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2015年03月06日15:27

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ビール祭の猛者

ビール祭の猛者

 ミュンヘンでは、2014年も9月末から約2週間にわたって、世界最大のビール祭・オクトーバーフェストが開かれた。人口145万人の町に600万人を超える市民が訪れ、 1リットルのジョッキで約700万杯のビールを飲み干した。最も大きい「ホーフブロイ・ハウス」のテントには、1万人が座れる。

 さて私の知り合いのミュンヘンっ子B氏は、大のオクトーバーフェスト・ファン。学生の頃に、ビール祭の会場で一晩に1リットルのジョッキを11杯飲んだことがある。これまで私が知っていた最高記録は、一晩で7杯飲んだ英国人だったので、B氏は記録を更新した。

 20年以上もオクトーバーフェストに通い続けている彼は、あるテントのウエイトレスと馴染みになっている。 テントが満員でベンチに座れない時でも、知り合いのウエイトレスに頼んで、座れる場所を見つけてもらう。 地元っ子ならではの「裏技」だ。

 こんなテクニックもある。午後4時過ぎにはビール・テントの入り口にガードマンがいて、なかなか入場できない。こういう時には、先に入っている友人がB氏にどの会社がボックス席を予約しているかをメールで連絡する。B氏がガードマンに会社の名前を言うと、たいてい入場できる。ただし切符やリボンを見せないと入場できないテントでは、この技は通用しない。

 ビールを運ぶウエイトレスの2週間の基本給は5000ユーロ(70万円・1ユーロ=140円換算)から6000ユーロ(84万円)だが、チップをはずむ客が多いので、期間中に2万5000ユーロ(350万円)稼ぐウエイトレスもいる。ある女性は、フルタイムの仕事があるのに、ビール祭の期間に休暇を取って会場でウエイトレスとして働き、100万円近く稼いだという。このためオクトーバーフェストのウエイトレスは人気の的で、応募者が多い。

 しかし、ビールが入った1リットルのジョッキを6個も7個も担ぐのは重労働で、腰痛に悩むウエイトレスも多い。ビール祭の期間中には、1日も休めない。B氏も知り合いのウエイトレスに代わって一度ビールが入ったジョッキを6個運んだら、背中が痛くなったという。

(文と絵・ミュンヘン在住 熊谷 徹)筆者ホームページ: http://www.tkumagai.de

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