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2019年09月29日15:56

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CO2

今年5月に書いた記事です。
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ドイツ市民の間でCO2排出量計算が流行する背景に、気候変動への強い危機感


 欧州では地球温暖化や気候変動についての市民の関心が強まっているが、ドイツ市民の間では政府や環境団体がネット上に発表している質問票を使って、自分の生活が排出する二酸化炭素(CO2)の量を計算するのが流行している。市民ひとりひとりが地球温暖化にどう対処するかを学ぶための教材として注目されている。

 「二酸化炭素(CO2)の排出量を計算してみた?」「計算したよ。意外と多かったので、びっくりしちゃった」。今年に入ってドイツの家庭や社員食堂では、市民の間でこんな会話がよく聞かれる。
 ドイツ連邦環境局(UBA)やバーデン・ヴュルテンベルク州環境省、自然保護団体「ネーチャーファンド」などがウエブサイト上に公開しているCO2計算ページを使って、自分の生活から毎年排出されるCO2の量を計算する市民が増えている。
 私もUBAのページで自分のCO2フットプリント(足跡)を計算してみた。この作業はあまり簡単ではない。CO2バランスを計算するには、様々なデータを入力しなくてはならないからだ。
 UBAはCO2排出源を暖房、電力、モビリティ、食生活、消費など6項目に分けている。たとえば電力については、再生可能エネルギーだけを使った電力を買っていればCO2排出量はゼロになるが、石炭や褐炭火力発電による電力を使っていると、CO2排出量が増える。私は電力会社から送られてきた2018年の電力消費量約2280キロワット時(KW時)を入力した。私が使っている電力会社イエローでは、再生可能エネルギーの発電比率が57%、褐炭・石炭が21.2%、原子力が17.4%。同社の再生可能エネルギーの発電比率は、全国平均(約33%)よりも高い。ドイツの電力会社が1KW時を発電するために排出するCO2の量は435グラムだが、イエローは205グラムで、53%少ない。また屋根に太陽光発電パネルを持っている消費者は、発電量とその内自宅で消費する電力量を打ち込む。
 暖房の項目では、家族の人数や1年間の暖房の使用量、アパートもしくは家が建てられた時期を入力しなくてはならない。21世紀に建てられたアパートに住み、スチームの地域暖房を使っている人はCO2排出量が少なくなるが、灯油の暖房を使う一戸建ての家に住んでいる人はCO2排出量が多くなる。21世紀に入ってから建てられたアパートでは、第二次世界大戦前に建てられたアパートに比べると密閉性が高いので、暖房効率もはるかに良い。したがってCO2排出量も比較的低くなる。
 UBAの計算ページで重要なのが、モビリティつまり交通に関するデータだ。電気自動車に乗っている市民は内燃機関の車を使う人よりも、CO2排出量は少ない。私は中古のガソリン車に乗っているので、1年間の走行距離と燃費を入力した。公共交通機関を使う距離も入力しなくてはならない。さらに毎年の飛行機の搭乗時間、飛行機の利用が欧州域内だけか、それとも欧州・アジア間などの長距離便かについての質問もある。
 温室効果ガスを出すのは交通機関だけではない。菜食主義者であるか、もしくは肉を食べるかどうかについての質問もある。これは牛などの家畜が温室効果ガスを排出するからだ。また購入する食品が住んでいる地域の近くで生産された物か、遠隔地で作られた物かという質問がある。地産地消型の消費生活は、輸送のために出るCO2が少なくなるからだ。さらに冷凍食品をよく食べるかどうかについての質問もある。冷蔵庫の電力消費量を左右するからだ。
 また、毎月の消費にいくら支出するかも入力しなくてはならない。製品を作る過程でCO2が排出されることから、ショッピングが好きで消費支出が多い市民も、CO2排出量も多いと見なされる。
 さてUBAによると、ドイツ人の生活によって1年あたりに排出されるCO2は、平均11.6トン。私の場合は16.1トンで平均を39%も上回ってしまった。
 暖房や電力、食生活からのCO2はドイツの平均値よりも低いのだが、交通に関するCO2排出量がずば抜けて多くなってしまった。その理由は、仕事の関係で日独間を往復するなど飛行機に乗る頻度が高いからだ。
 地球温暖化に抗議して金曜日に授業をボイコットするストライキを始めたスウェーデンの高校生グレタ・トゥンベルリさんの一家は、両親も含めて飛行機には全く乗らず菜食主義に切り替えた。ドイツでは「CO2排出量を減らすために、市民が飛行機に乗る回数は1年あたり3回に限るべきだ」とか「発電所だけではなく、飛行機や自動車からのCO2についても排出権の価格を設定するべきだ」と主張する人もいる。








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