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2019年01月14日00:32

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ヨーロッパの言語


 ミュンヘンの朝。路線バスに乗り込む。ドイツ語だけではなく、ギリシャ語、トルコ語、イタリア語、ロシア語など様々な言語が飛び交っている。日本とドイツの最も大きな違いの1つは、言語の多様性だろう。バスの運転手が交代する時の会話を聞くと、運転手の中にポーランド人やギリシャ人が多いことに気がつく。日本では、公共交通機関の中でこれほど様々な言語を耳にすることはない。ヨーロッパに住んでいる人たちは、外見だけからではどの国の出身かわからない。しかし同じ国の出身者同士が母国語で話し合っているのを聞くと、彼らが移民もしくはその子どもであることがわかる。
私が住んでいるミュンヘンでは、外国人の比率が特に高い。2016年末の時点で、ミュンヘンの人口の中で、外国人とドイツに帰化した「元外国人」が占める比率は、43.2%に達する。しかも外国人および外国系ドイツ人の数は、年々増える傾向にある。またドイツ全体で見ても、外国人および帰化した外国人の比率は22.5%にのぼる。その数は1860万人で、過去最高である。
ドイツは日本と違って10か国と国境を接しているので、人の移動が容易だ。さらに、ドイツでは2010年のリーマンショック以降、未曽有の好景気が続いているので、ITエンジニアや機械工などを中心に、深刻な人手不足状態にある。ドイツ人だけでは足らないので、中東欧やインド、中国などから高学歴の移民を積極的に採用しているのだ。
私はドイツ語の他に英語とフランス語も話すが、欧州で働くにはこれだけでは足らない。スペイン語やイタリア語、それに東欧の言葉も重要だ。ドイツ人の大卒者の間では、ドイツ語の他に3か国語くらい話せる人は珍しくない。彼らは学校でギリシャ語やラテン語を学ぶので、欧州の言語の基礎を身につけている。語学というのは面白いもので、2ヶ国語、3ヶ国語と学んでいく内に、次の言語をマスターするのが速くなる。それは、文法や語彙、発音に共通点があるからだ。たとえば英語とフランス語の発音は大きく異なるが、語彙には共通点が多い。またドイツ語とフランス語の語彙や文法は大きく異なるが、発音には共通する点がある。(たとえばRの発音)
他の言語を話せると、世界が広がる。自国文化の良さも理解できる。読者の皆さんにも1つでも多くの外国語の習得をお勧めしたい。
(熊谷 徹 ミュンヘン在住)ホームページ http://www.tkumagai.de
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