欧州コロナ通信 82
4月8日・水曜日
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ドイツ政府は4月4日から、ミュンヘン市民4500人を対象に、抗体検査を開始した。
無作為抽出した市民の自宅を保健所職員と警察官が訪れて、血液を採取する。
その目的は、市民の何%が、自覚なしにウイルスに感染して、無症状又は軽い症状で治癒し、抗体(Antikörper)を持っているかを調べることだ。
私が住むミュンヘンは、感染者が約3000人と、ドイツの市町村の中で最も多い。しかも、感染経路不明のケースがほとんどなので、調査地域としては理想的なのだろう。
抗体を持つ市民は、感染リスクはゼロに近いと思われるので、仕事に戻れる可能性が強い。
そうすれば、経済活動の部分的な再開も可能になるかもしれない。
つまりこの抗体検査は、約2週間前からロックダウンされ、経済損害額が日に日に増えているドイツの「出口戦略」を編み出す上で、極めて重要な作業なのだ。
コロナとの戦争では、データに基づいて政策を決定することが極めて重要だ。
ジョンズホプキンス大学の統計によると、4月8日の時点でドイツでは3万6000人の感染者が「治癒」している。
ミュンヘンの抗体検査の結果が、極めて注目される。
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