サルジニア島のフェルティリアという名もない町にて。水辺のレストランで魚介類中心の食事をしていた。このレストランからふと外を見ると、海が陸地に入り込んだ入り江(ラグーネ)に、中世に作られた石の橋の廃墟が残っているのが見えた。流石は、イタリア。
あるドイツ人の科学者が、「新しいアイデアを生むには、忙しいのはだめ」と言うのを聞いたことがある。新しい閃きが生まれるのは、脳にゆとりのある時だという。スケジュールがつまっていて、アポに追われるような状態には、新しいアイデアは生まれない。私の
日経ビジネス電子版にコラム「ア・ピース・オブ・警句」を連載していた名コラムニスト、小田嶋隆が死去した。享年65歳。入退院を繰り返していた時、病室でも原稿を書いていた。「そこまでしなくても」と思う人もいるかもしれない。しかし書くという作業には、
ドイツはガス危機で、インフレと不況のダブルパンチか?ドイツのエネルギーの物価指数は、2021年5月からの1年間で38%、食料品の物価指数は11%上昇しました。ガスプロムのパイプライン・ノルドストリーム1のガス供給量激減で、ガスの小売料金は2
ウクライナに、ドイツの自走榴弾砲PzH2000型7両が、到着した。隣国に侵略され、国際法上の「正当防衛」を行う国には、ドイツがPzH2000のような重火器を供与する時代になった。この一事だけでも、欧州の安全保障をめぐる状況がいかに大きく変わっているかが、
現在欧州では、ロシア軍が一時占領したブチャやイルピンで、住民がロシア軍兵士によって虐殺された実態についての報告が行われている。本当に酷い内容で、「人間の非人間化」がはっきり現れている。殺される前に、1時間半拷問された男性。ロシア兵は、殺す前
身の回りの話題2件。その1ジョギングの帰り道に、近くのスーパーマーケットで、おにぎりが売られているのを発見した。ドイツのスーパーでおにぎりを見たのは、初めて。その2バイエルンで人気のあるパン屋ホーフピステライが、今日から大蒜とコリアンダー風
欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は、すでに先週ウクライナをEU加盟候補国に指名するよう、各国首脳に勧告した。今日のEU首脳会議で、全員が賛成すればウクライナは加盟候補国になる。EU加盟のハードルは、極めて高い。実際の加盟までには、数年もし
今週欧州では、EU首脳会議、NATO首脳会議、さらにドイツ・バイエルン州の五つ星ホテル・エルマウでG7首脳会議が開かれる。どの会議でも、最も重要な議題は、ウクライナ戦争になる。写真はG7サミットの舞台になるホテル・エルマウ。ここが使われるのは、二度
今年3月13日に書いた記事です。ウクライナ戦争はドイツ・EUの再エネ拡大を加速するウクライナ戦争をめぐり、ロシアが報復として「西欧へのガス輸出を停止する可能性」を初めて示唆した。EUには、米国同様ロシアの最も重要な外貨収入源であるガスや原油の輸入
ドイツやイタリアでは、レストラン、喫茶店、バール(屋内)、スーパーマーケットで、ほとんどの人はマスクを着けていない。(私は着けている)イスラエルでは、ホテルやレストランでのマスク着用者はほぼゼロ。だが科学者たちは、この気の緩みが一因となって
地球が発狂し始めている。昨日、ドイツのコトブスで気温が39.2度に達した。6月の気温としては、ドイツで過去最高。多くのドイツ人は、このような暑さをこれまで一度も経験したことがないはずだ。しかもこの国の大半の住宅や家には、冷房がない。いくら空気が
アフリカからの熱波のために、6月なのに36度という異常気象ですが、身体を鍛えなくてはならないので、昨日に続いてニュンフェンブルク宮殿の森でジョギング。熱中症にならないように、木陰を通って、ゆっくり走りました。32年間ドイツに住んでいますが、6月
ロシアが先週からドイツへ供給するガスの量を、通常の半分以下に減らしている。ドイツ政府は、「ロシア政府による政治的な圧力」と断定。ドイツは、夏の間にガス貯蔵タンクにガスを蓄積しなくてはならない。需要が増える冬に備えるためだ。12月1日までに、
