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2019年12月05日05:47

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Auschwitz

2015年に書いた原稿です。
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敗戦から70年・メルケルの言葉

 2015年1月27日は、アウシュビッツ強制収容所をソ連軍が解放してから70年目にあたった。この前日、アンゲラ・メルケル首相はベルリンで虐殺の犠牲者を追悼する式典に出席した。アウシュビッツでは、ユダヤ人ら約110万人がガス室などで殺された。ナチスは戦争中、600万人のユダヤ人を殺害したと推定されている。
 式典では、アウシュビッツで生き残った2人のお年寄りが、収容所での体験について証言した。その内の1人、エヴァ・ファヒーディ女史(89才)は、1944年5月に家族とともに、家畜を運ぶ貨物列車でアウシュビッツに送られた。彼女は労働者のバラックに入れられたが、母親と当時11才だった妹は直ちにガス室で殺された。
 「アウシュビッツでは、常に遺体を焼く匂いがたちこめ、いつ自分が殺されるかわからないという恐怖と隣り合わせでした」。
 次にメルケル首相が演壇に上った。メルケル氏は「ナチスは、ユダヤ人らに対する虐殺によって、人間の文明を否定しましたが、アウシュビッツはその象徴です。私たちは、恥の気持ちでいっぱいです。なぜならば、何100万人もの人々を殺害したり、その犯罪を見て見ぬふりをしたりしたのは、ドイツ人だったからです」と述べた。
 そして会場の最前列に座ったファヒーディ氏を見つめながら、「あなたは渾身の力を振り絞って、収容所でのつらい体験を語ってくれました。そのことに心から感謝したいと思います。なぜならば、私たちドイツ人は、過去を忘れてはならないからです。私たちは、数100万人の犠牲者のために、過去を記憶していく責任があります」と語った。
 メルケル氏は1月にフランスで起きたテロ事件にも言及し「パリでは、イスラム過激派が、風刺画家やスーパーで買い物をしていたユダヤ人たちを殺害しました。これは狂信主義の結果を明確に示しています」と指摘。反ユダヤ主義など、あらゆる差別に反対する姿勢を強調した。
 そして「ナチス時代の犯罪と批判的に対決すれば、将来我々の尊厳や価値観を奪おうとする勢力に対抗する力を身につけることができます」と述べ、過去との対決は、今日でも重要な意味を持っていると語った。
 首相の言葉は、ドイツが歴史との対決を今後も続けるという固い決意をはっきりと示したものである。

 


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