カフェライブワイヤーにて。
ゲストは七月鏡一先生。七月先生と平井和正先生の出会いはネットで匿名で「ボヘミアン・ガラス・ストリート」が発表された際、「作者当てクイズ」が有って、それで平井先生だと云い当てたのがきっかけで先生と遣り取りする様に成ったのだそうだ。それで元少年マガジン編集長の内田勝さんが８マン復活を目論んだ際、平井先生の推薦でアニメ「８マン・インフィニティー」の企画に関わると同時に、内田さんが当時編集長だったマガジンＺにも漫画版を連載する事に成りそちらの原作も担当されたものの、アニメはパイロット版が作成されたもののスポンサーが見つからず、その内にマガジンＺの休刊してしまい「８マン・インフィニティー」の企画は頓挫したのだと云う。で、「８マン・インフィニティー」キックオフのお茶会には平井和正先生と桑田二郎先生も来られていて、お二人の雑談で一神教の唯一神について、天罰で滅ぼしたりする様な神など居ない居ないと云う事で意見の一致を見ておられたと云う事で、その場において神様の如きお二人が神様談義・・・。
嘗ての８マンは平井先生の漫画原作者としてのスタートに成った作品で、後にアニメ化されると原作の平井先生が脚本（他にも後に有名に成るＳＦ作家達や若き日の辻真先先生も参加）のメインに、漫画を担当されていた桑田先生が原画にと云う、後から考えると贅沢な布陣を敷いた作品だが、当時、平井先生は立風書房を訴えた大改竄事件のお蔭で小説家として出版界から敬遠され干された状態で、その平井先生に眼を付けたのが内田さんで、後に平井先生が「幻魔大戦」や「スパイダーマン」や「デスハンター」の原作を担当されたのも、皆、内田さんに依る。この内「幻魔大戦」は打ち切りに成り、平井先生は当時、不人気の為と説明を受けておられたらしいが、実はそうでは無くて石森先生が講談社の上層部と折り合いが悪くそれで打ち切りに成ったのだと云う事を、後に内田さんが平井先生に告白されたそうだ。尚、「幻魔大戦」を打ち切りにした人物は「あしたのジョー」の仕掛け人でもあり、主人公の丈と云う名前はその人物が決めたのだと云う、そして東丈が主人公の「幻魔大戦」が終了した次の号から矢吹丈が主人公の「あしたのジョー」がスタートしたのだそうだ。
「幻魔大戦」は後に小説に成り角川でアニメ化されるが脚本家が漫画版のファンで、ラストを漫画と同じ月の大接近で終わらせたかったらしいのだが、監督のりん・たろうは、この一本で完結するのだからそれでは駄目だと云う良く判らない理由で変更させたらしい。つまりハッピーエンドにさせたかったのだろう。何でもハッピーエンドが良いとする人物は少なく無いが、そうした一人だったのかも知れない。
尚、「幻魔大戦」は東映が実写テレヴィシリーズの企画を立てた事が有ったとか。何でもソニーを日本人にし、丈が超能力を失っている設定で、敵が幻魔七人衆・・・平井先生は一蹴されたらしい。
平井先生は漫画原作として書かれたものを小説としても発表されておられるが、「幻魔大戦」と並ぶのは「デスハンター」を元にした「死霊狩り」だろう。個人的には漫画の方が先だったせいか「デスハンター」の方がしっくり来るのだが、他にも「スパイダーマン」のエピソードをアダルト・ウルフガイに転用したものなど様々有る。「超革命的中学生集団」など冒頭は「エリート」が使われている。
わたしなどは漫画原作に使われたものに関しては漫画を先に見ているのだが、日下先生と七月先生は小説を先に読まれ、それから漫画をお知りに成ったそうだ。
七月先生のお話では、平井先生は普段はお優しいが一徹な所の有る方だったと云う。又、女子高生好きでゴクミに手紙を出してお友達に成って貰った事もお有りだったそうだ。実際に会って話をされた事もお有りだったらしい。まあ「月光魔術團」を読めば先生の女子高生好きは大体判るが、ウルフガイの最終シリーズとも云うべき「月光魔術團」が第一部、第二部と出版社を変えた上、第三部が電子出版及び（紙の方は）自費出版系だったのは、巻数が多く普通の出版社では一部十二冊が精一杯で、あの時点でも、とても全三十七巻を出せる体力の有る出版社は無かったらしい。
尚、平井先生が漫画好きなのはご自身の本の後書きなどで知っていたが、アニメもよくご覧に成っていてエヴァンゲリオンについても「綾波がいい」と云っておられたそうだ。只、庵野監督への評価はどうだったのかが気に成る。なにしろアブダクション・シリーズの第一作では富野と云うヤクザが中々美味しい役どころなのに対して餡野と云う登場人物があまり良くない役どころだったりする（富野監督は平井先生と仲が良かったらしい）のだが、エヴァンゲリオンと云う作品そのものについては仰っておられ無かったらしい。
次回、平井和正Part2は2月12日との事。今から楽しみだ。
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