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2019年03月20日14:59

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AKK

クランプカレンバウアー党首誕生

 ドイツの政権党の1つであるキリスト教民主同盟(CDU)は、12月7日の党大会でメルケルの「盟友」アンネグレート・クランプカレンバウアー幹事長(56歳)を新党首に選んだ。CDUは党の方針を急激に右傾化させる道を避け、メルケル路線の継承を望んだのだ。だが同氏の得票率はCDU党首選の歴史で最低だった。この事実は、メルケル派と反メルケル派の間の亀裂の深さを示した。
 クランプカレンバウアー氏は保守派が推すフリードリッヒ・メルツ元院内総務、イェンツ・シュパーン健康大臣との最初の投票では過半数を取ることができなかった。このためメルツとの決選投票が行われたが、クランプカレンバウアーの得票率はわずか51.8%で、メルツの48.2%に対しわずか3.6ポイントの差をつけただけだった。つまりクランプカレンバウアーは代議員の全幅の信頼を受けて党首になったわけではない。
 彼女は涙をぬぐいながら党員たちに「我々はヨーロッパで生き残った最後の伝統政党だ。我々は勇気を出して市民と語り合い、彼らの期待に応えていこう。そのためには団結する必要がある」と呼びかけた。
 クランプカレンバウアーはメルケルの難民政策を支持する数少ない政治家の1人だ。彼女は今年2月に首相によってCDU幹事長に指名され、党内の選挙で約99%の高得票率を得て幹事長に選ばれた。
 メルケルは党首のポストからは退くものの、2021年まで続く首相の任期は全うする方針だ。CDUで異なる人物が党首と首相を務めることは異例だが、自分が幹事長に抜擢した人物が党首になったことは、メルケルにとってスムーズな政策運営を可能にする。仮に2021年の連邦議会選挙でクランプカレンバウアーが首相になれば、人権を重視するメルケルの政策が引き継がれる可能性が強い。
 新体制の真価は、2019年の数々の選挙で問われる。欧州議会選挙だけでなく、旧東ドイツでも重要な地方議会選挙が控えている。これらの選挙でCDUが引き続き得票率を減らした場合、新党首への批判が強まることは必至だ。 確かに、メルケルと親しい党首が率いるCDUが、右翼政党AfDに奪われた保守的な有権者たちを取り戻すことができるかどうかは、未知数である。クランプカレンバウアー氏はCDUへの支持率を高めることができるだろうか?新党首の今後の道程は険しい。
(文と絵・熊谷 徹 ミュンヘン在住)ホームページ http://www.tkumagai.de


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