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2020年07月07日13:21

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コナン・ドイル「四つの署名」角川文庫

シリーズ二作目。実は𠤵まれて初めて読んだホームズものが、山中峯太郎版の本作。ホームズものには四つの中篇が有るが、内訳としては一作が怪奇スリラーで三作が過去に原因を求める伝奇もので、伝奇ものはいずれもホームズが解決後に過去の物語が出て來る構成だが、山中峯太郎版では過去話を第一部とし、ホームズが活躍する現在を第二部としていた。
しかし改めて読み直してみると、今日で云う推理小説ではなく伝奇ロマンの方になる。犯人、動機、手段を解明するのが推理小説なのだが、本作はそれらが早々に判朙(犯人は作中に登場する前に名指しされる)し、物語の興味は犯人の追跡となる。この辺りの展開は警察ものにも通じる。
犯人は凶悪ではあるが筋を通す潔さが有り、山中峯太郎版では登場人物一覧の所で副主人公と紹介されていた。

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