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2020年09月28日13:07

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Corona

今年7月に書いた記事です。

コロナ危機・アジアに学ぶ欧州

 ドイツでは今年5月以来、商店や公共交通機関など公共の場所でマスクを着けていないと、150ユーロ(1万8000円・1ユーロ=120円換算)の罰金を取られる。
 公共の場所でのマスク着用義務は、フランスや英国でも導入された。2020年3月に欧州でコロナ危機が勃発するまで、この地域にはマスクを着ける習慣はなかった。私はかつてドイツで冬にジョギングする時に、喉を寒気から守るためにマスクを着けて走っていたが、通りかかるドイツ人たちは私を奇妙な目で見ていた。コロナ前の欧州では、マスクを着けていると病人のように見られたのだ。
 日本のように、インフルエンザが流行する時期にマスクを着けて外出するという習慣は、欧州にはなかった。ドイツのウイルス学者の間でも、当初マスクの効果を疑問視する声が出ていた。
 だが今やドイツを初めとして欧州の町では、マスクを着けて歩く市民を多く見かける。先日、ミュンヘンの由緒あるオーダーメイドの紳士服の店で、マスクが売られているのを見た。ドイツの公共放送局ARDが7月に行ったアンケートによると、回答者の80%が「マスクを着けることは必要だ」と答えている。
 7月24日には、ドイツ連邦健康大臣と、16の州政府の健康大臣が、夏休みに新型コロナウイルス汚染地域から帰国した旅行者に対し、ドイツの空港で任意のPCR検査を実施する方針を打ち出した。希望する旅行者は、無料で検査を受けられる。その理由は、保健当局者の間で、「外国でバカンスを過ごした旅行者が、ドイツに新型コロナウイルスを持ち込み、秋の第2波につながるのではないか」という危惧が強まっているからだ。
 日本では、外国から到着した旅客に対するPCR検査はずいぶん以前から義務化されている。ドイツの健康大臣たちの決定は、任意とはいえ、日本がすでに実施している水際対策に通じるものがある。
 パンデミックはグローバルな同時多発的危機である。したがって自国の状況を見ているだけでは不十分だ。国際的な視野を持った方が、自国の政府の措置が妥当であるかどうかが、浮かび上がって来る。
 その意味で、欧州諸国が日本などアジアの国々から学べること、アジアの国々がドイツから学べることも、まだ色々あると思う。

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