mixiユーザー(id:6002189)

2018年12月17日14:34

308 view

ガスパイプラインで米独対立



 ロシアからドイツへ直接天然ガスを送るパイプライン「ノルトストリームII」をめぐり、トランプ大統領のドイツへの風当たりが強くなっている。
 彼は7月11日から2日間にわたり、ブリュッセルで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した際に、「ドイツは防衛費を十分に負担せず、米国に守られる一方で、米国に対して巨額の貿易黒字を抱えている。さらにロシアから直接天然ガスを輸入するためのパイプライン『ノルトストリーム2』も建設している。ドイツはロシアの囚人(captive)になっている」と批判した。またトランプは「ドイツはエネルギーの60〜70%をロシアから得ている」と主張した。
 フェイクニュースが得意なトランプらしく、ガス依存度を誇張している。ドイツのガス会社WINGASなどによると、2017年の時点でドイツのガス消費量の内ロシアから輸入しているガスの比率は40%、石油のロシアからの輸入比率は36.9%である。
 ただしドイツがロシアの化石燃料に大きく依存していることは間違いない。ドイツにとって悩みの種は、トランプがノルトストリームIIと防衛支出の問題をリンクさせ始めたことだ。米国は国内総生産(GDP)の3.5%を防衛費にあてているが、ドイツは1.24%にすぎない。「2024年までに対GDP比で2%を達成する」という目標から大きく隔たっている。
 トランプの目標は、米国の液化天然ガス(LNG)のドイツなど西欧諸国への販売量を増やすことだ。しかし米国産LNGは、ロシアからパイプラインで西欧へ送られるガスよりも高く競争力が低い。
 ノルトストリームIIは2019年末までに完成する予定。ガスプロムの他、ドイツのユニパーやBASF・ヴィンタースハル、フランスのアンジーなどが参加している。米国政府は「ロシアの天然ガス関連プロジェクトに参加する企業に対しては制裁措置を取る」という方針を明らかにしている。天然ガスをめぐる米欧間の対立は今後一段とエスカレートするだろう。

6 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する