欧州コロナ通信 第258回 2020年5月30日
シャリテ病院のドロステン教授は、5月26日の北ドイツ放送との1時間にわたるインタビュー(コロナウイルス・アップデート)の中で、罰則付きのロックダウンなしに、クラスターの割り出しと接触者の隔離によって、感染者数を減らすことに成功した日本の例を紹介。
ドイツでも将来は、教会や労働者の宿泊施設、介護施設、郵便局の配送センターなどでクラスターが発生した場合に、症状の有無にかかわらず全員を隔離して、PCR検査を実施することを検討するべきだと語った。
つまり、「1人で10人以上に感染させるスーパースプレッダーがいるかどうか」というテーマに焦点を合わせた防疫対策だ。
スーパースプレッダーは、2002年に中国・香港・カナダで広がった第1次SARSでも、感染拡大の原因の一つとなった。
またドロステンは、現在医学界ではエアロゾル感染が新型コロナウイルスの感染の仕方の中で最も重要という見方が強まっていると指摘。
また彼はある医学論文を引用して、屋内で感染するリスクは、屋外に比べて10倍以上高いと語った。したがって彼は、レストランの屋外のテラスなどで食事をする場合、感染リスクはかなり低くなるという見方を示した。
公共交通機関の中では、換気つまり空気の流れをつくることが重要と語った。ベルリンの古い地下鉄の車両では空気の流れが少ないので、少し心配だそうだ。
彼はベルリンで、毎日自転車をこいで職場に通勤している。
ちなみに彼は今週のシュピーゲル誌のカバーストーリーとなった。
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