mixiユーザー(id:6002189)

2016年05月24日13:02

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谷崎潤一郎

私は谷崎潤一郎の小説が大好きである。最高傑作は「細雪」だと思う。今、また読み返している。(5度目)蒔崗家の家族が京都へ花見に出かけるくだりは、本当に美しい。船場の豪商の一家が時代とともに、斜陽の色を濃くしていく所にも、「滅び」の美学が感じられる。昨日は神戸と阪神間を襲った「阪神大水害」のくだりにさしかかったが、他の部分と違って緊迫感とスリルに満ちた筆致に思わず引き込まれた。東京の人間でありながら、これだけ美しい関西弁で豪華な小説を書ける筆力に脱帽。ひたひたと迫る戦争の足音が通奏低音になっている所にも、注目。
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