月に書いた記事です。

 日本では北海道のいくつかの市町村が、放射性廃棄物の処分場を誘致したいとして名乗りを上げた。ドイツでも高レベル放射性廃棄物の最終貯蔵処分場の選定作業が進んでいる。
 9月28日にドイツ連邦政府は、高レベル放射性廃棄物の最終貯蔵処分場の建設可能地域として、地質の観点から地域90ヶ所を選んで公表した。
 政府が所有・経営する「最終貯蔵処分場会社」(BGE)は、国土の54%に相当する約19万平方キロメートルの地域を、「処分場の建設に適した地質を持つ」としてウエブサイト上で公開した。これらの地域の地質は74ヶ所が岩塩、9ヶ所が粘土、7ヶ所が花崗岩となっている。
 BGEはこれらの地域から候補地を選び、2031年までに建設地を決定する。そして2050年までに使用済み核燃料などの搬入を開始する予定だ。
 BGEによると処分場は地下約300メートルの場所に建設され、100万年間使用できることが条件である。100万年というと気が遠くなるような歳月だ。これほど長い期間にわたる使用が想定されている理由は、セシウムやウランの半減期が非常に長いからである。候補地の決定過程は住民に公聴会などを通じて公開され、建設地は連邦議会での議決で選ばれる。
 最も建設可能地の面積が大きいのが南部のバイエルン州だが、同州のゼーダ―首相は「地質学的に我々の地域は処分場の建設に適していない」と主張する。バイエルン州は現在も原発を運転しているが、最終貯蔵処分場が同州に作られることには反対している。環境団体は「責任のがれだ」と批判している。
 どの場所が候補地として選ばれても、地元住民から激しい反対の声が上がることは必至だ。
 ところで西ドイツのシュミット政権が1977年に最終貯蔵処分場の候補地として選び、23年間にわたって調査が行われたニーダーザクセン州の岩塩坑ゴアレーベンは、今回建設可能地として選ばれなかった。BGEはその理由について「地質と地下水の状況が適していない。これは政治的な理由ではなく、純粋に地学的な決定だ」と説明している。
 ゴアレーベンでの選定については、農民や環境団体が激しい抗議運動を繰り広げた。当時シュミット政権がゴアレーベンを選んだ理由は、現在まで明らかにされていないが、東ドイツとの国境に近い遠隔地だったことが1つの理由だったと言われている。約半世紀前の政府の決定は、今日の科学的知見に照らすと誤っていたことになる。

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