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2015年01月13日03:49

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有機食品スーパー・大流行


 日本では「食の安全」についての関心が高まっているが、ドイツでも有機農法による食料品(エコ食品もしくはビオ食品と言われる)への人気が高まる一方だ。

 ミュンヘン中心部の住宅街に「ベーシック」というスーパーマーケットがある。同社は、ドイツで急速に拡大しているビオスーパー・チェーンで、17の都市に28の店舗を持ち、年商は1億1100万ユーロ(155億4000万円・1ユーロ=140円換算)。

 ベーシックは、販売する約1万点の商品について、「エコロジー」と「消費者の安全」の観点から厳しいチェックを行い、ホームページの中で細かく解説している。たとえば果物と野菜については、「遺伝子操作が行われた種子は使わず、殺虫剤や化学肥料は一切使用しません。また果物の皮に光沢を与える処理は行いません」と説明。

 また肉やハム、ソーセージについては、「家畜には有機農法で作られた飼料のみ与えます。当社に肉類を納入する農家では、家畜に抗生物質や成長促進剤を与えることも禁止しています。さらに、当社に肉類を納入する農家では、牛や豚、鶏を狭い小屋にすし詰めにせず、十分に運動できるように配慮しています」と説明している。

 この他にも、パン、乳製品、乳児用食品、穀物、豆類、飲料、パスタ、化粧品などについて詳細な解説が行われている。

 欧州連合(EU)に加盟する国々では、EUが2007年に施行した「エコ食品に関する指令第834号」の定義を満たす商品だけを「エコ食品」・「ビオ(有機)食品」と呼ぶことが許されている。ベーシックは、原則としてこのEU指令と、環境団体・消費者団体の指針を、商品を選ぶための基準として使っている。

 ドイツでは、他にも「アルナトゥーラ」と「デンレー」という有機スーパーがあり、3社を合わせた店舗数は266ヶ所、3社の年間売上高の合計は12億4200万ユーロ(1738億8800万円)にのぼる。

 ドイツの消費者は、リスク精神と探究心が旺盛だ。彼らは食卓にのぼる食料品や化粧品が健康に及ぼす影響について、細かい神経を使う。ビオ食料品はそれ以外の食料品よりも割高だが、消費者に好まれる。ドイツでも過去に家畜の飼料のダイオキシン汚染や、古い食肉の流通などのスキャンダルが起き、消費者の意識を尖鋭にした。この国では、ビオ食品のシェアはこれからも拡大するだろう。

(文と絵・ミュンヘン在住 熊谷 徹)

筆者ホームページ: http://www.tkumagai.de
 
   


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