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2014年12月14日19:11

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日独・労働制度の違い

私は、25年間にわたって日本とドイツの労働制度を比べた結果、「ドイツの方が人間的だ」と軍配を上げざるを得ない。ドイツの方が勤労者の健康とライフ・アンド・ワークバランスを守る制度がある。しかも制度が空約束には終わらず、徹底的に実行されている。
その典型的な例が、有給休暇である。ドイツは日本よりも厳密に、休暇を取る権利を法律で保障しており、ほとんどの企業もその権利を尊重している。

 1963年に施行された「最低限の休暇に関する法律」によると、「全ての勤労者は1年間に最低24日間の有給休暇を取る権利がある」と定められている。実際には大半の企業が、30日間の有給休暇を与えているほか、時間外労働を1年間に約10日間の代休として消化することを認めている。つまり多くの企業では、社員は1年間に40日間休めるのだ。

もちろん日本の経営者も、社員に有給休暇を与えることを労働基準法によって義務づけられている。だが労基法による最低休暇日数はまず10日であり、継続勤務年数が6年半を超えてようやく20日になる。ほとんどのドイツ企業では、半年の試用期間には有給休暇を取る資格はないが、この期間を過ぎれば、直ちに30日間の有給休暇を取る権利が与えられる。つまり最低休暇日数において、日独の間にはすでに大きな格差があるのだ。

さらに日本と大きく異なる点は、有給休暇の取得率が高いことだ。管理職以外の大半の社員は、30日間の休暇をほぼ完全に消化している。旅行会社エクスペディアが2012年に行った調査によると、日本の有給休暇の消化率は、38%。これに対しドイツでは93%だった。

私が知り合いのドイツ人たちを見ている限り、管理職を除けば、有給休暇を全部取らないという人は、めったにいない。全員が交代で休むのでねたみは起きないし、旅行先からお土産を買ってきて同僚に配る必要もない。
それどころか、管理職は社員に休暇を完全に取るよう奨励する。これは企業経営者が社員の健康を守るような労働条件を確保することを、労働法によって義務づけられているからだ(これをFürsorgepflichtつまり保護義務と呼ぶ)。
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