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2018年12月15日03:10

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ドイツ機械メーカーの誇り(上)


 今年4月、私はバイエルン州東部の古都シュトラウビングを訪れた。この町の東部にある中小機械メーカー、シュトラマMPSに行くためである。
 シュトラマMPSは、自動車メーカーや部品製造企業のための特殊な加工機械や生産ラインを製造している。ヘルベルト・ヴィットル社長は、自分の企業を「特殊機械メーカー」と呼ぶ。彼は、「我が社の強みは、お客様のニーズに合わせて、加工機械や製造ラインをテイラーメイドで作ることです。しかも、我が社は、部品・機械の製造、加工、組み立てから洗浄、検査まで、あらゆるプロセスのための設備を一手に提供することができるので、お客様は大幅に手間を省けるのです」と語った。エンジニア不足に悩んでいる自動車メーカーや部品メーカーにとっては、特定の作業工程を、高いノウハウを持つシュトラマMPSに任せられるという利点がある。
 ドイツでは中小企業はミッテルシュタントと呼ばれる。ミッテルシュタントはドイツの産業界の大黒柱だ。ドイツのKMUの数は345万社。これはドイツの全企業数の99.6%に相当する。つまりドイツ企業の大半は、中小企業なのである。これは日本の企業構造と非常によく似ている。
また中小企業は、雇用の面でも大きな役割を担っている。2015年にKMUで働いていた市民の数は1685万人だったが、これはドイツ企業で雇用されている市民の58.5%に相当する。さらに機械工などになるために、ドイツ企業で見習い社員、研修生として働いていた若者の81.8%は、KMUで働いていた。
 1946年にアルフレート・ミヒャエリという技師が1人で興したシュトラマMPSは、現在ドイツだけで950人の従業員を持つ企業に成長した。年間売上高は1億ユーロ(130億円)を超えている。ヴィットル社長は、成功の理由について「我が社は、かつて自動車部品の組み立てだけを行う下請け企業でした。しかし20年前からは、エンジニアリングとイノベーションを重視して、独自の技術開発を行うようになりました。これが、高度な付加価値を生む企業に発展できた理由です」と説明する。最近では、大手自動車メーカーが始めている「モビリティ転換」の動きを反映して、電気自動車の部品の製造ラインについての注文も増えている。(続く)
(熊谷 徹 ミュンヘン在住)ホームページ http://www.tkumagai.de


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