2002年に書いた記事です。ロシアで電車に乗る 旧ソ連へ来て、いつも感動させられるのは、地下鉄である。モスクワの地下鉄は有名だが、ここサンクトペテルブルグも例外ではない。まず、西側の地下鉄に比べて異様に深い所を走っており、改札を通ってエスカレー
ウクライナ戦争をめぐるEUの結束に大きな綻びが生じている。対ロ経済制裁が、どんどん骨抜きにされていく。ハンガリーのオルバン首相が、再びEUの第6次対ロ経済制裁をブロックしたのだ。彼は、ロシア正教会のキリル大主教を制裁リストから外すことを要求し始
2002年に書いた記事です。「宗教は阿片である」と言ったのは、カール・マルクスである。マルクス主義を思想的な拠り所として、帝政を打破し、ロシア革命に成功した共産主義者たちは、マルクスの言葉にしたがい、キリスト教を「民衆をまどわす思想」として蔑視
ロシアのウクライナ侵攻がきっかけとなって、ドイツでは「中国への依存度を減らすべきだ」という意見が政界・経済界で強まっています。中国はドイツの最大の貿易相手国。日経ビジネス電子版に今日記事を掲載しました。https://business.nikkei.com/atcl/semin
プーチンに打撃を与えるはずの原油禁輸は、「なまくらの刀」になった。EUは、ハンガリーなどの反対によりロシア産原油の完全禁輸には合意できなかった。とりあえず、海路で運ばれるロシア産原油だけが禁輸の対象となり、パイプラインでEU加盟国に送られる原油
2002年に発表した記事です。日本からサンクトペテルブルグに来る旅行者のほとんどは、エルミタージュ美術館の壮麗な建物や古今東西の美術品を愛で、マリンスキー劇場でバレーを鑑賞して、北方の古都の美しい思い出を胸に、帰国するのではないだろうか。確かに
昨日ミュンヘンで「トップガン・マベリック」を見に行ったら、映画館はかなり混んでいて、誰も館内でマスクをしておらず、まるでコロナが始まる前のような雰囲気だった。私はマスクを2重にして着けていた。これでは、秋以降、コロナ・パンデミックの再来は避
2019年2月にこんな記事を発表していました。 ロシアからドイツへ直接ガスを輸送する海底輸送管ノルトストリーム2(NS2)をめぐりドイツと周辺諸国の間の対立が激化している。 EUは2月8日にNS2建設に反対するポーランドなどのガス指令改正案について採決
2021年10月に書いた記事です。 イタリア人と日本人の共通点の一つは、「美味しいもの」への執念だ。すでにイタリアに30回以上行ったが、いつも感心させられるのは、名もない村に驚くほど洗練されたレストランがあることだ。 私が住むミュンヘンから南へ約
ドイツ語がわかる人は、このハーベック経済気候保護大臣の話を聞いて下さい。私はショルツではなく、この人に首相になってもらいたかった。都合の悪い真実を隠さずに、率直に国民に語る。コミュニケーションの力が、ショルツ首相に大幅に勝っている。ドイツの
真の民主主義国家の強権国家に対する優位性、強さの一つは、誤りを認めて軌道修正できることです。強い民主主義国家は、間違いを悟ったら、あえて面目を失うことを受け入れて政策を改善する。ドイツ政府は今、その真っ最中です。これに対しロシア政府や中国政
最近、ロシアのウクライナ侵攻についてのニュースが世界中で、めっきり減った。しかし、戦争はまだまだ続いている。欧州ではこの戦争が数年間続くという見方も出ている。「戦争慣れ」は危険である。ドイツがLNG陸揚げターミナルを完成させるのは、早くても22
プーチン大統領は昨日、「欧米が対ロシア経済制裁をやめるならば、ウクライナの穀物の外国への輸出を許す」と言った。この発言は、米国やEUの経済制裁が、ロシアにとって大きな負担になりつつあることの証拠だ。欧米はウクライナでの戦争には参戦しないのだか
ロシアからガス、原油、石炭を買うのをやめるというのは、買っている量の多寡の問題ではない。ウクライナで市民を虐殺したり、ロシアの僻地へ強制移住させたり、町をミサイルで破壊したりする国に、金を払うべきかどうかという問題である。ロシアは、西側が払
2004年に書いた記事です。 ミュンヘンは日本の観光客にドイツで最も人気がある町の一つだが、マリエン広場で市庁舎を見てから、有名なビアホール、ホーフブロイハウスへ行ってビールを飲むというのが、お決まりのコースのようだ。二回目からの観光では、ちょ