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2022年03月31日11:23

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札響の首席ファゴット奏者〜坂口さん

「ススキーノと共に」第772回のゲストは札幌交響楽団の木管楽器・ファゴットの首席奏者・坂口 聡さんでした。
  1961年函館市生まれ。60歳。
中学までは柔道、バスケなどスポーツ少年。
遠軽高校に入学して吹奏楽部。
「1ヵ月だけトローンボーンでしたが、コンクール出場のために木管楽器・ファゴットを担当することになりました」
フアゴット独特の音色や幅広い音域に魅せられた坂口さんは夢中になって練習し、吹奏楽コンクールでは全国大会に出場して銀賞を受賞。その後、父の転勤で小樽桜陽高校2年に編入した時には、「部活に入らず社会人の市民オーケストラに入り、音大を受験するために2ヵ月に1度は上京してファゴットの個人レッスンを受けました」
その努力が実り国立音楽大学に合格すると、「大学所蔵国内有数の音楽ライブラリーからソロ、3重奏、5重奏、大編成の室内楽などのありとあらゆる楽譜を借り出しては、猛練習に励みました」。
毎年・草津温泉で開催される「草津国際音楽祭」で世界的なファゴット奏者・ミラン・トゥルコビッチさんと出会い、オーストリア留学に繋がっていきました。
1984年に国立音大を卒業して同年  オーストリアに留学し、ザルツブルグ・モーツアルデウム音楽大学に入学してトゥルコビッチ先生に師事して研鑽。
1986年の卒業演奏は「1夜のソロリサイタルに加え、事前に30曲からなるオーケストラの難しいパッセージを提出し、当日指定された曲を演奏しなければならない」という難関を突破して卒業。
前年、道内唯一のプロオーケストラ・札幌交響楽団でファゴットのオーディションがあり、見事に合格し1986年2月に正団員となり、副首席奏者を経て2002年から首席奏者となりました。
この日、生放送で坂口さんが聴かせてくれた1曲目は恩師の演奏によるモーツアルトの「ファゴット協奏曲」。
「高校1年のときに初めて買ったファゴットのレコードがミラン・トゥルコビッチ先生の演奏であり、その後オーストリアに留学して師事した私にとっては運命的な出会いの“神”のような存在です」。
2曲目は2006年から札響の首席客演指揮者だったラドミル・エリシュカさんのチャイコフスキー作曲の交響曲6番の「悲愴」。
「エリシュカさんは札響にとっても、私にとっても愛すべき偉大なマエストロであり、音楽家であり、父のような存在。
「悲愴」の慟哭や激情の感情を表現するエリシュカさんは一瞬のうちに全団員の心をまとめ上げるマジシャンのような方でした」。
3曲目もエリシュカさんが86歳の最後の来日公演となった2017年の札響・第604回の定演から交響組曲「シェラザード」。
「万感の思いで振るエリシュカさんのタクトは重厚で壮大。キタラホールのカーテンコールは20分以上続き、団員も聴衆も涙に暮れました」。
4曲目は北海道を代表する作曲家・伊福部昭さん」の代表曲「 SF交響フアンタジー第1番」。
「ゴジラのテーマ曲ですが、北海道の土地勘、アイヌ民族の踊り を連想させる独特のリズムを楽しんでください」。
 5曲目は道内最大級の社会人オーケストラ川越守先生が指揮する「北海道交響楽団」の演奏でジョン・ウイリアムスの「ファゴット協奏曲〜5つの聖なる木」。
「ソリストとして招かれての国内初演でしたが、フアゴットの哀切な深い響きを心掛けました」
「札響に入団して36年目。共演者として知り合って10年後に再会して結婚したピアニストの妻との間に生まれた高1の息子もファゴット奏者を目指しています」と還暦を迎えても、音楽は人生のすべてであり、生涯現役を目指すという坂口 聡さんでした。
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