Putin

最近プーチンの発言に、ポピュリスト的傾向が強まっている。彼は、ＡｆＤのガウラントやヘッケと同じように、自国の歴史を美化しようとしている。歴史改竄は、ポピュリストの常套手段だ。
　たとえばプーチンは２０１９年１２月１９日にモスクワで行った４時間を超える記者会見で、ソ連が１９３９年にナチス・ドイツと不可侵条約を結んだことを正当化しようとした。彼は「当時、欧州の他の国々もすでにナチスと不可侵条約を結んでいた。ソ連がナチスと不可侵条約を結んだのは、欧州で一番最後だった」という主張を、約１９００人の国内外からのジャーナリストの前で堂々と行った。
　彼は２０１４年にも歴史家たちの懇談会で「ソ連が当時ドイツと戦いたくないと考えたことの、どこが悪いのか。真剣に歴史を研究すれば、独ソ不可侵条約のような条約の締結は、当時よく使われた外交手段であることがわかるはずだ」と語っている。
　プーチンはソ連がナチスと不可侵条約を結んだのは、ナチス・ドイツによる攻撃を遅らせ、時間を稼ぐための方策だったと主張しているのだ。歴史上の事実を捻じ曲げ、スターリンのナチスとの結託を矮小化しようとする試みだ。